ラノベの勇者と70年代の特撮ヒーローの類似
ラノベの勇者・主人公が共通の素質や技能として持っているものは、高い身体能力と魔法の力と情報処理能力だと思う。最近はそれらを一時的にブーストすることも当然のようになった。ではその源流はというと、1970年代からテレビ特撮で活躍した「○○マン」系の影響が強いかと。魔法少女系や不可思議な道具からもあるけれど。不運とか幸運とかは共通じゃないね。
身体能力が高いのはそもそも敵が巨大だから。怪獣映画に出てきて軍事組織を蹴散らかす敵を、テレビ番組の短い尺で相手にする。その時怪獣相手のプロレスで終わらせないように、多彩な光線技が求められたと思う。今の放送基準では厳しい切断技や流血シーンが多かった。今はエフェクトで消滅や爆破が主流だろう。多彩な光線技が多様な魔法に代わっただけ。
ヒーローの出自が、最初から特異な能力を発揮する異星人だったり別次元人だったり異文明人だったりというパターンと、一見凡人なのに特異な師匠の元で死ぬほどの特訓を受ける(時々死ぬ)というパターンもある。期間はいろいろ。これもラノベ勇者・主人公と同じだが、ラノベの場合「精神と○○の部屋」のように超長時間の修行から帰っても時間経過は少ない特別な空間で行うようだ。その特訓で師匠をも超えた力を付けるからヒーローになれるわけだが、最近の特撮やアニメだと元から強い異星人や別次元人や異文明人ですら死ぬレベルの特訓を受けるらしい。強さのインフレが起きるはずだ。
等身大のヒーローでは、改造された人間や特殊なバトルスーツで強化した人間の話が多い。身体能力と情報処理はアップしているが、主力の光線は銃や車両のなどの兵器による。ラノベなら武具や兵装に依存する魔法なのだろう。身体や情報処理も含め、あらゆる能力アップを「魔法」として処理したい作品もある。特撮番組でもご都合主義というか、重大なピンチになると「その時不思議なことがおこった」という処理があった。スポンサーがおもちゃやギミックを売るには「外部の兵装」は不可欠かな。
ラノベでは背景にある世界のため光線技よりも魔法のほうが受け容れられやすいと思うが、YouTubeで昔の特撮を見ていると光線技が多用されている世界も読んでみたいと感じたのでした。