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プロローグ

ガンガンガン。木のドアをノックする音が聞こえる。

…インターホン開発できないかなぁ。

「ソウマさーん?ソウマさーん?依頼が来ましたよー?えーと確かぁー。

カムイ一体討伐、ですってー。」

内部から鍵をかけたのだが鍵だけをぶっ壊して入ってきたようだ。

…怖っ…

おっとりとした感じの声の主は専属受付嬢…もといどれゲフンゲフン。

受付嬢である。ギルドの。

…後で修理代請求しとこ。鍵の。

「真夜中にどうしたんだ?マレン」

そう。できればきてほしくなかった客の名前はマレン。マレン・ソフラティエとか言ってたかな?全く,名前全部女子みたいな名前だな。

いや…女性?

来たら大抵めんどくさいことに巻き込まれるからである。

「カムイの討伐?…ああ、俺が欲しいって言ったあの?」

…といっても欲しいのは血だが。

マレンはすぐに答える。

「はいー!夜行性のカムイが昼にココ,王都サンベラに現れたんですよー!というわけで討伐隊結成,ていうわけです!どうです!?いい依頼でしょ?」

勿論こう言おう。

「嫌だ!むしろなんでそんな依頼をこの時間に,此処に届けてくる!もっと早く,そしてもっといいとこに持っていけばいいだろう!」

まずい、大声出しすぎた,といっても隣の家まで30キロは離れているから大丈夫だが…

「ふあ…あ。マレンさん。どうしたんですか?こんな時間に…ギルドの仕事は終わってるでしょうけど…て、え!?」

困惑している亜人…狐の亜人、そして俺の従者兼メイド兼奴隷、シャナン・ルナール・ワトル・レグイザモ。レグイザモって珍しいよね。

…名前長いよね。貴族っぽい…。奴隷だけど。

あ、間違えた。…元奴隷なんだよ。シャナンは。

「んまあ、じゃ、行くか。」

そう言っていく用意…もっとも鍵を持つだけだが。

あ、鍵こいつがぶっ壊してたんだった。

諦めて鍵を置いていった。

そして,いつも通りに。

右腕が急に膨張したかと思うと、長い銃になる。

そして服に開けた穴から骨が藍色,羽毛が黒の大きな翼が顔を出した。シャナンも同じく翼を出す。シャナンのは骨が赤く羽毛が朱色となっている。

扉を開けた瞬間,写真立てがカタンと倒れた。

当然(?)だが、この世界に写真どころかカメラすらない。

じゃあ、なぜシャナン達が一緒に写っているのか。

相馬ー…自分は,写真縦に気付くことはないが説明しよう。

あれはー…確か,約2年前だっけかな?


ーーーーー


「こらぁ!ここ、間違っとるぞ!それに,お前働きすぎだ!帰れ!」

いやいや、お前が押し付けたんだろ。…明日午前3時までって。

…あれ?言ってた…よね?

うん、みんな頷いてるな。それ終わらせるためだけど…

「こら!お前らも帰れ!それで、早く仕事を終わらせろ!」

www。いやいやちょっと。すごーいこと言ったぞこの人。

「やめるのか!わかったぞ!出て行け!

オラ!退職届俺が書いてやるからさっさと理由を言え!」

展開が早いな。でも…

「上司が仕事押し付けてくるから。」

「上司が仕事押し付けてくるから。」

「上司が仕事押し付けてくるから。」

「「「仕事押し付けてくるから。」」」

「ううう…えい!わかった!お前ら,まとめて地獄行きだ!」

いやー…地獄行くのはあんたじゃね?


ーーーー帰宅。ーーーー

あー、イライラする。イライラする。

明日から無収入だよー。

ガチャリ。

うん、あれ?鍵空いてたっけ?

とりあえず入って戸を閉める。

玄関からちょっと長い廊下を歩く。


光が見える。

照明ではない。

もっと明るくーーー

…目に優しくない色だ

じゃなくて!

なんか眩しい色だ。

あれ、この人って…

「爺ちゃん!?どこ行ってたn」

補足。爺ちゃんは7年ぐらい失踪していたのだ。

(法律的には死亡判定)

「入れ」

「へ?」

その爺ちゃんの目の前にあった大きな…

年季の入った石造の扉がギィイと鈍い音を立てて開いた。

うーんと。

その扉は大分低い。

お爺ちゃんの腰がすごーく曲がっているのでそうでもないように見えるが。

「あれ?爺ちゃんは入らないの?」

「いいからまっすぐ歩くのだぞ。じゃあな。」

爺ちゃんは扉の前で手を振っているだけだ。

入ってしばらく歩いても,景色が変わる様子がない。

光のトンネルー…みたいなのが続いてる。

お、出口。同じような扉をくぐれば、そこは現代風建築の建物の中だった。

『あなたが使えるスキルはありません』

え?

ここって異世界?スキルって日常的に使うなんてないし…

…脳に無理やり話しかけられたのに突っ込むべきだったかな?

だけど…

『あなたが使えるスキルはありません』

此処が異世界であるのかはまだ確定してはないが,

そのような世界であることは間違い無いだろう。

スキルが使えない…

つまり。

せっかくきたのに。

1.無双できない。

2.どころかモンスターに襲われる可能性大あり。

俺,こういう異世界転移もの好きなのに…

わーん!せっかく来れたのにー!!!

「爺ちゃーん!?」

再び扉をくぐるが…

「おお、もう帰ってきたか。どうだ、あっちは楽しいだろう?」

「いやあっちがどうとかじゃなくてさ,スキルがないって…いやそうじゃなくって。

異世界、異世界だよねあそこ!」

「ふむ、スキルがないのか。困ったものだのぅ。それ、これでどうじゃ。」

そういうと爺ちゃんはどこから出したのか鈴付きの杖を振った。

シャラン,シャラン、シャラン。

頭にその響きが反響した。

ーースキル「翻訳」を取得しました。ーー

ーースキル「鑑定」を取得しました。ーー

ーースキル「目利き」を取得しました。ーー

「これで良いだろう。あそこが異世界?その通りじゃ。ちなみに…この扉はお前が此処にきた時からあったのだぞ。それではな。」

すると、強制的に扉の奥に飛ばされた。それで、またあの建築に飛ばされる,がー…

爺ちゃん,またあの杖振ったのにー。

今回は鈴、鳴らなかったな。

さ、満喫するか。

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