妄想日和の筈が
私は妄想大好きなんで主人公と似ています。
女の子なら誰でも憧れる、王子様‥‥。
私もそんな夢見る女の子でした。
でも現実は厳しいです。
待てど暮らせど、王子様なんて現れないのですから。
クラスでいじめられても、会社でいじめられても。
たとえ家出しても。
手を差し伸べて助けてくれる男性なんて、いません。
待ちくたびれた私は、自分の世界にこもるようになったのです。
私の名前は白井正子28歳 独身 彼氏募集中。
色白な程良いふっくらした体型の純日本女。つまりはちょいデブ。
会社で仕事を終え、帰宅したのは21時。
疲れてへとへとです。
ストッキングを脱ぎ放り投げ、布団にダイブ。
うわ、私くさー
なんて思いながらも疲れて風呂に入るのは後回しです。
晩御飯は売れ残りの市販弁当で、ちゃちゃっと済ませ、
今宵も正子のお楽しみタイムが始まりまーす。
ベッドの上で布団にくるまり、も・う・そ・う・タイム。
ここからは正子の妄想をお送りします↓
眠りに落ちようとした時、隣から声が‥‥
おい、なに俺様を無視してんだよ?
ぐいっと腕が伸び身体を引き寄せられる。
息がかかりそうな程近くに端整な顔が。
今夜は、寝かせねぇぜ(イケボ)
赤面しながら戸惑う私。
ねぇ‥
すると反対側からも声が。
反対耳にふーっと息が吹きかけられる。
驚いて振り返ると、幼げな美青年が。
僕のこともかまってよ‥
もう少しで唇が触れそうな距離に心臓はバクバクで
うふふふふ(現実)
嗚呼、幸せだなぁこの時間。
一人ベッドでにやける女がどれ程不気味かは本人には
分かりません。
布団の中は温かくて私だけの空間。
世の中の怖いものを今だけは忘れていたい‥‥
でも、会社での今日あった失敗を思い出してしまいます。
あはは‥‥‥へこむなぁ
鼻の奥がつーんとなって、目尻に涙がみるみるうちに溜まります。
今だけの楽しい妄想タイムを再開しようと、無理やり目を閉じた
その時。
ここまで読んで下さりありがとうございました。
次回の作品でもお会い出来ると嬉しいです。