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世界って沢山あるんだなぁ…

 

 アテアちゃんは安心したからもう少し寝るらしい。なので、私も寝る事にした。

 ルゼルに私の出生を報告しなきゃ。


「……とまぁ、私の出生は特殊なものだったみたいです」


 ルゼルの部屋で私がベッドに座り、後ろから抱き締める形でルゼルが座っている。後頭部におっぱいが当たって心地良い。見上げると微笑むルゼルを拝める…ローアングルからでも美人過ぎてニヤニヤが止まらない。


「そうか…その、親だと思っていた者が違うのは…辛くはないか?」

「いえ、嬉しいんですよ」


「嬉しい?」

「はい、堂々とルゼルさんをおかぁさんと呼べるので」


「もう…可愛いな」

「へへっ、可愛いと思ったらチューして下さい」


 おっぱいにもたれ掛かって見上げると、チューしてくれた。

 …母娘の関係としては少し違うけれど、胸の辺りが温かくなるから良いのだ。


「アスティ、やるべき事が終わったら…裏世界で暮らさないか?」

「出来れば、そうしたいですね…婚約者も居ますので、全部終わってから…もしくはアテアちゃん世界で本当に死んだら迎えに来てくれますか? それともアテアちゃん世界に来ます?」


「我が表の舞台に出ると騒ぎになるんだ…今度ルルに、我も使える隠蔽魔導具があるか聞いてみる」

「そしたら、ずっと一緒に居られますね!」


 ルゼルが裏世界から出ると、表世界の神がざわざわしてしまう。それだけ大きな存在という事か…

 それにしても、ルルに連絡を取れるのは凄い。


「あぁ…ん? アスティ、時間みたいだから送るよ」

「行ってきまーす!」


 ルゼルには、時間になったら送ってもらう。

 時間の流れが潮の満ち引きのようにランダムで変わるから、ルゼルの感覚頼み。


「行ってらっしゃい」



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 アテアちゃん世界に戻って来た…寝ているけれど、意識的には一睡もしていないんだよなぁ…

 時間は夜…脇の下に居るアテアちゃんと目が合った。


「アテアちゃん、気になった事があります」

「なんじゃ?」


「アテアちゃん世界の正式名称を教えて下さい」

「天異界同盟…序列二十位、アラスじゃ」


「……天異界同盟ってなんですか?」

「次元世界同士の同盟じゃよ。アラスは千五百年くらい前に加入しての、頑張って頑張って二十位まで登り詰めたのじゃ!」


「…二十位って何世界中の二十位なんですか?」

「千くらいはあるんじゃないかえ? 変動もあるからの!」


 へぇー…それは凄い。千ある世界の中で二十位…意外と上位の女神様だったのか…

 実感は全く無い…目の前にいるアテアちゃんが駄目過ぎて。


 …千五百年前って帝国が建国した時期と重なるな。


「じゃあ…リアちゃんとは千五百年の付き合いなんです?」

「イったんと、やっと会えたのは…千年前かの」


「やっと…? まぁリアちゃんが千歳以上なのが解りました。序列の基準ってなんですか?」

「世界の強さ、わっちの強さや格…貢献度やらなんやら色々あっての。わっちの場合は序列上位の神に挑戦し続けた結果じゃな!」


「勝ったら序列が上がるんですか。アテアちゃんって強いんですね」

「そうじゃよ! 強いのじゃ!」


 自慢気にゴロゴロしてもなぁ…強いのは解る。解るけれど、ねぇ。


「あっ、神武器を見せて欲しいです」

「良いぞ、ほれっ」


「……なんですかこれ」


 白い玉。それと、白い柄っぽい棒?

 これが神武器?


「武神装アヴァロンと、もう一つ…まぁ、その内見せてあげるのじゃ」

「楽しみにしていますね!」


「あぁそれと…裏世界の修行が終わったら、わっちと序列上位の神に挑戦してみるかえ? お供は二人まで連れていけるからの」

「…やってみたいです。でもやるべき事が片付いてからですね」


 やるべき事を先ずは片付けよう。

 その為には…外に出ないと。


 アテアちゃんを抱っこして、部屋から出る。部屋から出るのは三日振りくらいかな。

 とりあえず…アテアちゃんは一階にてレーナちゃんに渡すと、レーナちゃんは鼻血を出しながら餌付けを始めた。

 よろしくー。

 ミズキの様子を見に行こう。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 …ミズキの部屋に到着。

 ベッドにミズキが仰向けに寝ているので、起こしてあげよう。

 私が来ても起きないところを見ると、迷宮探索で疲れているんだな。

 お腹の上に跨がって、ミズキの顔を至近距離で眺める。

 ……起きないな。


「…ミズキさん」

「……」

「起きないとチューしますよ」

「……んぅ?」


 時間切れなのでチューしよう。

「っ! んー!」

「おはようございます」


「はぁ、はぁ、ビックリしたぁ…」

「夜這いをしに来ました」


「もう…三日も来ないから心配したよ」

「ちょっと忙しくて。多分こんな感じで現れるので覚悟して下さい」


「ふふっ、嬉しいから良いよ。迷宮はね、二階層を攻略中」

「無理しないで下さいね。そうそう、三ヶ月後くらいに美少女グランプリがありますよね? 王女さんは参加するんです?」


 もうすぐ私が殺されて一年か。こうして殺された者と殺した者がイチャイチャしていると…感慨深いものがあるね。


「参加するよ。私も護衛で帝国へ行くつもり」

「そうですか。じゃあ私もアース王国の護衛として行きますね」


「えっ、来てくれるの?」

「はい、情報収集の為ですがね。実際に護衛はしません」


 アース王国の護衛として行けば、帝国の第一皇女派は手出し出来ない。白騎士スタイルで行けば顔バレもしないし。


 それまでは、裏世界での修行を重視しようかな…いや、実家に行かなきゃなぁ…



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