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受付の仕事をしてみました。

 週が明けたので、特事班へ。


「おはようございます!」

「おはよーアスティちゃん」

「おはようアスティ」


 詰所へ行くと、ロバートさん、ミリアさんが居た。

 レジンさんとクロムさんは外に行っている。もう一人にはまだ会えていない。


「あっ、ロバートさん。この石、調べて貰って良いですか?」


 ラジャーナの岩場にあった光る石。作製者は私。

 ロバートさんが首を傾げている。普通の石? あれ? 光っているよ?


 どうやら、他の人には光って見えていないらしい。私にだけ見えるのか?

 まぁ、調べて貰えば解るね。


「分析班に回してみるよ。今週はミリアが受付を教えたいって言うんだけど…良いか?」

「良いですよ。仕事の流れが解りますし」


 という事で、ミリアさんに連行されて更衣室へ。

 ミリアさんが化粧道具を持っている…

 …化粧するんですか? あんまり濃くしないで下さいね。

 化粧が濃いとアレスティア王女になってしまいますから駄目ですよ。

 アスティちゃんは普段…すっぴん寄りの化粧ですから……


 すっぴんって素顔がべっぴんって意味らしいですよ…だから、私すっぴーんっとか言っている人は…私可愛い、私綺麗って言っている様なものです。

 私は自称可愛いので、私すっぴーん! って言いますけれどね!


 思考が逸れました。


 私服で良いらしいので、白いワンピースに名札を首から下げる。あれ? 名札の名前がアスティじゃない。


「可愛いわねぇ…レティちゃん」

「…ありがとうございます。良いんですか? 名前変えちゃって」

「私が良いって言えば良いのよ!」


 アレスティア、アスティ、レスティ、アレス、レティ……五つの名前を持つ女……格好良いじゃねぇか。間違えない様にしないと…


 名札には、『特事班臨時受付・レティ』と書いてある。


 更衣室から出る。

 ロバートさんが頷きサムズアップ。

 ミリアさんのどや顔が印象的だった。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 基本の流れを教えて貰い、ロバートさん相手に練習をしてから受付に座る。

 ミリアさんが隣に座っているので心強い。

 早速誰か来た。

 資料を持った騎士の男性。


「おはようございます。お疲れ様です」

「――ぬぉっふ! ……あ、これ会議の資料。ロバートさんに渡して置いて下さい」

「はい、了解しました。他にご用件はございますか?」

「い、いや無いよ」

「はい、ではお仕事頑張って下さいね!」

「――ああ! 頑張るよ! レティちゃん!」


 ご機嫌で男性は帰っていった。

 これで良いんですか? 完璧? ありがとうございます。

 ロバートさんもうんうん頷いている。

 男性の気持ちが良く解るらしい。



「おはようございます。お疲れ様です」

「――ぬぉっふ! ……レ、レジンさん居ますか?」

「レジンさんは外に出ております。伝言があればお伝えしますが…」

「あー、じゃあ…いや、また来るよ!」

「では、お待ちしておりますね」

「――ぬぉっふ…じゃあね!レティちゃん!」


 ぬぉっふってなんだ…合言葉か?

 ミリアさんに聞いたら、ロバートさんに聞いてと言うので聞いてみた。

 ……ある一定の男は自然と出る言葉だから気にしなくて良いとの事。でもミリアさん…ぬぉっふが出る度に笑いを堪えてますけれど…



「おはようございます。お疲れ様です」

「――ぬぉっ…」


 うわっ…ダグラス少年じゃん。何しに来たよ。ぬぉっ…で止めるなよ、ぬぉっふまで言えよ。いや、言ったからどうという事は無いんだけれども。


「……」

「…ご用件は何かございますか?」

「――あっ、あ、あ、あ…」


 あ、じゃ解らない。ミリアさん…笑いを堪えているのは解るんですけれど、私の膝をダンダン叩かないで下さい。

 ダグラス君、頑張れ。初めてのお使いかってくらい緊張してるけれど、訓練場以外だとこんな感じなの?


「……」

「…あ、あ、あああスティいいますか!」

「あの、もう一度言って貰えますか?」

「あ、アスティ! 居ますか!」

「アスティ君は外に出ております。伝言があればお伝えしますが…」

「あ、う、また、来ますぅ!」


 あっ、ダグラス君は真っ赤な顔をして走り去っていった。武技を使った事を謝りに来たのかな? 恥ずかしいよね、謝るのって。



「くくっ……はぁ、はぁ、レティちゃん…罪な女ね」

「何がですか? ダグラス君ってあんなに内気な男の子でしたっけ?」

「…そうね。シャイボーイね」


 また来るなら良いか。

 その後は、ぬぉっふを沢山貰った。貰った? 言われた。


 午前中で受付は終了。

 着替えて地味眼鏡を装着。

 午後はまだ勉強がメインなので、私のデスクに座って勉強。


 お昼はお弁当。

 最近料理を頑張っているけれど、ザ普通から脱却出来ない。

 いや美味しいは美味しいんだけれど、凄く美味しい訳ではない。

 王女時代美味しい物を食べる機会が少なかったからかな。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 午後になって、詰所にダグラス君がやって来た。

 ミリアさんに呼ばれて、受付に行く。


「アスティ、ちょっと良いか」

「どうしたの?」


 あれ? 普通だ。さっきのシャイボーイはどうした?


「この前は、悪かった。武技なんて使っちゃって…」

「ああ、怪我は無かったから気にしなくて良いよ」

「お前、強かったんだな…つい、むきになっちゃって…」


 許そう許そう。別に怒った訳じゃ無いし、むしろ私が振動を使って意識を刈り取ったんだけれど…まぁ良いか。


 …何? やたら奥を見てるけど、奥にはロバートさんしか居ないよ。


「ロバートさんに用事?」

「い、いいや違う! あ、いや、なんでもない!」


 また走り去っていった。

 シャイボーイだから、恥ずかしいのを我慢していたんだね。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




 翌日も、レティで受付。

 沢山ぬぉっふを貰いましたが、昨日よりも来る人が多い。でも皆ニコニコして優しい人が多い。


 ダグラス君も来るけれど、用事も無いのに来ないで欲しい。仕事の邪魔。



 ロバートさんから、光る石の分析が終わったというので資料を受け取った。


『名称・光燐石。

 説明・光属性を含んだ石で、光属性の者が持つと徐々に光属性の魔力が回復する石。他にも様々な用途があるが、発見するには光属性の適性が高い者が必要。加工すれば誰にでも見える光を発する。

 相場・五キロ銀貨一枚。』


 ふむふむ。五キロ銀貨一枚かぁ…高いのか安いのか解らないなぁ…


 それにしても、魔力が回復とな。

 もしかして、ソルレーザーを岩に放てば休憩所が沢山作れる?


「ロバートさん。これ売ったら儲かりますかね?」

「うーん…石だから割に合わないかもなぁ。光属性が付いた鉄とか銀、金だったら価値が跳ね上がるけれど…」


 なるほど…儲けるなら鉱脈を探せと。


 探してみようかな…収納魔導具欲しいから。

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