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そろそろ新しい魔法を覚えたい。

 

「これで最後! ――ソルレーザー・ラン!」

 キイィィィン!――


 …今日は魔法を使い続けたから、スッキリした。

 五体目の青トカゲ魔石を回収。

 まだまだブルーオーブは居そうだけれど、また今度。

 深追いは禁物。


「――ウォーターボール!」

 ポンッ。玉が少し大きくなった! これで平均少し下まで行けたかな。さっ帰ろ。


 一応私の魔力で変質した、白く光る黒柱石は調べて貰おう。

 私は軽い足取りでその場を後にする。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 ラジャーナの北門に到着。

 いつもの挨拶をして、騎士団の詰所へ。


「やぁアスティ君! 今日も北に行ったみたいだけど、どうだった?」

「こんにちは。今日はブルーオーブを倒してきましたよ!」


 とりあえず青トカゲ魔石をカウンターに置く。

 あの、換金お願いします。え? 知らない魔石? Sランクかも? 調べる?

 はい、待ちます。

 ……

 ……調べた結果は…未確認の魔石。多分Sランクらしい。

 水と光の複合属性魔石。

 …なんで? 魔石にソルレーザーをぶち当てたから?

 値段は暫定で白金貨六枚…値段が上がる様なら差額を貰える。


 ギガンテスの魔石の相場が白金貨四枚と考えると、かなりの儲け。

 魔石に私のソルレーザーを当てれば光属性が混ざるのかな?

 謎だ…まぁ、追々調べよう。

 この調子なら、鉱脈見つけなくて済むし。


 そうだ! 五個売ったら収納の指輪が買える。

 でもフラムちゃんとお揃いが良いからなぁ…プレゼントしようにも、彼女は自分の力で買いたい筈だ。

 フラムちゃんの貯金が溜まるまで待とうか…

 でも容量が少ないから、新しい収納腕輪を買って、その後にまたお揃いを買えば良いや。

 お金はある…



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 帝都に戻り魔導具店に到着。

 中に入り、収納魔導具コーナーへ。

 収納腕輪は白金貨8~20枚。

 8枚だと私の収納腕輪と同じくらいの容量…三メートル四方。

 一番大きい容量で、20メートル四方…白金貨20枚だから、光金貨二枚か。

 デザインは普通…まぁ、良いか。

 これにしよう。別に二つ着ければ良いし。


「すみませーん。これ買いたいです」

「光金貨二枚になりますが…」


 そんな目で見ないで、お金はありますよ。

 さっき臨時収入があったんで。

 まぁ、地味な奴がホイッと光金貨出すとか怪しいけどね。

 通報しないでね。身分証あるよ。


 身分証を見せたらあっさり購入出来た。

 騎士団の身分証は楽で良いね。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 そのまま隣の魔法書店に入る。

 闇属性を試してみたいので、闇属性コーナーへ。


 闇属性は、光と同じく難しい。

 特殊な魔法が多く、ほとんどが上級以上。

 覚えても使い物にならない魔法も多く、当たり外れがある。

 禁術指定の魔法が多い事が特徴かな。


 だから闇属性は人気が少ないので、コーナーが狭い。

 探しやすいという利点はあるけれど。


 ……うーん。上級付与魔法の『ダークソード』と上級攻撃魔法の『シャドウクロス』を覚えたいけれど、覚えられる保証は無いんだよねぇ…適性があるかどうかも知らない。

 でもいける気がするんだよなぁ…火、水、風、土が壊滅的に駄目な事が理由にはならないけれど。


 …買ってしまった。

 駄目だったら古本屋に売ろう。


 一応光属性も上級魔法の『ライトシールド』を購入。

 これで、紙装甲を改善出来たら良いな。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 まだ夕方にはなっていないので、『パンケーキのお店パンパン』の前に立ったけど…凄い行列。

 何分待ちだろう…最後尾は二時間待ちか。

 でも、お店の中は忙しそうに見えない。

 多分店長(リアちゃん)がキッチンに立っているのかな。


 リアちゃんがキッチンに立つと、注文して十秒でパンケーキが出来上がる。

 凄まじい調理スピード…いや、多分魔法使っているんだけれど、料理の魔法なんてあるのかな?


 まぁ、こうやって考えていても仕方無い。

 お店の裏に回って、地味眼鏡を外して裏口から入る。

 いや、裏口から入って良いよって全員から言われているから…


 裏口から入ると、休憩中の店員さんがティータイム。

 こんにちは。

 しがみついたら歩けませんよ。

 …あぁ、着替えるんですね。

 …くんかくんかしないで下さい。

 シャワー借りて良いですか?


 ……着替えました。執事服。

 ご丁寧に名札まで…書いたのはリアちゃんかな…王国書記官より達筆な字で『アスきゅん』。もう一つの名札は『アレス』…こっちにしよう…

 本当はメイド服が良いんですけれどね。


 いつもの通り、カウンターに立つと店内の音が止まる。

 こんにちは。アスきゅんです。

 半分以上のお客さんがカウンターを希望したけれど、カウンターは関係者以外座れないんだ。ごめんなさい、私のせいですね。


 目の前にはリアちゃんが座っているのでパンケーキを食べながら、リアちゃんにパンケーキを食べさせる。


「リアちゃんこんにちは」

「アスきゅんこんにちは」

「そういえば、お客さんって女子とカップルだけですよね? 男だけのお客さんは来ないんです?」

「このお店は、素行の良い女性やカップル、穏やかなファミリーしか来ない『おまじない』を掛けているの。あとは、平民に優しい貴族や皇族は入れるかな」


 おまじない…お店に付与魔法を使っているのか。

 それって良かったっけ? 良い? ここは特別?


「そんな『おまじない』があるんですね」

「アスきゅんも掛けてあげようか? 皇族避けのおまじない」

「必要になったらお願いします」

「ふふっ、何かあったら裏口に逃げ込んでね」


 なんて安心感。

 でもその『おまじない』って結構な大魔法ですよね? 旦那さんが作った禁術? …凄いんですね旦那さん。



「――お願いします! お願いします!」


 ん? 入り口が騒がしい。

 入り口担当のレーナちゃんが困っているね。

 気になったリアちゃんがトコトコ入り口へ。行ってらっしゃーい。


 …私は暇なので、パンケーキをモグモグ食べながら入り口を眺める。

 一人の女の子が両手を組んで懇願している。

 金髪縦ロールの身なりが良い女の子。

 貴族かな? このお店に入れるという事は、平民に優しい貴族だね。


 …女の子はシュンとして、テーブル席に案内されていった。

 どうしたんだろ? リアちゃんが戻って来た。


「どうしたんです?」

「アスきゅんが居るカウンターに座りたいって言っていたけれど、あの子を許したら歯止めが効かないからね」

「じゃあ私もって言いますもんね」

「そうねー、アスきゅんモテモテ」


 まぁ、私は化粧をしなかったら割りとイケメンだからね。

 自分でイケメンなんて言ったけれど、リアちゃんの地味眼鏡を持っているから、私は結構カッコ良いんだ。

 だから女子にはモテる。

 でも男子にはモテない。


 少し可哀想だけれど、仕方無い。

 ルールは守らなきゃね。


「あっ、リアちゃん。デートはいつにします?」

 ざわっ!――

 ん? どうしたんだろ?

「んー…アスきゅんって次はいつ休み? 合わせるよ」

「じゃあ水の日は仕事休みなんでその日にしましょう。…どこに行きます?」

「じゃあ、ラジャーナに行こっか」

「良いですよ。楽しみですね」



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 帰宅してから、魔法書に魔力を流してみる。


 ……


 ……あっ、あっさり覚えた。


 ライトシールド、ダークソード、シャドウクロス。

 早く試してみたいな。


 それに、水の日にリアちゃんとラジャーナか。

 楽しみだなぁ。

 どんな魔法を使うんだろう。



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