隣の客は何を想うか
今朝も朝日とナースコールで目覚めましたが、生憎の睡眠不足からのスタートになりました。
痛みで新人さんが呻っていて、その声が気になり何度か起きて様子をみたり、気を紛らわす為に少しだけ話したりした為です。
例え寝不足でも、いつも日課は関係なくやって来ますので、朝はきちんと食べ薬も飲み、牽引を回診までこなします。
ここら辺は会社と一緒、トラブルがあろうとやる事はやらねば自分に返ってきますからね。
回診後に新人さんと話をした結果、ジュースが飲みたいらしいので、院内散歩のついでに買いに行く事にします。
彼は瘦せぎすの子だから、特に制限はないとは思うけど念のため栄養士さんに確認した上で、何本か差し入れる事にしました。
病人は制限が色々あるので、下手に食べ物や果物、ジュース、コーヒーなどを持っていくのは余り良くないので確認は必須、本人に聞いて解らない時は看護師さんか、栄養士さんに聞くのをオススメします。
日課の散歩で下の階の理療仲間達に、朝の挨拶をすると、不良中年はどうやら間食をしたらしく、看護師さんに見つかり叱られていました。
食事制限は確かに辛いモノですが、彼がいい加減病院から追い出され無いかと心配になるので、少しばかり人と会ったり、話をして気を紛らわす様にしたら?と提案してみます。
その隣の女性部屋のお姉さんに会ったから、朝の挨拶を交わすと、今日も同室のおばあちゃん達は三時起きだったらしく、余り良く寝れ無かったと、愚痴ります。
お年寄りは寝るのが早かったり、昼寝をしますので、早期覚醒で夜中から活発に動かれたりする方が多いですから、これは入院患者あるあるで、うちの階にも徘徊する方が居るから苦労は良く解ります。
彼女の同部屋のおばあちゃんは、悪い人では無いので中々難しい問題で、お年寄りの患者さんはイビキが凄かったり、徘徊癖がある方も結構いるのです。
そうして何人かの方にご挨拶をしてから、差し入れを買って戻ると、新人さんは喉が渇いていたのか直ぐに甘いジュースを飲みながら、今回の入院経緯や軽い身の上話を語り出しました。
聞いた話では彼は家族に問題が多い方の様で、急な入院生活もあり、苦労も多いと感じましたので、やり過ぎて迷惑にならない程度に気を掛けて行こうかな、なんて事を考えていると、お見舞いに来ていたお隣さんの奥様が気遣いし過ぎと笑われました。
私としてはこうした考えは、自分が気持ち良く入院する為の行動で、他の人がギスギスしたり、項垂れて苦しそうにして居るのが好きでは無いから、極めて個人的な感情からの行動なので、笑われる位が丁度良いですね。
なので奥様には正直に、自分の部屋が暗くなるのは嫌なんですよと言っておきました。
そんな事を話していると、今度はもう一人新しい方が入院して来ます、どうやら今回は御老人で、真面目そうで少しだけ頑固そうな方。
先ずは余りに煩くはせず、困り事だけ声を掛けるようにした方が良さそうな空気でしたので、軽くご挨拶だけしておきました。
この方は昼寝して居られる時にイビキが凄かったので、また今晩も眠りが浅くなりそうな予感……、耳栓の有り難みが身に染みますね。
なんだか今日は、入院中の音や隣人トラブルなどを挙げる様な回になりましたね。
他にもおすそ分けが食べ物だと、食べられなかったり、制限されていたり、お返しを考えたりと、案外面倒だったりしますから、人によっては程々にしておいた方が良いかもなんて感じますね。
そして私はやっぱりヒゲが似合わないらしく、理療科の方々に酷評を受けて、顎髭にダニが湧くぞと心を折られ、二時間でヒゲを剃るなんて事もあったと最後に記し、今日はこの辺で終わろうと思います。




