日本国洋京特別行政区
もしも日本に独立した空間があったら、というお話です。
20××年現在、日本には政治的に独立した自治区がある。それが、日本国洋京特別行政区。日本国憲法に則り、法律は自主的に整備している。かつては日本本土の一部として、全く同じ法制度であったが、大正デモクラシーの同時期に、「洋京は独立すべきだ。」と主張する人が急増し、現在に至る。そんな洋京は、大阪府と和歌山県に近い、面積は四国よりも少し小さいぐらいの、人口約1200万人の島。西日本なので、洋京に住む人々は関西弁を話す。大阪府に近いほど関西弁がきつく、離れるほど弱くなる。大阪弁と、神戸弁、京都弁、近江弁のような違いである。本州と洋京を結ぶ連絡橋は2箇所あり、阪洋大橋と、洋和大橋である。この洋京区は、行政中心都市の徳月市、徳月市の2番目に大きい都市の京条市、工業地帯のある大野見市、温泉が人気を誇る南大野見市、そして農業が盛んな江本市の5つの都市で形成されている。徳月市は洋京区の最東端にあり、ハイテクノロジーで近未来的な大都市。そこからひとつ西へとずれると、北には和歌山県和歌山市と洋京を結ぶ洋和大橋がある大野見市、南には南大野見市がある。さらに北西へと進み、江本市が見え、北上すると京条市があり、ここは徳月と同様大都市だが、徳月市に比べるとレトロな雰囲気が残る街である。そして京条市は、大阪府大阪市と直接つながる阪洋大橋がある。交通網は、徳月市の新徳月駅から京条市にある京条駅を通り、そして阪洋大橋を通って大阪駅、新大阪駅へと向かう、阪洋本線と阪洋新幹線、洋阪高速道路が主な移動手段。阪洋本線・新幹線は、JR西日本洋京支社が運営しており、この他の路線は徳月環状線と、非電化ローカル線の南大野見線。京条市と大野見市、徳月市では、各都市の交通局が運営する地下鉄とバスが走るが、徳月市は民営化されており、現在は徳月市交通局ではなく、徳月メトロ、徳月バスという名前で市民の足となっている。
続いて、政治。洋京総統、椎名翔一は38歳で、最年少の総統として就任。元放射線科医で、30歳で政界入り。減税政策や移民問題を訴えて当選。副総統は、斉藤裕也48歳。元JR西日本運転士、運輸司令員で、35歳で政界入り。椎名総統の、1番の政治パートナーである。2人は、右派与党の洋京保守民主党(略称:洋京保民党)に所属し、2年前の洋京総統選挙で、かつて政権を握った左派の洋京改進党を破り政権を獲得した。
この舞台を基に、様々な物語を展開させていきます。