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魔法使いとヴァンパイア  作者: 桃月姫
一章 
4/16

3  はじまり3

「では続いて、職業決定についてです!」


「「「よっ!待ってましたっっ!」」」


フリルの言葉に俺とガーネット、サファイアの3人は思いっきり歓声をあげた。


「実は今、三大有力職業があるんだ」


ふふーん、と得意げにガーネットは語る。



「ハイプリースト、アーチャー、アークファイター!」


「そう、だから精鋭パーティーにもってこいの職業ですよ!」


サファイアも得意げに台詞を決めた。


「葉月くんはヴァンパイアを希望で……」


そうそう、俺はヴァンパイア希望で………いやまて、さっきの聞こえてたのかよ!サラッと無視しといてなんだよ!

……まぁ、今騒いでもメリットはないので一応黙っておく。

フリルはアリスとフルールにも聞いて集計結果を出したようだ。



数分後。


「はぁー、プリーストナシパーティーかぁ」


「生命保険、付きそうにないですね……」


ガーネットとサファイアは酷く落ち込んでいる様子。

フルールがアークファイター、アリスがアーチャーをそれぞれ選択。

先輩二人の様子を見て俺には少し罪悪感が湧いてきた。


「“あの日”のようにならなければいいですが……ね…」


「あぁ。次こそは、な。」


辛い記憶を思い出したように、“絶望した”表情。



「何か、あったのですか?」


見ていられなくなったのか、フルールは二人に問う。


「それは、あたしたち二人が研修の遠征でダンジョンに行けなかった時のことだ。」

険しく、難しい顔をし、ガーネットは語った。


余りにも長かったので。要約すると……

ガーネット達以外のパーティーメンバーは、その時命を落としたという。


魔黒軍によるギルドへの初襲撃。

当時ギルドに残っていたのは3分の1の人数であった。

一部は研修遠征、もう一部は前線に救助に行っていたのだ。

襲撃を受けた次の日と思わしき時に研修遠征組がギルドに帰る。

ギルドに近づくに連れ、血生臭さが強まっていって急いで帰るとこの通り。


ギルドに残っていたほぼ全員が殺られ、生きていても意識不明の重体となっていた……らしい。

その場にいたわけではないが、あとから調べたら魔法陣の痕跡と双剣の傷跡が物証として出てきたらしい。

それで、ハイプリーストが少なくリザレクションが追いつかずほぼ死人。

だからいざという時に備え、プリースト並びにハイプリーストを急募しているとのこと。


テンションの上げ下げがどうも激しい先輩二人。

何気に俺の苦手なタイプだ。


「いや、あの……先輩方とパーティー組むわけではないですし!そこまで落ち込まなくても………」


そっと宥めてみるがどうであろう。


「ま、それ言われたらキリないんだけどなっ!」


「こんな過去もあったので、ハイプリーストは重要な役割なんです、って事を分かってもらえれば十分ですしね!」


暗い雰囲気になるのも、開き直るのも早かった。


フルールは俺達の会話に疑問を持ったらしい。


「あれ?私たちは2期生で一緒にパーティーを組むんじゃ……?」


「あぁ、それはフリルのミスで別件の内容と勘違いした発言らしい。さっき来た人に聞いたから間違いないよ」


それは職業について話す前、休憩時間にちょっとばかり席を外した時。

さっきの男性職員に疑問な部分を全て聞いてみたのだ。

パーティーは少人数で形成するものなのに2期生などあっていいのか。6人は多すぎるのではないか、等々。


「つまりは俺ら三人、そこにコユキって子をプラスして四人パーティーというわけだ」


「ふむ、なるほど〜」



数分後。


「そういえば、なぜガーネットさんたちはこの会場にいらしたのですか?」


アリスに問われ、サファイアが質問に答えようと。なぜか張り切っている。


「交流を深めるのと、フリルの補佐かなぁ」


話を聞いていた俺は思った。ちっともフリルの補佐しきれてないじゃないか、と。


その後、6人で購買所に行き、俺ら3人の武装や必要なものを一式揃えた。

今晩だけとのことで、俺ら3人は俺の仮部屋に押し込められた。


フリルや先輩に振り回された、長いようで短かった一日はようやく終了した。


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