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物事には限度ってもんがあるんだよ

 

「ありがとね、アスティちゃん」

「こちらこそありがとう。また会おうね」


 夜にチロルちゃんをギュッとしてから、バイバイしてエーリンの所へ戻った。どうせ暇だから探索再開しよう。


「アレスティアー、早かったですねー」

「迷宮にエーリンを一人にしたくなかったんだよ」


「もぅーどうしたんですかぁー。私の魅力にメロメロなんですねぇー」

「じゃあ次の扉行くよー」


「せっかちぃ!」


 テキパキと転移ゲートを片付けて、次の扉を開ける。

 次はおそらく…やっぱり黄色い骸骨。

 黄色い鎧に、武器は両手に持つ斧。


「エーリンよろしくー」

「はいー。鬼棍棒ー」


 黄骸骨が斧を横凪ぎに振るう。

 エーリンも振りかぶって鬼棍棒を衝突させた。

 うおっ、大物同士は迫力あるなぁ。

 大岩を大きなハンマーで叩いたような激しい音が響く。

 両者の武器が弾かれ、軽いエーリンは反動で身体が浮き…黄骸骨の追撃。

 そのまま吹っ飛ばされた。


 流石に空中からの受け止めだと飛ばされるか。

「やりますねー。くらえー骨砕きー」


 黄骸骨に駆け寄り、直前で急停止した瞬間に鬼棍棒の連撃。

 最初は斧で受けていたけれど、徐々に弾かれ黄骸骨の腕に鬼棍棒が当たった。

 ポキッと腕が粉砕。バランスを崩した隙にチラリと見えるあばら骨を狙って振り抜いた。


「やりましたよー」

「大義であった」


「ははー」


 うん、骨相手ならエーリンの方が適任だな。壊攻撃で面白いくらい粉砕していく。


 黄骸骨の魔石と…斧はひん曲がっているから放置。鎧はボロボロ、装飾品は辛うじてあった。……訂正しよう、利益を考えないならエーリンが適任だ。


 よし、次。奥の扉に嵌まっている黄色宝石…スファレライトじゃなくて、トパーズかな。よしよし。


 次の扉を開けて中を確認……おや? 誰も居ない。

 中に入って周囲を確認…やっぱり居ない。


「ここの骸骨はアレスティアが倒した青い骸骨じゃないですー?」

「あっ、そうか」


 それならここに用事は無いな。

 奥の扉に嵌まっていた青い宝石…サファイアをゲット!

 そして扉を開けると…あれ? 四方向に扉がある円形の部屋…上には大きな螺旋階段。戻って来ちゃった?


 後ろの出てきた扉を開けてみる……開かない。

 まぁ良いか。多分扉をクリアしたら次の扉に行く形だな。


「次は何処に行く? 正面は罠だから右か左」

「左ですかねー」


 じゃあ左…南の扉へ。

 直ぐに魔物は居ないので、中に入ってみた。


「おー、良いですねー。陰気な感じがしませんよー」

「流石に太陽は無いけれど、風はあるから気持ち良いね」


 何処までも続く草原。

 少し乾いた風が身体を通り抜け、爽やかな気分にさせられる。

 膝から腰にかけて伸びた草が生い茂り、小鳥の囀りが心地良い。


 そして、草から草に飛び移るバッタ達。葉っぱの裏に隠れているカタツムリ達。丁度顔の位置を飛び交う羽虫の塊……まじで歩きたくない。ここを歩くなら帰る。


「アレスティアー、今わがままな事を思いましたねー」

「エーリン、物事には限度ってもんがあるんだよ。星乗り」


 素晴らしきかな…空を飛べるというのは。



「虫くらいでズルするなんて、そこんところ女子ですねー。栄養じゃないですかー」

「……栄養? ちょっと待て…何を持っているの?」


「バッタですよー」

「ポイしなさい! ポイっ!」


「お母さんみたいな事言わないで下さいよー。ポイー」

「口にポイじゃねぇ!」



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