海の中って綺麗なんだよね
振り返るとまた金ぴかの仮面を付けた···口は悪いが女の声色だ。しかも玉座みたいな所から俺を見下ろしていた。
この世界ではどうやら金ぴかというか付属品の仮面を付けた女性が偉いらしい。
「この一族代表して礼を言うぞ。ありがとう」と言って頭を下げてきた。
頭は下げているのだが何とも偉そうな態度何だろうか。
だって玉座に座りながらだがあんまり謝られてる感じがしない。
そんな事よりも俺何かしたか。覚えてない。
手を頭の上に置いて考えていたが、んーやっぱり思い出せない。
でもずっと仮面を付けた偉そうな女は今だに頭下げてるしな。玉座の上からだけどな。
「何かしましたっけ俺?」
金ぴかの仮面を付けた女性は頭を上げ視線を俺に向けると喋りだした。
「角が生えた奇妙な男がいたろ。あれは私達の領土を奪わんとする怪物でな。それと一人の女の子がそいつに襲われていてな。それを助けたのがお前だ」
どうやら俺の会心の一撃は他人のためになっていたらしい。
片手に持っていたシャベルは先端の所が窪んでいた。
「の···飲み物を少し恵んで下さる事は出来ないでしょうか?」
急に思い出したかのように言うと、急激に喉の渇きが感じた。
金ぴかの仮面を付けた女性が玉座から立ち上がり、腰の脇に装備していたひょうたんを俺に渡してきた。
ひょうたんの蓋を取り、物凄い勢いで俺はそれを飲み干した。
この島に来て初めての水は俺の全身の血液に行き届き、血の気が良くなった気がする。
要するに元気になっただけなのだが。
金ぴかの仮面を付けた女性は俺がひょうたんを返すと、少し身体が固まっていたのか、仮面を付けているので表情を確認する事は出来ないが、俺の所を凝視しているような気がした。
「すいません。それともう一つお願いがあるんですけど、俺をこの部屋に泊めて頂く事は出来ないでしょうか?」
金ぴかの仮面を付けた女性はひょうたんを手から話し、地面に落ちたひょうたんの音だけがこの空間を制した。
数秒間の沈黙。
俺何か変な事言っちまったかな。
でも何だこの場所の空気感わ。
人を避けずんでるでもなく、まったりでもなく経験した事がない変な空気だ。
「ここに泊まる···だと?」
仮面のせいで相変わらず表情は見えないが、ただ言葉が少し柔らかくなった気がした。
「差し支えなければですけど」
「断る!!!」
仮面の女が急に声を荒げた。
ちょ、何なんだよ急に。
仮面女は俺に先ほどのひょうたんを渡し、同族を使って出てけと手で合図をし、俺はこの要塞を後にした。
現在の持ち物。
形が歪んだスコップとひょうたん。
まったく持って使い物にならないし、何ならひょうたんこの場で捨ててもいい位だぞ。
一番最初にいた砂浜ではない砂浜にいるのだが、外は明るくなっていて俺はどうやら徹夜をしてしまったらしい。
水分を摂ったからか昨日よりも喉の渇きは感じられないが、もう間も無くうだるような暑さになるのは間違いがない。
つまりこの持っているアイテムでどうにかするしかないのだ。
思ったんだが何故二人とも俺をいつもいつも砂浜に送るのだ。
何か理由があるのか?
考えてもその答えもでそうにないので腹の音がグーっと突然なり空腹すぎるので取り敢えず食糧を確保する為にスコップ片手にパンツ一丁になった。
俺は気付いた食糧なら目の前にある事を。
母なる海。
「今から海へピョーン」と訳の分からない掛け声で俺は海の中に入った。
現在の時間は分からなかったが、取り敢えず身体中が焼けるように熱くなっていたので、ちょうどいい体温になった。
波の流れもゆるくこれなら1日漁をしていても問題は無さそうだ。
海の中に潜ると周り中の音が遮断され、海と一体化とたのではないかと君がな感覚に陥った。
自分の鼻からは気泡が出て上へと昇る、そして海の中は幻想的に綺麗だった。
まさにオモチャである海のスノードームを実際中に入ってるみたいだった。
こんな所に魚何ているのかと思ったらちょうど珊瑚礁の間に隠れているカサゴを発見した。
これは採るしかないでしょ。
俺は深く潜る為に一度海の中から出て、肺いっぱいに空気を吸い込み再び潜水した。
カサゴはまだ珊瑚の間にいて移動する素振りが全然見えないので、スコップの先端をカサゴに向けて放った。
カサゴにたどり着くまでに時間的に数秒かかる。
そのかんカサゴは何事もなかったかのようにその場から離れた。
そう水中の中なので、俺みたいな普通の常任が投げたスコップなど遅すぎて当たるはずもないのだ。
しかもこんな切れ味の悪いスコップに当たっても捕らえる事も到底思えないが。
俺は一応念のためにそこからあまり離れていなかったカサゴにもう一度試してみたが先ほどよりもスコップの速度は落ちていた。