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今回も、やっぱり女の子と女の子がイチャイチャするだけの回なので、苦手な方はスルーして下さい。

 

 二人きりの空間。

 まず最初にした事は…


 ヘルちゃんの唇に私の唇を重ねる事。

 …チューしたかったから。

 十秒くらい唇を重ねた後は、舌を入れて長いキスをする。

 ヘルちゃんの顔が蕩けそうな程に熱い。

 その熱さが…私の心を熱くしていく。


 ……やばい、止まらないから落ち着こう。


 少し顔を離してヘルちゃんを見詰めると、潤んだ瞳で見つめ返された。もっともっとと言うように…唇が寂しいと言うように…上目遣いで見詰められると私の心がキュンキュンしてしまう。


「後で、沢山チューしようね」

「…絶対よ」


 とりあえずシャワーを浴びよう。

 本当は私がヘルちゃんの身体をペロペロ綺麗にしてあげたいのだけれど、いきなりはレベルが高いと思われるのでまた今度。


 私は服をスポッと脱ぎ、ヘルちゃんはぎこちない様子で脱いでいく。

 …あっ、もしかして服の着脱はメイドさんに任せていたから慣れていないのかな。ここはヘルちゃんの為に仁王立ちで待とう。


「あの…なんでそんなに堂々としているのよ…」

「まぁ…女の子同士だし、隠す事無いかなって」


 白い肌が朱色に染まり、近寄ってみると熱を帯びているのが解る。触れると案の定熱い。身体がピクッと反応するから、色々触ってしまったけれど抵抗しないという事は…良いのかな。


 もちろん身体は洗ってあげる。手で念入りに…くすぐったそうに身を捻るけれど、ちゃんと洗えないからじっとしてて。


「ぁっ…そこは…」

「優しくするから」

「――ひぅ!」


 ……うん、早く洗ってしまおう。

 ……私は自分でやるよ。次回ね、明日も泊まる?


 シャワーから上がり、身体を拭いて、髪を乾かして、歯を磨いて寝る準備。


「お花の油を髪に馴染ませると、朝サラサラだよ」

「へぇー、こんなのがあるのね。……お揃いの匂いが良いな」


 今日はもうデレなヘルちゃんしか居ない。

 デレヘルちゃん……なんか響きが嫌。



 ヘルちゃんの髪に花油を馴染ませながら、あの時なんでアース王女とミズキが来たのかを話す事となった。


「私ね、ミズキさんと闘ったの」

「…それで、結果は?」


「私が勝ったよ。お互い全力じゃなかったけれどね」

「……凄いわね。でもどうして闘ったのよ?」


「三ヶ月くらい前にミズキさんが私を殺してね。実は生きているよーって伝えたくて呼び出したの」

「……勇者が殺すほどの犯罪者だったの?」


「犯罪者ではなかったけれど、私が殺されて喜んでいる人は沢山居るかな」

「……どういう事よ」


 いやー、本当にリアちゃんからアレを聞いたらますます帰る気が失せたというか……

 ヘルちゃんが催促するように私の太ももをサワサワしている。


「最近聞いた事ない? 帝国のお金で買えない大事なモノを誰かにあげた話」

「大事なモノ? ……んー……転移ゲート?」


「そう。転移ゲートを貰った私の親は、とてもとても喜んでいるみたい。ずっと疎ましく思っていた子供が、最後に役に立ったってね」

「貰ったって…フーツー王国……えっ……どういう事……あなたは……」


 ヘルちゃんが振り返り、予想した答えを言おうとしているけれど、もし当たってしまっては大変。そんな感じの葛藤が見えるけれど、私的に別に教えても構わない。秘密の道連れが出来る訳だし。


「フーツー王国第一王女、アレスティア・フーツー・ミリスタン……昔の名前だけれどね」


 目の横でピースサインを作りながら、可愛くポーズ。

 どや。可愛いやろ。

 ……ありゃ、ヘルちゃんが硬直してしまった。

 まぁ無理も無いか。

 アレスティア王女が生きているとなれば、様々な事情が変わる。

 泣く人も笑う人も大勢出来る。

 それなら、生きている事を隠した方が世の為。

 それに、私が先祖返りをしていると知ったら……秘密を一生抱えなければいけないかな。


 おーい。

 ヘルちゃーん。


「――はっ! えっ…嘘…どうして、帝都に?」

「夢が一番叶えやすい街だからね」

「夢…」

「この世界の最強種に勝つ事!」


 なんだろう…一気に呆れた目を向けられたな。

 良いじゃん。夢を見るくらい。


「じゃ、じゃあお兄様の事は…」

「好きでもなんでも無いよ。手紙のやり取りすらしていなかったのに、あの日に初めて会ってミズキに殺されたんだから」


「……ちょっと待って…情報が多い」


 混乱中のヘルちゃんに、少しずつ説明をしていく。

 第二皇女だからこそ、この事は誰にも言えないよね。

 さぁ、来るべき日が来るまで秘密を抱えようではないか。

 もうチューする仲だから、道連れだよ。


「この事を知っているのは…」

「リアちゃんと、ムルムーと、ミズキと、ヘルちゃんかな。他に居たっけ?」


「…どうしてムルムーさん?」

「あぁ…私の元専属侍女だからね。さぁヘルちゃん、ここまで知ったからには…解っているよね?」


「えぇ…」

「じゃあ、エッチしよっか」

「えぇ!?」


 私の秘密を知ったからには、ヘルちゃんの秘密の部分をさらけ出さなければならないのだよ。

 という事で、押し倒す。


 ヘルちゃんがポンッとベッドに押し倒され、ふふっと面白そうに笑っていた。


「王女と皇女…なんか、凄く悪い事をしているみたいね」

「悪い事だよ。皇女が元王女に襲われているんだから」


 パジャマを脱がして朱色に染まった肌に舌を這わせる。最初はくすぐったそうにしていたけれど、次第に息が荒くなり…小山の頂点に舌を這わせた時には、艶のある声に変わっていた。


 ヘルちゃんも負けじと私の身体に舌を這わせ、絡み合う。


 あっ、そうだ。

 リアちゃんから『でんま』という物をプレゼントされたんだった。使い方も説明済み。

 ヴヴヴヴ――

 ……何これ怖い。


 ヘルちゃん…試してみよっか。


 ……


 ……


 ……


 ……いやー…凄かった。

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