7.私はヒロインだもの!![]成冲に説明しましょうね?この世界について
今頃ですが
私→現在の恭歌
この子→現在の恭歌になる前の恭歌
と言うことで話しています。成冲君は恭歌のことを親友以外としてみる予定はありません。でも恭歌の親父ポジ。
ふふ、私は生まれ変わったの!!ヒロインとして!!!!
このゲームはふつうとは違う愛情を人よりの女性にだけ注いでくれるゲーム。
私はこれにどっぷりとハマってしまった。
「おまえは俺のもんなんだよ。」
そう言われるだけで心が躍った。
だってそのころの私はとても綺麗だったのに醜い嫉妬のせいで体に傷を付けられてしまった。背中に通ったあの刃物で付いた傷は私に最大の汚点で私の美しさを皆無にしてしまった。
だけどゲームは違ったの。
私にだけ愛をささやいてくれるし、最後の方はバットエンドと言われそうなくらいの狂愛を見せつけてくれる。正直に羨ましかった。
それに逆ハーレムエンドは全員が程良く愛をささやいてくれる。このゲームの中に何度入りたいと思ったことか!!
そして私にはチャンスがきたの、また狂った人に刺されてしまったあの日、私はこのゲームにやってきた。
ああ、神様が居るなら、ありがとう!!私だけの私だけの楽園が作れる。
ヒロインは元々私にそっくりだったし違和感なんて無かった。だから私は逆ハーレムを目指そうと思ったの。
ただそれだけよ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんかざわざわしているなと思って目を開けるとそこには至近距離に成冲の顔があった。
相変わらず美形だな。
「やぁおはよう、私から少し離れてくれたまえワトソン君」
「誰がワトソン君だよ。」
私は凄くこの時間に幸福感を持っていた。だって、本当なら私はただ死ぬだけのモブだから。
言い忘れていたけど重要なこと。
私は別に1人で死ぬんじゃない。私が殺されるのは、
ライバルキャラの乃崎さんをかばうため、守るため、身代わりになるため、精神的に傷つけるため、などなど。私はそうして殺される。
私の大切なもう1人の親友。乃崎優菜ちゃんのために。
そのために私はこの話をしようと思っている。
「私のワトソン君、どうしても聞いて欲しいことがあるんだ」
私はこの三人で生き残りたいのだから。
「なに?僕のホームズちゃん。」
そう言う成冲は保険医、つまりこの子の従兄を外にやった。ざわざわしてると思ったんだからもう1人くらい居るのは解ってたけどえ、いたの?と思ったのは事実。悪気はないよだから羽月さん悲しい顔しないで下さい。仕方ないじゃないですか私今成冲しか気軽にはなせる他人居ないんですもん。
「あのさ、私の言ってること信じてくれる?できれば2人だけの秘密と言うことでオネシャス。」
「おkおk、でどうしたの。」
気軽にはなせるような雰囲気を作って言ったけどやっぱり少し勇気がいる。でも女は度胸だ、だから、頑張る!
「もし、私が違う世界からトリップしてきたんですっていったらどう思う。」
そう言うとやはり成冲は固まった。
「それは…恭歌が恭歌の皮を被った他人ってこと?」
わぁお、物わかりが良くて私困っちゃう、と言うか若干。成冲が怖い。
「いや、そう言う訳じゃない。私はただ事故にあったときに追加で記憶をもらったみたいな感じ。」
そう簡単に言うと私はこっちの恭歌なのだ。だから恭歌としての記憶は生まれたときからある。
「それに、私の気持ちは。これまでとかわらないんだもの。」
そう、私の女嫌いはこの子の方がどちらかというと強い。だから私は幼なじみと親友以外の女子とは極力関わらない。私は八方美人の振りすらできるぐらいだったし。この子の女嫌いは私以上。
「ふーん、じゃアニメ風に言うと追加的能力をもらったってことでいいの?」
「うん、まあそう言うこと。で、私が知ってる中ではおそらくこれ、つまり私たちが生きてる世界は、乙女ゲームの世界なのよ。つまりここも二次元。まえのわたしからいえば。」
そう言うと成冲は少し固まった後になにそれ裏山とこぼした。
「くっ何故だ、ならなんで俺は美少女にモテない!」
「そりゃ私たちモブですしおすし。」
そう言った瞬間成冲は膝から崩れ落ちた。おいおいノリが良いな本当に。
「だから、恭歌も美人なのに告白されたことがないのか、(血迷った奴らは俺らで何とかしてたしな)」
はっと気がついたように言う成冲に私はおいおいそんなわけ無いでしょ、と笑った。でも今から言うことはそんな明るい雰囲気もなくなる。
「でも、私たちこのままいったら死ぬの。」
軽くいったら成冲は有り得ないものを見るように私をみた。
「この子、恭歌は優菜ちゃんと一緒にほとんどのエンドで殺される。」
「乙女ゲームって普通人死ななくない?」
そう言う成冲に私は苦笑いして答えた。
「これ普通のゲームじゃなくて、ヤンデレ系なの」
そう言った瞬間にあーなるほどと成冲はこぼした。うん本当に成冲は私と良く気が合う。私も思ったもの。
「で、ここからが重要、私死にたくないんだよね。20まで生き残って恋人欲しいし。」
「恭歌の旦那?誰だ候補はここに連れてこい俺が確かめてやる。」
「いやまだいないって。」
一瞬にして空気が凍った、おまえは何故モブなんだ。まったく。
「私からしたらどの攻略対象より絶対に成冲の方を攻略したいよ。面白いし」
そう言ったらニコニコとしていて満足そうにうんうんと言っていた。なんだこいつ面白いな。
「で私攻略対象とヒロイン。あ、一之瀬結香さんのことね。と距離を置きたいの。」
死なないためにはこれが一番だし。と私が言うと成冲はそうだなといった。
「で、その攻略対象は誰々?」
そう言う成冲に私は前々から用意していた攻略キャラをリストにまとめた紙を渡した。すると成冲はまじかよ、と言って私の顔を困惑気味に見た。
「これ、全員お前と関わりがあるじゃないか。しかも生徒会全員って。」
「ちなみに逆ハーレムエンドもあるからね。」
そう言った瞬間成冲は乙女ゲームって怖いともらした。うん、私も怖い。
それから詳しく私の覚えている分だけこのゲームについて教えた。そのあと言われたことは私にとってもう片づいた問題。
「恭歌、お前の前の名前は何だ?」
もちろん私はにこやかに答える。顔も声も仕草も趣味も一緒の私とこの子、アレはきっと前世だから。
「ごめんなさい、名前だけは思い出せないのよ。」
何か思い出が欠けているものだと言い聞かせている。
で、言いますと現在の恭歌は完全に融合しています。お互いに認め合っている状態。前に生徒会から逃げようとしていた話は普通に男嫌い(モテる男に付き)を恭歌が感じていたからです。記憶が融合してからは死にたくないからです。
次回はたぶん成冲と乃崎さんの視点だと思う。