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岩倉(麻雀覚える)


岩倉(麻雀覚える) (1)

昭和19年12月から始まった工場疎開、パラパラ粉雪がうっすらと舞っている、寒かった。

全て牛車での運搬だから時間がかかる、精密工場全ての工具、機械100台程の疎開が終わったのは年末も迫っていた。

私の担当はハーバード-リンドナーとゆう日本に5台しかないドイツ製の精密機械でここに3台あった。

この機械は種ホブを作る機械で20年8月には「郡上八幡」の山中へ疎開するため岩倉駅の貨車へ3台の積み込みも終わって15日を迎えた、

犬山線岩倉駅は尾張一宮と犬山の分伎駅でどこをみても畑ばかり、駅裏に工場の寮があった、そして100mも西へ行けば旧織物工場跡へ我が「名古屋裸子」が移転して今操業を始めたばかりだった。

30m四方の池があった、たくさんの「食用カエル」がブオ、ブオと昼間から泣いている。

暮れから寮での生活は楽しかった、初めての一人暮らし、いいえ高倉、稲葉の3人暮らしは同じ年代だけに日々目新しかった。

しかも寮は新築で布団、蚊帳も真新しかった。

駅の前に民家を借りた「青木」さん(工場事務町)が麻雀を希望者に教えてくれるとゆうので

真っ先に希望した、ときには「空襲警報」も鳴ったがこんな田舎まではとたかおくくっていた、

でもサイレンが鳴ると窓は黒いカーテンで覆い、

手元はローソク4本で照らして毎夜のように麻雀を打っていた、当時のハイは大きく薄かった。

或る夜「ドカン」とえらい大きな音がした、打っていた麻雀パイも吹き飛んだ、誰も怪我はしなかったが20m位の畑に油脂焼夷弾のかけらと燃えている一発の焼夷弾が落とされたのだった、が誰もその時はきずかなかった。

岩倉駅踏切り脇の出来事でみんな鼻の孔を真っ黒にしてパイをにぎった。

まさか麻雀中の明かりが漏れたのではと思うが、ローソクの明かりが見えたとは思えない。


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