出逢い
初投稿です。
誤字脱字や繋がらない話、蛇足も多めに見てくれると嬉しいです。
夜空を見上げ真っ先に思い浮かぶのは、色素の薄いきらきらと輝く君の柔らかな髪。昔の記憶が薄れ“私”が消えかかっている今、君の記憶が私を繋ぎ止めている。それは君が私の世界を変えてしまったからだろう。夜空に灯った煌めきよりも輝く君が、変えてくれた世界を君の隣で見つめていよう。君が星に還り、周りの人に忘れ去られようとも、
私は君を愛し続ける。
初めて君と会ったのは9歳の年のこと。
暖かな春の日、私はヴァイオリン教室の帰りに父の迎えを待って公園のぶらんこにぽつねんと腰掛けていた。父から迎えにいくのが遅くなるとメッセージを受信し溜息をつく。
『屋久杉公園に居ます』
と返信し、また溜息をつきそうになり慌てて飲み込む。こればっかりは仕方がない。病弱な姉が今朝からまた熱を出してしまったのだ。
楽しそうにバレーボールをしている子達がとても羨ましい。私は習い事が多く立ち回りが下手なため嫌われることが多いのだ。
『碧唯ちゃんなんでも持ってて羨ましいー』
『お金持ちで可愛いし、何でもできるもんねー』
仕方がないじゃない、と心の中で反論する。
習い事は上手にできて当たり前、下手だと何故、どうしてと責められる。お金持ちなのも可愛いのも生まれた時から決まっているから私にはどうすることもできない。何でもできるのは、それ相応の努力をしているから。羨ましいと言うのなら努力をしなよ、と。
心の中で喧嘩をしていると、誰かの気配を感じて顔を上げる。、
「ねぇ君。1人で何してるの?おにーさんの家に来て一緒に遊ばない?」
黒い軽自動車から出てきた三十代くらいのおじさんがニヤニヤしながら声をかけてくる。正直気持ちが悪い。これが誘拐なのか、と何処か他人事に考えていると、おじさんが更に近づいてきた。いい加減断って何処か別のところに行こうと口を開くと、彼が声をかけてきた。
「ねえ、おっさん。その子に何か用事?」
暖かな陽射しに反射した髪が輝いている。脇に土汚れのあるバレーボールを抱えている。少し不機嫌そうな空気を纏っていた。
「あれ、用事も無いのに話しかけてたのか。これって不審者ってヤツだよね?」
彼が追い詰めるように、一言一言丁寧に言うと、もしもし警察ですか?と携帯電話で通報し始めたので、慌ててそのおじさんは車に乗り込み逃げていった。
「あの、ありがとう」
どうにか声を絞り出したけど、出たのはその一言だけで羞恥で顔が赤くなる。慌ててうつむき下ろしている長い髪で顔を隠した。
「ううん、困ってたっぽいから話しかけただけだし、あのおっさん気持ち悪かったもんなー」
そう言って彼は私を慰めてくれた。私の心細さや不満、怒りなどが溶けていくようで、思わず目が潤んだ。
「俺、暁千隼。お前は?」
「えっと、私は碧唯!月雲碧唯だよ」
そっけない感じになっていないだろうか、と少し心配になる。こんな気持ちになるのは初めてだ。
「碧唯って良い名前だな!それに、夜のお前と夜明けの俺、めっちゃ相性良いじゃん!」
名前を褒めてくれて、嬉しくて頬が紅くなる。それに相性ぴったりと喜んでくれて、自分が一人ではない気がした。
淋しさが、少し紛れる気がした。
ちはやー!と彼が友達に呼ばれる声がする。はっとした。彼はたまたまここに居合わせただけで、私に時間をかけさせてしまって申し訳なさが溢れてくる。
「行かなくて良いの?友達が呼んでるよ」
「いいんだよ、アイツらとは明日も遊ぶし」
本当に?と聞くと頷いてくれて安心する。
君と沢山のことを話した。病弱な姉がいて家族に構ってもらえなくてさびしいこと、だけど姉が大好きでどうしたら良いかわからないこと。彼はうんうんと相槌をうち肯定してくれた。同情されなかったことが嬉しかった。彼も沢山のことを話してくれた。自分が長男で弟がサッカーを習っていること、家の猫が最近丸くなってきたこと。夢中で話していると、「碧唯」と声をかけられる。父の声だ。慌てて“いい子”の仮面を被り父の方へ振り向く。
「その子は友達かい?碧唯と仲良くしてくれてありがとう」
なんだか恥ずかしくなってしまい、早く帰ろうとお父さんを急かす。
バイバイ、と呟いて公園を出る。もう君とは会えないと思い残念に思っていると、後ろから声がかかった。
「碧唯、またな!」
パッと振り向くと、君が満面の笑みで手を振ってくれていた。ああ、眩しいな。陽だまりのように温かい笑顔に釣られて、私も笑顔になった。
「またね、千隼くん!」
思い切って手を振ると、一瞬彼は眩しそうな顔をした後、また軽く手を振って去っていった。
今はまだ、この想いに相応しい名前をしらなかった。
文章を書くって難しいですね。
続かないかもです。
これから長いお付き合いになるかもしれません。
温かい目で見守ってくださると嬉しいです。
よろしくお願いします!




