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5/13

はてしない空とのろいの装備

 はいな、もう5回目ですね四日目は病院はお休みでしたから、いつもと少し違う雰囲気で過ごしました。


 朝はいつも通りに起きて検温からスタート、今日は昨日と一昨日に夜ふかししたせいか、少し起きるのが遅れ寝坊してしまいました。


 寝ぼけてぼややんとしていると、給食のおばあちゃんがやってきて、暖かい麦茶を水筒だけでなくコップにも注いでくれて、あったかいのをゆっくり飲んで目を覚ますんだよと言ってくれたので、寝ぼけながら挨拶しつつお茶を頂きました。


 それから朝ごはんを頂いて、薬を飲んで身体が硬くならない様に、朝一の院内一周ちょい散歩をしていると、朝から清掃業者さんが入られて、一階は通行禁止。


 普段ならある朝の回診やリハビリも先生方がお休みなので無いので自然と暇が増え、患者同士の会話が多くなりますね、朝からコーヒー片手に外に出て、日向ぼっこしながらのトークをしたりします。


 普段はやっぱり通院の方々で駐車場は一杯になりますし、こうして安心して外の空気や日の光を浴びるチャンスは逃したくないと、皆さん考えているようですね。


 あと一時的に外出する方も、病院の休みの時は多く居ますね、やはり何日も狭い場所に閉じこもると気が滅入りますす。


 かく言う私も、五月晴れの空を見たくなり病院の屋上へ上がってこれを書いてます。


 煙と何とかは高い所が好きと言う言葉の御多分に漏れず、私は幼い頃から空ばかり見上げてて、大きくなったら何処までも空を飛んで行く飛行機になりたい、なんて動物を辞める様な夢を持っていた、ちょっとばかり頭の緩い子供でした。


 子供の頃と変わらず、空を見上げは好きですから周りより高い建物で、周りが背の低い住宅地に立つこの病院の屋上は、とても見晴の良い場所です。


 この屋上への道は、前回入院した時に洗濯をしようと発見した素晴らしいポイントなんですけど、病院関係者とコインランドリーを利用する患者位しか知らない道を抜けた先にあるので、ちょっとした隠された秘密の冒険みたいな気持ちになります。


 知る人ぞ知る秘密の通路を通り、なんの変哲も無い特別な扉を開きますと、目の前には青い空が何処までも拡がります。


 そこには青い空が広がり、春の日差しと吹き抜ける風だけがあり、怪我を負った頃は白の雪化粧をしていた山々は、今は新緑の豊かな生命力で溢れる様子で、私の目を楽しませてくれます。


 こうして文字にして書くと、改めて中々贅沢な景色を独り占めしている気分になりますから、皆様にも少しおすそ分けしてみたいと感じまして、今回取り上げてみました。


 こうして屋上で遠くの山々や、何処までもはてしない空を見上げていると、ふとなろうで知り合った方がミヒャエル・エンデ氏の児童文学「はてしない物語」を読まれ、とても感銘を受けたと、先日なろうに感想を寄せていたのを思い出しました。


 かの作品の映画版と言われるネバーエンディングストーリーを見た、当時は小学生だった私は、原作の幸いの竜フッフール、その映画版の存在である臆病なファルコンが勇気を出して、主人公の少年を乗せて大空を自由に飛び回るシーンに憧れて、自分もあの様に自由空を飛びたいなと思った事を思い出し、なんだか懐かしい気持ちになったりしました。


 残念ながら映画は原作と違う改変がなされているので、評価が二分していますが映画単体で考えると、中々の良作ではありますから、どちらも少年少女やファンタジーを好きな方に観て貰いたいと思う作品の一つ、こんな拙い思い出話でもお話に興味が湧いた方は、一度手に取っていただけたら嬉しく思います。


 そんな事を屋上でのんびり考えてから降りたら、時間もうお昼前でしたので、給食のおばあちゃんがお茶を配りに行きてて、私の顔を見るなり「黒井さん、今日のお昼は尾頭付きよ」なんて自慢げに言う姿に、室内に自然と笑みが浮かび、入院患者一同で鮎の塩焼きを有り難く頂きました。


 その後はなんと、初日に刺されて某ゲームののろいの装備みたいなアイツ、毎日お風呂無しな強制ファンタジーイベントを提供してくれた点滴の針と、お別れが出来ました!


 いやー、幾ら柔らかい樹脂だと言ってもね、動くと違和感や痛みはあるにはあるから、服とか布団に引っ掛け無い様に気を付ける生活でしたし、外せてよかったです。


 これで明日はお風呂入れます、頭が洗えるって素晴らしい!頭皮は髪の毛があるから、やっぱりタオルじゃ拭けませんからね。


 でも明日の診察で「点滴おかわり」の指示があると再びのろいの装備を着ける事になるらしいです。


 点滴が要らないくらい良くなっていると良いなーと思いながら、本日はこの辺で終わりにしようと思います。


 それではまた明日お会い出来るのを楽しみにしていますね。

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