表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

共通①気がつけば囲まれていた。私は包囲されている

私は今年大学生になったばかり。

幸運にも上京してそこそこきれいなのに家賃が安いアパートに住めた。


とりあえず上と下と隣には挨拶しておこう。


ピンポーン、とチャイムが鳴る。


「あ、こんにちは301のハイエスさんですか?」

「そうですが」

色素の薄い金髪、眼鏡できっちりしていそうな外国の人。

「新しく越してきた都積つつみです」

「これはどうもご丁寧に、よろしくお願いします」

とりあえず石鹸を渡して次に移動した。


次に下の階にいく。


「こんにちは…102のジュさんであってますか?」

「アッテルヨ~シクヨロ~」

みつあみに結った黒髪の人は差し出した石鹸をもっていった。


私は次にいく。


「203の間沖まおきさんですか?」

「いかにも、新しい住民か」

わるいひとではないんだろうけど威圧というか、なんかオーラがすごい。


「都積です、よろしくお願いします」

石鹸を…次にいく。



「すみません201の冠咲かんざきさんですよね?」

「ああ」

ガチャリとドアを開いたのは華やかな扇子と着物の男性。

なんで夏でもないのに扇子もってんだろ。

しかも孔雀。


「新しく越してきた都積です

よろしくお願いします」

一先ず石鹸を渡して帰宅した。



一通り終わって一段落、と思っていたら、ピンポンを連打された。


「103の詩水だけど、なんでウチに挨拶こなかった?」

16才くらいの茶髪の男の子が、挨拶に行かなかったことで怒るんだ。


「ナナメ下だから」

早速ご近所トラブル発生した。


「なら別にいいよ」

あっさりかえっていった。


「ナナメにもしたほうがいいのかな…」

しぶしぶ挨拶にいく。


「301の空菅くうかんさんですか?」

「そうだけど…ふぁーあ」

ドアを開いたのはさらりとした青い髪の少年。

話しかけるなと言わんばかりの大あくび。


「今日引っ越してきました」

石鹸を渡して帰る。



「303のヴァルトスさん?」

「はっ…はい」

出てきたのは黒いコートにサングラス、紫外線対策完全防備の男性?


「あの…」

「あ、俺太陽あびるとダメなんで用件は夜に…」

「なんかすみません、これ石鹸ですよろしくお願いします」

次にいく。


「101の火憑さん?」


「はい」

この人の背中からまっしろい翼が出てる。

「あの背中のそれ…」

「コスプレです!!」


変な人ばかりだったけど頑張ろう。


「あの、管理人さん」

「他人行儀過ぎるな、卍摩大狼ばんまたろうだからダイちゃんで頼むよ」

どっからとった!?


「え?バンちゃんじゃダメですか」

「微妙なチョイスするなあ…番茶みたいでアレ」

「番茶美味しいのに…」

「それって俺を焼いて食べるってこと!?」

なんでそうなるんだ!!


「女性住民って…」

「いるけど305、205、105から向こう全部だね」

「そうなんですか」

なんで私の回りにいなかったんだろ。


「ちなみに206だけは男が住んでる」

親の仇のようにいまいましげに言った。



夜になりコンビニに夕飯を買いに行った。


黒い集団と白い集団が別方向に向かうのが見えた。


とりあえず黒い集団を見にいく。


「Mr.カンザキ、Mr.ヒツキ、ご協力感謝します」

「なに、苦しゅうないぞ異国の信徒」

「どこに潜んでいるかわからない悪魔をカルには協力し会わなければ」


聞かなかったことにして、黒い集団を見に行く。


「やばいわーマジやばいわー」

「落ち着いてください魔王様」

「フハハハ夜は私の下僕だ!!」

「お前は朝と夜のギャップが激しいんだよ!」


なんか魔王とか悪魔とか、怪しげな単語を双方から聞いた。


まさか住人がそんな怪しい敵対組織同士みたいな?立場なんて…それに近くにいるのに鉢合わせないなんて…。


ある意味コント。


みなかったことにして、私は家に帰る。


なんかウィンウィンうるさいな。

変な雲が立ち込めてるな。

周りを見渡して、空を見上げる。


空を飛ぶ円盤、乗ると飛べる雲がぷかぷか浮いてる。



なんということでしょう。

気がつけば私は包囲されていたらしい。

――――


私はアパートの202号室に住む普通の大学生。

上京して入ったのがここだった。


これといってご近所トラブルもなさそうラッキー!

と思ったんだけど…。


私の中では一部の人をを除いて変な人を通り越して、人ではない存在疑惑が浮上中。


きっとみんなは役者かなにかで、舞台の台詞を練習していたんだと考えるとことにした。

そうしないと落ち着けない。


この先、彼らと顔を合わせるのが怖くてたまらない。


だって、いくら否定しても私の頭が彼等の正体はただの人ではないと告げているのだから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ