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煙草屋さんと弾丸  作者: 赤城霧弥
3/10

火の点かない煙草 参

「そこ右」

「ん」長年の付き合いだからか、お互いに性格をよく理解している。「…何これ」

「皆闇市が好きなんだ。仕方あるまい。文句はソイツに言え」溜息を吐く七瀬に対し、秋人はどうにもならないと云わんばかりの表情をしていた。

「てかさ…何か前来た時より増えてない?」

「あぁ…回収してもキリがなねぇ…」

 闇市。そこでは違法薬物から武器、盗品の宝石等、枚挙に遑がない程の商品が高値で売られている。なかでも一番多く売られている物がある。


 ―――――実包。


 実包といっても唯の実包ではない。一見通常の弾丸と変わらないのだが、正統な使い手でなければ銃が暴発してしまう、少々厄介で特殊な構造になっている。

 それを知ってか知らずか、“ 煙草屋ととある職業が婚約する事でしか使えない”この噂を悪用して煙草屋に近付く不届き者も多くはない。


「あ、クソッ…つけてるのがバレやがった…!」

「え、あれってさっきの客のおじさんじゃ」

「最近うちの煙草屋だけじゃなくて、近所の煙草屋で見かけたから、数日目ぇ付けてたが、どうやら当たりかもしれねぇ…」

 2人は狭い路地を駆けるも、

「確かこの左の角を曲がった筈じゃ…!?」

 完全に見失ってしまっていた。


「先程から私をつけていたみたいだが、尾行が甘いね」


「「!」」

「じじぃ、じゃねーだと…!?」

「君、失礼な事を云うね。私はまだ25歳だ。まぁいいさ…。少年の云う“ じじぃ”とは、これかな?」懐に隠していたマスクを取り出し被ってみせる。「どうだね?君の云う“ じじぃ”だ。驚いたか?」

「じじぃ…お前変わり果てちまいやがって…。墓参りには行ってやるからな…」

「勝手に殺すな」被っていたマスクを地面に脱ぎ捨て、「さて…、何故私をつけてきたのかな?」と、続ける。

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