鈍感男とツインテお嬢様③
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「そこは私に任せなさい!恋愛のスペシャリスト事来栖愛莉さんの言う通りにすれば良いだけよ!!」
(はっ!……お前も今まで付き合ったことねぇだろ、そんなお前が何を教えるんだよ!!……とは口が裂けても言えないがな!)
そんな事を言えない健一は無難に返事を返す事にした。
「おぅ、愛莉に任せる」
「………あら?いつもの生意気な反応がないなんて珍しいわね?」
健一の素直な反応に少し不思議そうにしていた愛莉だが、それ以上は特に何も言ってこなかった。
「じゃあ、話も纏まったから今日は解散か?」
「そうね……本当は今からでも彼氏・彼女らしく下校したかったけど、私は今から健一の噂を止めてくるからここで解散ね……じゃあ健一、月曜から彼氏役頼んだわよ?」
愛莉はそういうと健一の返事を待つ事なくその場を自慢のツインテールとお胸様を揺らして颯爽と走っていってしまった。
残された健一は………
「………行っちまったな……まぁ俺も帰るか、噂の件は愛莉に任せるしかねぇしな」
健一はそういうと上履きを外履きに変えて自分は帰路に着く事にした。
◆
健一と別れたその頃の愛莉はというと廊下を歩きながら1人呟いていた。
「………やった、やったわよ私!健一と彼氏になれたわ!!偽彼氏だと言っても彼氏には違い無いわ、噂を止めてくるとか言ってあの場から逃げたけど……恥ずかしくて逃げてしまったわ………」
実はあの場から直ぐに愛莉が逃げた理由は別にあった。
その理由は恥ずかしかったからだ、健一と話している時は恥ずかしそうにしているそぶりを見せなかったが、内心では頭から煙でも出すかと思う程恥ずかしがっていた。
でもそれでも健一に偽彼氏になってもらう約束を取り付けた愛莉は今ならなんでも出来るような気がしていた。
そんな事が出来るなら早く告白してしまえと言いたいと思うが、それは言わぬが花とやらだ。
「でも安心しては駄目よ、健一は超が付くほどの鈍感野郎よ。私は一番手というのもあってかなり有利な状況かもしれないけど、ここで焦ったら意味がないわ……その前に今やれる事を私はやるわ、まずは約束通り健一の噂の抹消が優先ね」
愛莉はそう言うと、いかにもギャルが持ってそうなゴテゴテのデコレーションされているスマホを取り出すとある場所に電話を入れた。
「………あぁ、パパ?健一の事なんだけど………」
少し通話をして要件を伝えると直ぐに通話を終えた。
「………よし、これでほとんどの健一の噂はこの週末で消えるでしょ」
今愛莉が連絡した場所は自分の父だった、愛莉は自分のできる範囲の権力を使って健一の噂を抹消しようと思っていた。
幸いな事に愛莉の両親も健一の事を知っている為、健一の噂をやめさせる様に学校側に愛莉の父が直接話すと軽く引き受けてくれたので安心だ。
ただ、愛莉自身も出来ることはある、それを月曜日までの約2日間で行おうとしている。
「後は生徒達に変な噂を流さない様に注意喚起をしたらそのうち治るでしょ、まずは生徒会室に行って生徒会長に聞いてみないとね」
愛莉はその足で生徒会室に行くのだった。
次回 31話「30万人達成①」を更新する予定です。
ストックがある訳ではないので次の投稿は前後する可能性があります。




