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こういう友達もありだと思うのは、私がボッチだからか。

 

 凄く良い事が解った。

 深淵魔法の闇属性の中に、傀儡人形を作る事が出来る。

 裏の自分って事かな? 原理は解らないけれど……


 私とそっくりの人形。

 少し違和感はあるけれど、地味眼鏡を掛ければ地味アレスに早変わり!


 つまり…セルフ友達!



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「ねぇアレス君、昨日はどうして眼鏡をしていなかったの?」

「あぁ…それは…」


 ボッチが寂しくて地味モードをオフにしたなんて、恥ずかしいから言えない。フラムちゃんとミーレイちゃんはお弁当友達がいるから…私の気持ちは解らない。


 でも…私にもお弁当を一緒に食べてくれる人が出来たのだよ。

 ふっふっふ、見ておれ。


「ビックリして止まっちゃった」

「あっ、私も。アスティちゃん直ぐに帰っちゃうんだもん」


 ミーレイちゃん、学校ではアレスだよ。

 ボッチを再認識した瞬間だよね。

 学校では元々仲の良い友達が居るから、私の入り込む余地が無い。


「眼鏡を通さないで…二人の顔が見たかったから…」

「「……」」


 ……いやごめん。顔を赤くしないで。

 ほらっ、男子達が睨んでいるじゃないか。

 ガールズトークだよー。



「またねー」


 フラムちゃんは剣術指南。

 ミーレイちゃんはアズリード家で妹のアーリィちゃんの魔法訓練に参加。だからチロルちゃんもアズリード家。

 つまり…私は、一人。



 という事で、着替えてレティスタイルに変身。

 ついでに予備の地味眼鏡を掛けた偽物アレスを作成。


 うん、地味な私だ。

 ……まてよ。もしこれで外を歩けば天使ちゃんを連れた地味な奴という事になる……結果は想像に難しくない。


 という事は…真アレスの状態にすれば、地味アレスに怨みが集中する事は無いか……

 前髪うぃっぐを傀儡人形に装備。


 おー! 良い感じに真アレスになった!



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 今、レティ()アレス()が並んで歩いている。


 私から見ると、凄い違和感。

 客観的に見ると、双子の兄妹。


 ……全然友達同士に見えない。

 ちょっと手を繋いでみよう……

 ――手が冷たい! こんなの死体じゃねえか!

 ……でも……贅沢は言っていられないか。


 廊下ですれ違う生徒達は、兄妹兄妹と言っているし…

 注目度が二倍……こりゃお弁当どころじゃあないな。

 フラムちゃんとミーレイちゃんは…もう居ない。

 あぁ…悲しきかな。


 まぁ…うん…解っていたさ…こうなる事くらい。でも希望に縋りたかった。


 結局私は私にしかならないという結果に終わったのだけれど、色々解った事がある。


 アレスの視点は、深淵の瞳を介して観られる。

 喋る事も可能。

 私の魔力が続く限り、遠隔操作も可能。

 身体能力は普通。

 魔法は使えるけれど、深淵魔法のみ。


 つまり、本体は家でゴロゴロしながら分体で学校に行けるという夢のような仕様。


 素晴らしきかな。深淵魔法。


 そうと決まれば魔導具屋さんへ行って偽物用の収納魔導具と、リアちゃんに自慢しよう。


 今日はラジャーナに行く暇が無いや。

 家でゴロゴロの為に色々奔走しなければならないからね!



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 私と私で魔導具屋さんへ行き、一番安い収納魔導具を購入。

 筆記用具等々持たなければいけないから、後は買い物も出来るし。

 引きこもりへの序章になりそうだけれど、お花屋さんをサボりがちだから少しでも手伝いたいし光魔法の訓練もしたいから。


 後は…本屋さんで理論書や図鑑やアレな本を購入。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 色々買い物も終わり、パンパンに到着。

 裏口から入ると、いつもと違う魔力を感じたのかリアちゃんが待っていた。

 そして、私に向かって手を差し伸べる。


「……頂戴」


 何を? ……傀儡人形を? 駄目。何に使うのさ。


「抱き枕」


 いや、それなら私が抱き枕になるし。

 だーめ。必要なので。

 傀儡人形を解除して無い無いする。


 ……ぶーって顔も可愛いですね。


「あっ、今日はヘルちゃんが家に遊びに来ますので、宜しくお願いします」

「良いよ。アスきゅんの為に連れて来たんだから」


「ありがとうございます。晩御飯ここで食べていって良いですか?」

「どうしよっかなー」


 食べさせてよ。ロンロンの料理。

 私の料理は普通なんだよ…ザ平均値なんだ…ヘルちゃんの舌を満足させてあげられないんだよ…頼むよ。


「ふふっ、良いよ。でも先に食べてね」



 ……みんなで食べると私を巡って戦争が起きるというので、私だけ先に戴く。

 ……美味。ムルムーが太る理由が解るなぁ…


 ……野菜メインの料理だけれど、物足りなさが全く無い。

 パンが進むね。


 ……食べた。ペロリだった。


 とりあえずヘルちゃんを待とう。

 ……あっ、ムルムー。最近ステラさんと仲良くなったんだね。背景で一緒に居るのを頻繁に見るよ。

 いつも何を話すの? 政治……あぁ…そう。

 そういえば私はもうすぐ中等部なんだけれど、パンパンの店員さんで中等部に行く人は居るの? レーナちゃんか……帰りは一緒に帰れるかな……いや、きっと一日で大量のお友達を作って私の前から消えて行くと思う。


「……待たせたわね」


「ヘルちゃんお疲れ様。行こっか」


 ヘルちゃん、目を合わせておくれ。

 ……よし、今日も可愛い。


 帝国歴史上の女王に由来して、帝国美人という単語がある。

 ヘルちゃんはまさにその帝国美人。少しつり目な勝ち気の雰囲気。

 帝国美人を求めて、隣国から嫁探しに来る貴族も居る程。


 因みにフラムちゃんも帝国美人。

 ミーレイちゃんは東方美人。

 チロルちゃんは…なに美人だろう…可愛い系だからなぁ。

 リアちゃんは超美人。


 私は…女子にモテる女子。



 ヘルちゃんと一緒に家へと到着。

 店長は彼氏の元へ行ってしまったから、誰も居ない。


「ヘルちゃん、二人っきりだね」

「……うん」


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