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火の点かない煙草 拾
「まだそんな力残っていたのか。たいした男だ。が、銃を下ろせ」リーダー格は更に首を絞める手の力を強める。「あー…両手塞がって弾の回収出来ねぇな」首根っこを鷲掴みしていた七瀬を、そのまま投げ飛ばす。
「っが…ッ」柵に勢いよく体を打ち付けられ、そのまま倒れ込む。
「な…な…ッ」とうに声など出ず息の根が止まっていてもおかしくない筈なのに、最後の力を振り絞って出した声は、虚しくも七瀬には届かず、手から小銃が滑り落ちていった。
「ちゃんと銃を下ろして偉いな。最初から下ろしてりゃ、あの女も死なずに済んだのにな。命令だからお前は生かしとくが、コイツは返してもらうぜ」
分厚い手から漸く解放されるも意識が飛び、死んだと宣告された七瀬も怪我が酷く、2人は1ヶ月間の入院となった。
改造された違法の実包は、リーダー格の手に渡りその後は謎のままだ…。
「ふざけんなよ、あんのクソサツ共。俺達を都市伝説ごっこっつー前に、公安に訊いて来い。んで、闇市見てからもの云いやがれ」店の影でぶつぶつ文句をたらしながら、男は5本目の煙草を吹かす。
「すいません。抹茶ラテ1つ下さい」
店の影からゆらりと男が立ち上がり店の中に入り、店主と口を揃えてこう云った。
「「うちは煙草屋だ」」




