プロローグ
ヒーロー。
それは、実在する。
それは、スポーツ選手のことでもない。
テレビの中にいる架空の人物でもない。
そう、彼らは本当に実在する。
世界の秩序を守る者として。
世界では100年前からある異常な事が起こり始めた。
ある一部の子供たちが、人間の能力をはるかに越えた能力を身につけたのだ。
最初は、アメリカのある少年がきっかけだった。
あらゆる検査をしたが、異常はなかった。
翼があること以外は。
まるで天使のようだと、ニュースにも取り上げられ、その少年は世界で知らない人がいないぐらいに有名になった。
だが、異常はそれで終わらなかった。
その少年のあとにも異常な子供は続々とあらわれた。
火を操る少女、水の中でも呼吸ができる少年、満月の夜になると化物になる少年……などなど。
その異常な子供たちは世界各地で出現した、その異常な能力をもつ人間のことは【新人類】と呼ばれた。
そして、現在。
新人類は100年で増え続けた。人口の1000人に1人が新人類となった。
増えると、当然、よからぬヤツも表れる。
テロだ。
新人類は、世間でもう認知され、ちゃんと人権もある。
だが、差別はなくならない。
普通の人類は、「新人類は人間じゃない。」
新人類は、「我々は選ばれた人間で、アレはもう人間じゃない。」と。
その、鬱憤がつもり、それぞれの過激派がテロを起こした。
能力のない人類は、警察、軍隊で対応できた。
だけど、新人類は違う。
人間の常識の幅を越えている。手がつけられない。
そこで世界各国の政府はある決断を下した。
新人類には新人類に任せようと。
それは、警察、軍隊とは別の新たな組織が誕生することになった。
それが、ヒーローである。
ヒーローの誕生により、世間の認識が変わった。
だんだんと差別がなくなり、ヒーローは皆の憧れとなった。
この物語は、そんな憧れであるはずの一人のヒーローの物語。