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夏の夜はタップで、(ヤンマの大群が)

夏の夜はタップが楽しい。(ヤンマが大群で)

夜になっても蒸し暑さは続く、特に夏休み期間中の熱さは我慢できない、寝付かれないからだ。明かり一つない真っ暗な長屋前では縁台が置かれる、誰彼の区別もなく大人、子供、男、女だれかがそこに座りうちわでささやかな涼をとる、

ラジオがないので「浪曲、落語、漫才」も聞けない、多くの子供には興味もない、縁台に集まり花火(線香花火)で賑やかる。それも安く数が多いのでパチパチと派手にはぜ、やがて火の玉に変わりポトッとはかなく落ちていくさまは当時流行の軍人に例えられたのだろう、将棋盤で山崩し、はさみ将棋がローソクの明かり便りに始まる、「蚊」にひざ、足元を攻められるので「香取線香」を一つたく、そこえ成田さんのお兄ちゃんが一枚の厚い鉄板を曳いた木板を持ってきた、始まったのが「タップ ダンス」だメロデーは汽車の出発から次第に早く、特急並みの速さにかわり次第に遠さかって行く音を足元で演じている、高い靴だろう、面白い靴だと感心する。

ギターをポロン、ポロン悲しいメロデーで奏でる兵隊検査前のお兄ちゃんが誰とゆう当てもなく姉ちゃんに向けて曳く、子供にもそのメロデーは涙を誘う余韻があることが判る、「旅の夜風」だった。

映画の中の流行歌が流行る、ことにギターを自前持ち、奏でる事のできる若者は特別若い女の子にもてもてだった。

夜の遊びは毎夜人が集まる、大人も子供も浴衣を着ている、たいていの人はその体から「天花粉」の香りがする、タライで行水をした後の体だ、銭湯は銭がいる、夏の行水は水を浴びるだけだからどの家も浴びた。

夏と云えば、近くに300坪位の原っぱがあった、夕方4時頃になると北から南へヤンマの大群が上空3-5m位のとこを飛ぶ、モチ竿にべたべた着いて、いくらでも取れるが時期が夏休み2,3日前では面白みもない、3年位この情景があったが何故ヤンマが大群で飛んだのか理由がわからない。

戦時中はどうだったのかも判らない夏の不思議な現象だった。


まだまだ続きます、みなさん読んで下さい。

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