スカシユリ
別に良いけど いつまで引きこもってるつもり
その一言が今の僕にはとても辛い
別に良いなら放っておいてよ
薄暗い部屋の中が息苦しいのはいつものこと
別に良いけど 少しは太陽の光を浴びなよ
太陽の光は今の僕には少し強過ぎる
別に良いなら放っておいてよ
太陽が怖いだなんて吸血鬼みたい
別に良いけど 散歩でもしてきなよ
今の僕にはちゃんと立って歩けるかさえ分からない
別に良いなら放っておいてよ
歩き方を忘れるなんて邯鄲を夢見た青年みたい
別に良いけど 別に良いなら
別に良いけど 別に良いなら
毎日毎日同じ問答の繰り返し
僕は何を恐れてるのか
恐れてる振りを決め込んでいるのか
空は落ちてこないというのにね
別に良いけど ちゃんとご飯食べなよ
ちゃんとご飯を食べたのはいつだったか
別に良いなら放っておいてよ
宵越しの茶ばかり啜ってる
別に良いけど ちゃんと生きなよ
ちゃんと生きるってなんだよ
別に良いなら放っておいてよ
鉄杵を磨く力がないんだよ
別に良いけど 大切なことは忘れないで
大切なことってなんだよ
別に良いなら放っておいてよ
掌中の珠はどこかに落としてしまったよ
別に良いけど 別に良いなら
別に良いけど 別に良いなら
毎日毎日同じ問答の繰り返し
僕は何を恐れてるのか
恐れてる振りを決め込んでいるのか
空は落ちてこないというのにね
何もないと勘違いして
何も出来ないと勝手に諦めて
惰性で走る車みたいに
止まる覚悟も 加速する勇気も
何も持っちゃいない
捕まらない犯罪者みたいだね
誰かが止めてくれるまで
切って 盗って 騙して 奪う
もっと早く止めて欲しいと願うのは
自分勝手な加害者心理
生きる屍みたいだね
誰かが背中を押してくれるまで
目も 手も 足も 動かせず
光に向かって全速力で走りたいと願うのは
屍になりきれない滑稽な被害者心理
分かってる 分かってる
分かってる 分かってる
そんなことは言われなくても分かってる
一歩外に踏み出せば
眩しい光に手をかざし
這って進めば良いだけだ
泥水を啜っても
しっかり自我を持って
君を守り切れば僕の勝ち
どんなに最弱でも
どんなに傷付いても
どんなに醜くても
最後の最期まで足掻けば何か残るだろ