殺すのが正解で良いのかな?
先ずは、この仮の身体でどこまで戦えるか。
いきなり神剣を使うのはやめておこう…私が使える普通の武器は、サンダーホークの剣、ミスリルソード、刃竜の短剣、木剣……少なっ!
とりあえずサンダーホークの剣で良いや。
ちょっと雷牙王の剣が欲しくなってきたよ。
いやむしろ裏世界で素材を採れば良いんだけれど、それなら神剣使えよという感じになる…
『なんだ怖じ気付いたのか?』
「あぁすみません考え事をしていました。ライトソード」
身体が大きいから光の刃で刀身を伸ばして真上に飛び上がる。
魔物は大きな斧を振り下ろしてきた。
読み通りっと、ライトシールドを足場にして顔目掛けて飛ぶ。
「無元流・首狩り」
シュパンッと魔物の首が跳び、ゴロンッと頭が転がった。
あっ…殺しちゃった。
……良いのかな?
……
≪勝者アレスティア≫
「うぉっ! びっくりしたぁ…」
カードが喋ったよ。
≪続行する場合は一分以内に魔力を通して下さい≫
続行? 連戦出来るのか…なら魔力を通そう。
≪少々お待ち下さい≫
はーい。
……おっ、目の前に魔法陣が現れた。
出てきたのは、灰色のワンちゃん。
大きさはさっきの魔物が横たわった感じ…つまり大きなワンちゃん。
『小娘…悪いが勝たせてもらう』
「言葉をお返しします。光飛斬」
光の斬撃を飛ばしたけれど、横に跳ばれて躱された。
流石に素早いか。それなら横向きの斬撃を飛ばそう。
「光飛斬」
よっしゃ上に飛んだ!
「ソルレーザー!」
光の柱を落とす。
空中に居たワンちゃんは躱せずに直撃。
『グォォオオ!』
胴体を消し飛ばし、ワンちゃんは沈黙。
よし、良い感じ。
≪勝者アレスティア≫
ありがとうございます。
勝利条件を知らないけれど、これで良いのかな。
≪続行する場合は一分以内に魔力を通して下さい≫
はーい。
≪少々お待ち下さい。無理はせずに止め時を見極めましょう≫
あらカードさん優しい。
今度は私が転移。
景色が変わり、目の前には剣と盾を持った赤色の戦士。
少し強くなったな。
「よろしくお願いします」
『いざ…』
戦士が剣を腰だめに構え、盾を前面に突き出しながら突進。
躱しても突進で追ってくるし左右の攻撃は難しいか。
「ソルレーザー」
『むんっ!』
上の攻撃…光の柱を落としたけれど、即座に盾を上に向けて防御。あの盾凄いなぁ…あっ、正面がら空き。
「光飛斬」
横向きに光の斬撃を飛ばすと、上半身と下半身がさようなら。バランスが崩れ、そのままソルレーザーでとどめを刺した。
≪勝者アレスティア≫
ありがとうございます。
≪続行する場合は一分以内に魔力を通して下さい≫
どうしよっかなぁ。今日は軽く行きたいから…あっ、序列ってどうなったかなー……
『アレスティア。序列・十万六千位』
えー……十万って…まだまだじゃん…引くわぁ…
とりあえずまた戦って、序列を見て考えよう。
≪少々お待ち下さい。魔力を多く流せば更に上位への挑戦が出来ます≫
おい先に言えよ。
前方に魔法陣……出てきたのは赤い虎ちゃん。
足に炎が纏わり付いて、近付くと燃えそうだ。
『燃え盛る火炎よ…』
いきなり詠唱か…
とりあえず光の斬撃を飛ばすと素早い動きで躱し、口から炎の玉を吐き出してきた。
「ライトシールド」
炎を防ぎながら前に走る。
『我が爪となり、牙となれ…火炎装』
大きな火柱が上がり、虎ちゃんを包み込む。
おー…どんどん魔力が上がっていくなぁ…
じゃあ私も。
「ライト」
私の周りに十個のライトを展開。
魔力を溜めてー…
おっ、火柱が収まった。
炎の中から出てきたのは、大きな炎の爪に炎の牙を装着した虎ちゃん。炎が噴き出し温度が上がっていく。
これ、応用してライラに覚えさせようかなぁ…
『ガァァァア!』
虎ちゃんが突進!
待っていたよ!
「十連ソルレーザー!」
十基のライトを起点にしてソルレーザーを横向きに放つ。
虎ちゃんは上に飛び空中を走ってくる。
無駄無駄ー。
ライトの向きを変えて周囲から収束するように操作。
全方位の攻撃に虎ちゃんは躱せず…
パシュンと光に焼かれてさよならー。
よしよし、最近幼女を抱っこしているお蔭でソルレーザーの威力が上がっている。王級から超級の威力に変わっていそうだな。
≪勝者アレスティア≫
いえーい。
≪続行する場合は一分以内に魔力を通して下さい≫
ここで序列を確認しよう…
『アレスティア。序列・十万六千位』
変わってねぇ……
あれか、細かい数字は切り捨てって奴か。
モチベーションが上がらんですよ。
よし、それなら多く魔力を込めよう。
ふんぬー。
≪少々お待ち下さい。上位戦は自己責任でお願い致します≫
自己責任って今までもそうじゃん。
ルールをよく知らないんだよ。
……
……これが終わったら一先ず終わろうかなぁ。
バシュンと景色が変わり、周囲を見渡すと何やら先客が沢山居る。ワンちゃんやら猫ちゃん、デカイおっさん、足がタコのお姉さん、首が二つの少年などなど…
みんな前方を見て戦おうとしない…それにこのキノコはさっきより大きいな。
隅っこで待っていると、前方に大きな魔法陣が出現。
みんなが殺気立ってきた。
『さてさて、今日もやりますか』
魔法陣から現れたのは、強そうな魔族っぽい人。
青白く筋肉質な身体に、変な鎧を着たスキンヘッドの男。
『『『オォォオオ!』』』
えっ、なになに?
みんなが一斉に魔族へ突進。
ちょっと観察しよう。
『くくっ、空爆』
パァン! と破裂音が響き、中心部はぐちゃっとなってその周りは吹っ飛ばされてキノコの外側へ落ちていく。
おー…一気に全滅したよ。
『弱い弱い…ん? まだ残っていたか』
「よろしくお願いします。エナジースピード」
少しギアを上げていこう。
これで序列が一気に上がれば良いな。




