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自分の可愛いアングルはちゃんと把握しているよ。

 

「あなた、本当に人間です?」

「ええ、人間ですよ。人間から産まれたので」


「…本当ですかね」


 クーちゃんが私を化け物か何かだと思っている様子。

 フーさんの肩を抱きながら、無遠慮にジロジロと見てくる。

 人間だよー。


「私は平穏に暮らしたいので、あの魔法の事などなど秘密にしておいて下さいね。別に言い触らしても良いですが、即国を出るので宜しくお願いします」


「もちろん秘密にするわ。ついでに秘密の事もしましょうね」

「秘密の事……駄目ですよ」


「もぅっ、恥ずかしがっちゃって」


 いやフーさん、駄目なんですよ。ここは健全な場所だから秘密の事は十八禁にならないと出来ないんですよ。そろそろ危ないんで解って下さい。ここでは駄目なんです。ここでは…


「そうだ、クーメリアさんは国へ帰ってしまうんですか?」

「……負けたですから」


「その事なんだけれどね。クーは私の元で働いて貰う事にするわ。同じ班にレティちゃんが居るし」

「えっ…でもパパママ来ちゃうです」


「あぁ大丈夫よ。私みたいに力を示せば良いから」


 力を?

 ……なるほど。強い力を示して、自分に釣り合う男は自分で見付けるって宣言すれば良いのか。

 という事は、婚約者を圧倒的な力でぶっ飛ばせば良い? かな?


 フーさんは当時、熔岩龍を召喚して力を示したみたい。

 そんなに結婚が嫌だったんだね。


「フーさんの婚約者さんだった方ってどんな方なんです?」

「エルメシアの王子よ」


「……王子。ちなみにクーメリアさんは?」

「エルメシアの王子です」


 ……そう。聞かなかった事にしよっ!


「まっ、昔の事よ。レティちゃんが婚約者だったらホイホイ結婚したのに。ねっ、クー」

「……です」


 ん? 今クーちゃんが同意した気がする。

 クーちゃんを見てみると……目を合わせてくれない。

 フーさんを見てみると、パチリとウインク。まじ可愛い。


 もう一度クーちゃんを見てみる。

 少し腰を折って左斜めの角度から上目遣い! 多分まぁまぁ可愛いアングル!

 じー。

 じー。

 眉間にシワが……あっ……プイってされちゃった。

 可愛いくなかったか……


「……クーで良いです」

「……クーちゃん。お友達になってくれませんか?」


 ピクリと耳が動いた。

 クーちゃん越しにフーさんが私も私もという視線を向けてくる。


「もちろんフーさんもお友達になって欲しいです」

「喜んで。ねぇ知ってる? エルフはお友達の儀式があってね、一夜を共にするの」


「良い儀式ですねぇ!」

「お姉ちゃん、嘘教えないで」


 危ない。信じるところだった。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



 幻術を使いながらラジャーナに到着。

 こそこそ移動。転移ゲートを使ってアクアシティにやって来た。


「じゃあ、また連絡するわね。これ、私の家の住所と合鍵…いつでも夜這いに来てね」

「はい! 家が帝都と、商業都市と、アクアシティと、フィッシュボーンにあるんですけれど…」


「仕事に近い家に居るわ」

「了解しました。これ、私のスケジュールです」


 ざっくり書いた週間スケジュールを渡し、美人エルフ姉妹に手を振って別れた。


 良かった。お友達になれて。

 フーさんはまだ忙しいし…来週まではクーちゃんが研修で特事班の詰所に居る予定。……今週末は、クーちゃんを家に招こうかな。


 その時に、耳触らせてもらおう。





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