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残念で不幸なぼくを異世界美少女が欲しがる件について  作者: 高安ゆき(ゆきゆき)
第1章:『残念で不幸な僕と、美少女たちの勘違いの件について』
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第3話:不運な予知は、神の啓示(第2節)

僕の絶望と、リーファの頬を染める熱狂的な視線が交差する。

「救世主様……わたくし、光栄ですわ……! このような状況で、あなたは……!」

「違う!違うんだリーファ!これはそういうんじゃない!?」

僕は慌てて手を離そうとしたが、リーファは僕の手を離そうとしない。それどころか、両手で僕の手を包み込み、熱心に語り始めた。

「あぁ、救世主様……!あなたは聖なる予言に記されたお方……! この運命の出会いもまさに神のお導き!」

「そうじゃなくて、変な幻覚が見えて、その後気が付いたら何もなくて、、、」

「もしや救世主様、 今まさに『神の啓示』を視られたのでは!?」

僕の脳裏には、先ほど見た最悪の未来が焼き付いている。

魔物の突進。天井からの鍾乳石。

そして、僕とリーファが潰される光景。

僕が予知したのは、僕の能力を最大限に活かした未来なんかじゃない。ただの、最悪の未来だ。

「そうよ……! 救世主様! 先ほどの『啓示』で、何が見えましたか? どんな危険を察知なさいましたか?」

リーファは、僕の顔を覗き込むように、さらに顔を近づけてきた。

その真剣すぎる眼差しに、僕は言葉を失った。

「……見えたのは、僕が鍾乳石に潰される未来……だ」

僕がそう絞り出すと、リーファは「なるほど!」と声を上げ、神聖な予言でも聞いたかのように顔を輝かせた。

「その鍾乳石は、救世主様の命を狙う呪いの具現化! ですが、聖なる予言に記されております! 救世主様は、呪いを反転させ、幸運へと導くお方……!」

リーファは、僕を導くように洞窟の奥へと歩き始めた。

「さあ、参りましょう救世主様! 呪いは、幸運に反転させることができますわ!」

僕は呆然としたまま、リーファに手を引かれるままに歩き出した。

(いや、違う……。僕は、これから起こるであろう最悪の未来が見えただけで……)

僕がそう心の中で呟いた瞬間、足元の石につまずき、リーファに覆いかぶさるように倒れ込んだ。

「きゃっ!?」

リーファの小さな悲鳴が響く。

僕の顔は、彼女の柔らかな胸元に埋もれ、甘い香りが鼻腔をくすぐった。

僕が慌てて起き上がろうとすると、逆に彼女のローブを引っ掛けてしまい、白い肩が再び露わになる。

「な、なんだ、今の……?」

僕は慌てて体を起こし、謝罪の言葉を口にした。

「ご、ごめん!大丈夫か、リーファ!」

僕とリーファは、お互いの顔を見つめ合ったまま、しばし時が止まったかのようだった。

僕の視界いっぱいに広がる、透き通るような青い瞳。その距離は、僕が少しでも動けば、唇が触れそうなほどだった。

心臓が警鐘のように鳴り響き、僕は思考を停止した。

そのとき、僕たちがまさに足を踏み入れようとしていた場所の真上に、轟音と共に鍾乳石が突き刺さった。

ゴウッ!

「あ、あああああ!」

紙一重で難を逃れた僕とリーファは、互いに顔を見合わせ、安堵の息を吐いた。

「まさか……僕が石につまずいて転んだおかげで……?」

「流石でございます、救世主様! 救世主様の『呪いを反転させる力』が、あの不運な転倒を、私たちを救う幸運へと変えたのですわ!」

その言葉を聞くやいなや、リーファは僕に勢いよく抱きついてきた。

「救世主様! あなたは、わたくしの命の恩人です!このリーファ、あなたの導きを信じ、どこまでもお供いたしますわ!」

熱烈な抱擁に、僕は一瞬呼吸が止まった。柔らかい胸の感触が、僕の思考をさらに麻痺させる。

しかし、リーファは僕を抱きしめたまま、その瞳をうるうると輝かせている。

「ほ、本当に偶然なんだってば……!」

僕は恥ずかしさのあまり、慌ててリーファから距離を置こうとした。だが、彼女は僕の肩にしがみついたまま、しばらく離れようとしなかった。

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