妄想彼女と王子様達
最終回です。ぜひ最後まで読んで頂ければ幸いです。
私の純潔が奪われるかの瀬戸際に、
ブハッと聞き覚えのある音が部屋にこだます。
「おい、てめェは何を‥」
言い終わる前に
男はその拳を、眼鏡男の顔面にヒットさせたのでした。
「なに俺様の女神に手ェ出してるんだ」
「ぃてて‥‥あー!僕の眼鏡がぁあぁ」
絶叫しながら顔よりも眼鏡の心配をする彼に、
ぼーぜんとする二人。
「女神の部屋に来れて光栄だぜ。俺様は武蔵だ」
コイツも適応能力はや。
うん、とりあえず不法侵入者が増えた訳ですね。
人は驚きを通り越すと冷静になれるらしいと今、分かりました。
「女神」と大層な名で呼んでくれた武蔵さんに、
「お姫様」と憧れの名で呼んでくれた魔裟斗さん。
まじまじと二人を見ていると私はある事に気付きました。
でもこれを言ったら引かれるかも知れないので、当分は彼らには
内緒にしておきます。
ところで何でこんな私が、彼らの選ばれし者なんだと思うか
二人に意見を求めた所、『もろタイプだから嬉しい』と
感想を述べられました。
質問の答えになってなくない?
でも‥‥流石に照れる。
私は二人の王子様に巡り会えたという衝撃の事実に
変わりはありません。
まさに逆ハーレム‥‥はっ、これは
妄想に使えそう。
「君たち」呼びかける私に
『なに?』同時に私を
見つめる二人のイケメンに
私は、精一杯可愛く微笑んで告げました。
「私のお楽しみタイムの邪魔だけは、しないでね」
ここまで読んで下さりありがとうございました。
少しでも楽しんで頂ければ有り難いです。
正子達のドタバタな日々はまだまだ続きます(笑)