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何か俺の思ってるスローライフと違うんだけど

 海水が無理となるとどうすれば···身体が潮風の冷たい風に当りぶるっと震えた。

 先ほどまでじんわりと汗が滲みでていたのに、今は毛布を被っていたいくらいだ。

 取り敢えず最優先の飲み水は諦めて寝床を探すべく、草木が生い茂ってる中に戻ることにした。

 

 夜の知らない草木の中は想像以上に怖い。

 ひょっとしたら化け物でもでるんじゃあないかと思われる位、不気味さを漂わせていた。

 こんな所で、寝床何て見つかるのだろうか?

 おそらく見付からないだろう。

 俺自身が寝床とはどんな形か理解していないからだ。

 もしも寝ていいなら俺は砂浜でそのまま寝るけど、でも実際寝たら間違いなく風邪引くし下手したら死ぬ事だって考えられる。

 そんな事を考えていたら、身体に違う寒気が走った。

 それとふと今思ったのだが、いちいち俺が何故苦労してまで飲み水や寝床を探さなければならない。

 普通にマティのいる場所に戻り、あの部屋を俺の物にすればいいんじゃあないのか。

 俺はマティの部屋にこっそりと戻ることに決めた。


「ここはどこだ?」

 と声は無情にも闇の中に消えていった。

 俺は少しなめていたのかも知れない。

 夜の山道の恐ろしさを。

 そう。俺は完全に道に迷い遭難したのだ。

 遭難した時絶対にやってはいけない鉄則がある。

『それは安易に動かない事』

 なぜなら待っていれば人が必ず現れ助けてくれるからだ。

 でもこれって大前提で知り合いがここの山にいるって話しをしてないか。

 残念ながら俺はそんな知り合いいないんだけど。

 それは俺がこの地に一人で降りさったから。


 カサカサと距離が数メートルある茂みが揺れた。

 動物か?

 いや、前と同じマティのクレア族か?

 どっちにしてもそこに何かいるのは間違いがない。


 唯一の武器であると同時に俺の生命線とも言えるスコップを、刀のように頭の上で構えた。

 一歩ずつゆっくり進み、ついに茂みの目の前に立ちスコップを振り下ろした。

 鉄と鉄が激しくぶつかった後に鳴る金属音が真っ暗な闇の中を制圧した。

「いてーな何するんだ?」

 と言いながら暗いので良くみえないが片方の角が折れ、顔中血だらけになった、男が現れた。

「···すいませんでした」

 相手に見えてるかどうかは分からないが、取り敢えず頭を下げ謝った。

「テメーおらの角折りやがって。頭下げても許さねーぞ」

 どうやら相手の目は相当いいらしい。

 視力でいうと10.0はあるな。うん。

 しかも岩手の人だったんですね。

 ほら、よく岩手の人は方言でオラーっていうもんね。

 正確には東北地方の人が正しいのだろうか。

 まぁ今はどっちでもいいか。

 角の折れた人間が俺に襲いかかってきたので、俺はどこかれ構わず走りだした。

 

 正確に言うと人間がどうかは分からないが、取り敢えず藁の服を着ていたので人間だと思う。

 ハァハァハァと息を切らしながら走っているが、後ろを振り向くと鬼の形相でこちらに迫ってきていた。

 足下にあった丸い小枝に足が躓いて、思わず転んでしまった。

 ヤバい何て典型的なミスをしてしまったのだろう。

 そう思った瞬間後ろにいた、角の折れた人間が俺の顔を殴ろうとした刹那

「射てー!!!」

 と声がしたと同時に俺の頭の上から火矢が飛んできて何十本も男にささり、丸焦げになり絶命した。

「た···助かった」

 とポツリ呟き俺は安堵した。


 先ほど声が聞こえた方向から徐々に俺の所に向かって足音が近付いている。

 何となくだがヤバい奴らが俺に近付いているのは間違いないので、この場から動こうとしたがまったく動けないでいた。

 多分疲労と喉の渇き過ぎだろ。


 足音がさらに大きくなり俺の目の前に現れた。

 暗くてよくは見えないが仮面を付けたものが数人が即座に俺を囲った。

 何なの。

 何でこいつらいつも仮面付けて俺を囲むの。

 趣味なの。

 ねー趣味なの。

「連行しろ」

 囲んでいた奴の一人がいい、俺はがたいのいい男に担がれどこかに連行された。

 え、俺は何か悪い事した。

 絶好にしてない···と思う。 

 ここは一言だけ言っておこう。

「誰か助けてくれーーー!!!」

 

 連れこられた場所は要塞みたいな、砦だ。

 入り口に仲間がいて、俺達を確認すると鈍い音をたてながら門が開いた。


 要塞に入ると長い廊下が続き、数何本ある蝋燭で廊下の灯りが照らされている。

 これは拷問でも受けるのかと予感したがそんなガンガンなど気にしないほど奥へ奥へと進んでいく。


 扉を開けると同時に足音が止まった。

 どうやら着いたらしい。

 俺の拷問部屋に。

 担がれていた俺はゆっくりと降ろされ、俺意外な人はこの部屋から出ていった。

 辺りを見回していたら「おい」と後ろから声をかけられた。

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