表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/375

簡単に強くなる為には、副作用は付きものだよね。

 

 ロンロンに到着。

 ……いつもの通りにカウンターへ通されるけれど、直ぐに出るからカウンターに座る。着替えないからね!


「クーちゃん、後でお泊まりセット買いにいこうね」

「はい」


 この淡々と答える心の壁が分厚い感じ…それに加えて心細い感じが垣間見えるのが堪らない。

 もうね、私が何でもしてあげたくなっちゃう。


「レティは、お姉ちゃんの事好きです?」

「どちらかと言えば好きだけれど、まだ会ったばかりだし…」


「そう、ですか…」


 何か考えるように前を見据えていた。どうしたのかな?


 直ぐに出てきたお肉ランチを食べ、また詰所に戻る。

 ん? また第二皇子発見。どした?

 ……話し掛けて来ないでこちらを見ている。

 何か気味悪いから、クーちゃんの腕を組んで少し隠れる。クーちゃんバリアを発動しよう。


「……」


 パチン。クーちゃんが指を鳴らすと、皇子は首を傾げて去っていった。

 なるほど、最初から幻術を使えば良かったのか。


「何の幻術なの?」

「似ているけれど、近くで見たら別人だったアレです」


「なるほど、クーちゃん凄い」

「…レティの方が凄いです」


 よし、褒め合おう。

 良い所探ししよう。


「可愛い」

「…可愛いです」

「良い匂い」

「良い匂いです」

「スベスベな手」

「スベスベな手です」

「綺麗なまつ毛」

「まつ毛が綺麗です」


 ……私の繰り返したら駄目だよ。

 また後でやるから考えといてね。



 それから詰所に戻り、一緒に帝国のお勉強した。

 地理や法律、騎士団の事などなど。

 少しずつだけれど、打ち解けて来た……と思う。


「あっ、剣術指南の依頼が多方面から物凄く来ているの。週明けに不承認の判子を乱れ打ちしておいてねー。全部断って良いわよ」

「了解ですー。興味があったら行っても良いですか?」


 騎士学校の女子達と触れ合えるなら興味があるな……


「良いわよー。受付にスキンヘッドのおっさんを配備すれば良いからー。じゃあまた来週ねー」

「はい」

「お疲れ様でーす」


 勉強会が終わり、手を繋いで大通りへ。

 パンパンに行っても良いんだけれど、お買い物をしなきゃ。

 ……騎士さんにすれ違う度にクーちゃんがパチンパチンするから、私も地味スタイルに変更。すまぬ。

 地味眼帯眼鏡白女とか逆に目立ちそうだけれど、まぁ良いか。


 可愛い雑貨屋さんに到着して、クーちゃんのパジャマ、身支度セット、タオル等々購入。パジャマはピンクのウサギ柄だから少し嫌がったけれど、譲らない。嫌がったお返しにカエル柄と猫柄も買ってあげた。


 よし、準備は万端。

 高級お肉はロンロンで買ったから抜かりは無い。

 花屋に到着し、店長にパチリとウインクすると了解っていうようにウインクを返してくれた。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 私の部屋に到着。

 早速クーちゃんの眼鏡を外す。

 ……じーっと翡翠の瞳が私を見ている。私も負けじと見詰め合う事数分。エルフは美形が多いって聞くけれど、クーちゃんみたいに美少女が沢山いるならエルメシアに行ってみたいという欲求が増してくる。楽園みたいな所を想像してしまうな……


「レティ、私…お姉ちゃんに勝ちたいです」

「…私に鍛えて貰いたいの?」


「はい…一度で良いから、勝ちたいです」


 フーさんの性格からして、大人気ないからなぁ。

 絶対勝ちなんて譲らないし、妹が努力していると知ったらそれ以上に頑張るタイプ……うーん……


「今よりも強くなる方法は…あるよ。あるけれど、後戻り出来なくなる可能性がある…」

「……教えて下さい」


「私とチューするの」

「……」


 いや、そんな目しないで。真面目に答えているんだよ。


「私は、星属性と呼ばれる力を持っている。この力は、星の力で魔法を強化したり…人も強化出来る。でも…人を強化する場合は副作用があって…」


 先祖返りをした時に、既に星属性は手に入れていた。でも妖精さんに星属性の適性を上げてもらうまで気付かなかった。


 チューをする事で、私の星属性を口移し出来る。そうすれば潜在能力を引き出せるんだ。今までは気付かなかったから無意識に流し込んでいたけれど、もうコントロール出来る。


 まぁ…そのせいでフラムちゃんの剣術の才能が開花したし…ミーレイちゃんの観察眼が凄くなった。チロルちゃんは土属性と水属性の適性が上がって…ヘルちゃんに至っては剣術と雷属性の強化、それともう少しで魔眼も覚醒すると思う。


 もうコントロール出来るからもっと皆を強化出来るんだけれど…まだ保留中。どうなるか人によって違うから。


「……副作用って何です?」

「人生観が変わるの。人によって違うから、どうなるかはチューしてみないと解らない」


「……例えば?」

「私の事を愛してしまう…とか」


「……」


 微妙な表情…半信半疑だよね。星属性を手から送り込む事も出来るけれど、効果は薄い。やっぱりチューしないと、ね。


「今直ぐに選択しなければいけない事じゃないから、とりあえず…シャワー浴びて来るね」

「…はい」


 シャワーを浴びながら考える。


 クーちゃんは、好きな人が居るのかな?

 だから婚約を嫌がったとか?

 だとしたら、副作用は嫌か。


 他に方法なんて、手から送り込むしか無いもんなぁ。

 時間が掛かる……一ヶ月手から定期的に送り込むのと、数分チューするだけと同じ効果だと思うし……


 最低でも灼熱龍に勝てるくらいにならないと…うーん…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ