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ダサ強い女子にはなりたくない…

 

 結局マグロとカツオは受け取ったよ。

 あんな悲しそうな顔をされちゃあね。

 マグロとカツオも私を見て泣いていたし…


「因みに…この武器達は妖精さんが作ったんですか?」

「あぁ、これらは依頼の余り素材で作った武器なんだ。何故か依頼の品より強いから買っているんだが…」


「普通の武器は無い…と」

「……性能は一級品だ」


 うん…性能は良いよ。性能は。

 冷凍マグロは壊攻撃と斬攻撃を使い分けられるし、尻尾を伸ばすと長柄の武器になるし、氷魔法やマグロ技が使える。ただクソ重くてダサい。


 冷凍カツオは同じく壊攻撃と斬攻撃を使い分けられるし、縦に割ると二刀流が出来るし…氷魔法とカツオ技が使える。ただクソダサくてダサい。


「依頼って、神武器の依頼ですか?」

「そうだな。依頼があった世界の素材だと神との親和性が高いから多目に素材を取るらしい」


「それで余った素材で謎武器を作っている訳ですか…」

「奴らの趣味に付き合っている形だな。我は元々専用の武器を持っているから、まともな武器は要らないんだよ」


 へぇー…専用の武器ねぇ。

 見せて欲しいから上目遣いでおねだりしてみよう…


「見たいなぁ…」

「……仕方ないな。触ったら駄目だからな」


 やったー。

 ルゼルが出した武器は……少し黒ずんだボロボロの剣。

 これがルゼルの武器?

 うん…凄い剣なのは解る。空気が重苦しくなった。

 これ、資格が無い者が持つと死ぬぞ…


「これ、私が持ったら死にますよね?」

「あぁ、死ぬな。呪われているから」


「……名前はなんていうんですか?」

咎星剣(きゅうせいけん)だ。星の咎を背負う剣だが、もっと強くなればこの剣の事を話そう」


 今の私が聞いても訳が解らないんだろうな。

 咎星剣を触れるくらいにはならないと。


「じゃあもっと頑張りますね! あっ、買い物って出来るんですか?」

「出来るが、最初は大した物を買えないぞ。戦っていればポイントが溜まって色々買えるがな」


 ぱそこんで品目を見せてくれた。

 ……沢山ありすぎて訳ワカメ。

 まぁ、とりあえず貯金かなー。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 表世界に戻ってきた。

 幼女が私のお腹を枕にして寝ている。

 相変わらずパンツ一丁スタイル。

 上手く髪の毛でおっぱいを隠しているから、なんか少しエロいのが腹立つな。


「……おはようございます」

「……ん? なんか、また強くなったの」


「はい、無事に深魔貴族になれました」

「おー、おめでとうなのじゃ。お祝いに焼肉に連れて行ってくれの」


「それは私の台詞です。さっ、起きますよ」


 幼女にワンピースを着せ、部屋を出て一階へ行くとミズキがパンケーキを食べていた。あっ、幼女がキッチンへ行く店員さんに連れて行かれた……馴染んでんな。


 ミズキなんか久しぶり。赤いドレスが素敵だね…脱がしても良い? 駄目? 下着くらい見せてよ……うほっ、エロっ……そういえばエーリン何処行った?


「ミズキさん、調子はどうですか?」

「順調だよ。探索は」


「探索は…じゃあお城で何かイベントがあって周りがウザくて逃げて来たついでにパンケーキをやけ食いしているという感じですか?」

「心を読まないで。正解だよ」


「ふーん。因みにどんなイベントですか?」

「パーティー。なんかレインの王子と帝国の皇子も居るんだってさ。皆似たような感じだから誰が誰とかよく解らないし」


 確かに私もよく解らない。どこどこの領地のなんとかさんとか言われても全然覚えられなかったし……

 ミズキが私に助けを求める視線を向けている…パーリーかぁ……


「ミズキさん、私の昇進祝いをしてくれるなら一緒に居てあげますよ。地味メイドスタイルで良いなら」

「ほんと! ん? 昇進祝い?」


「はい、晴れて深魔貴族になれましたので、お祝いして下さい」

「……ちょっと待って、説明よろしく」


 説明って言われても、深魔貴族になったよー…っていうだけだよ。


「……まぁそんなこんなで今に至ります」

「なんか色々ビックリだね…じゃあ今から来てくれる?」


「良いですよ。着替えますね」


 私の部屋へ行き、スポッとメイド服を着用。

 ……ベッドにフーさんが居ない変わりにクーちゃんが寝ている…交代制になったんだね。


「クーちゃん、ちょっとアース城に行ってくるね」

「私も行くです」


「ウサギパジャマだと追い返されるかも、多分ドレスコードあるよ」

「貸して下さいです」


 ドレスドレスっと…確か迷宮で白、赤、青のドレスを手に入れたな。ミズキは赤いから、クーちゃんは青かな。


 クーちゃんのウサギパジャマを脱がせて、青いドレスを着せると自動でサイズ調節…魔法服は凄いね。

 後は…アクセサリーを着けよう…ダイヤのネックレスと長い耳にイヤリングっと…おー、可愛い。


「軽く化粧をしよっか。ミズキさんは先に行きます?」

「いや、可愛いから見てる」


「なんか恥ずかしいです」

「クーちゃん可愛いよ。これで男子はメロメロだねー」


「レティはメロメロじゃないです?」

「メロメロに決まってんじゃん」


「じゃあ抱くです」

「パーリー終わっちゃうよ?」


 終わったらねー。

 終わったら……いや、可愛いからそのまま食べてしまいたいけれど、周りにクーちゃんを自慢してから食べてしまった方が優越感に浸れる。

 って事で行きましょー!


「パーリーは出席者の紹介が終わって、ダンスが始まったくらいで逃げ出したんですか?」

「うん、そこくらいで逃げたよ。それから一時間は経ったんじゃない?」


「じゃあダンスが終わり頃で、立食スタイルになる感じですか?」

「多分…」


 ミズキ…パーリーの流れ知らねえな。

 あれだけモブ王子に説明されていたのに…

 仕方ない…とりあえず行ってみるか。


 転移ゲートをくぐってアース城のミズキ部屋へ到着。

 場所は一階の大ホールというので、部屋を出てエレベーターにガチャコン乗って一階に到着。

 そこから通路を歩いていると、音楽隊の演奏が聞こえてきた。


「レティ、踊るです?」

「どうしよっかなー。とりあえず見てみよっか」


 大ホールの扉からこっそり中を確認…

 扉から縦にミズキ、クーちゃん、私の順で覗き見。


 まだ踊ってんな。

 立食も始まっているし…

 えーっと、見た所王女達は座っている。恐らく序盤に身分の高い人が踊るから…もう終わり頃かな。


 あっ……王女と目が合ったな。


「ミズキさん、王女さんがこっちを見ています」

「……入らないと後が怖いよ」


「意外と根に持ちますもんね」

「肉あるです。食べたいです」


「クーちゃんはお肉食べに行って良いよ」

「はいです」


 クーちゃんはお肉の方に吸い寄せられていった。

 周りの人と喧嘩しないでねー。


「ミズキさん、王女さんの前で踊ってやりますか?」

「多分泣くからやめた方が良いよ」


「へぇー…王女さんが悔しがる顔を見たいので行きましょう! さぁ早く早く!」

「また喧嘩になるよ…もう…」


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