185話 兄妹たちの冒険記
「ギョギャギョギョギィィイイ」
「んなもん食らうかっ! お返しだ!」
黒ゴブリンの拳を避けながら雷の剣で斬り付ける。
痺れて倒れた黒ゴブリンの首を撥ね、そのままの勢いで近くにいたトレントに剣を突き刺し、火魔術で内部から燃やし尽くす。
よし、この辺は片付いたな。
他の場所は……
「モォォォオオ……」
少し遠くでは、母さんが地魔術と水魔術で造り出した沼地に嵌ったグリムバッファローを、父さんが剣で始末している所だった。
そのまま別の魔物を母さんが捕らえ、父さんが止めを刺していく。
そう言えば、二人がああやって戦っているのって初めて見たな。
やっぱり夫婦だけあって息ぴったりだ。
その近くではアガーテが黒盾を使ってブラッククローの伸びた爪を弾き返していた。
弾き返された爪はブラッククロー自身に突き刺さり、ブラッククローは予想外の痛みに悲鳴を上げる。
その隙に気配を殺して忍び寄っていたレイチェルが背後から現れ、ブラッククローの爪を氷のナイフで封じていく。
さらに、アガーテの黒鎚による地割れで足を取られ、うつ伏せに倒れた所をアガーテの一撃が襲う。
ブラッククローは頭部を粉砕され、暫く痙攣した後動きを止めた。
すぐさまレイチェルは武器を長杖に持ち替え、変色竜に向け氷の槍を放つ。
更にそこにアガーテが迫る。
よしよし、アガーテは本来の調子を取り戻したみたいだな。
レイチェルのサポートもあるし、特に援護は必要無いだろう。
向こうは……カエデか。
カエデは黒炎の槍を振り回し、周囲のキノコやトレントを燃やし尽くしていく。
まあ、まだ実戦経験が乏しいからな。時折周りがちゃんと見えていなくてトレントの蔓とかキノコの謎の胞子を食らいそうになるけど、そこは村長とゴーシュがしっかり援護しているようだ。
多分、村長としてはこうやってカエデに少しでも実戦経験を積ませてやりたいんだろうな。
そう考えると、あそこに乱入しても邪魔になりそうだな。
「ギョピッ!?」
その時、黒ゴブリンの断末魔が聞こえた。
そっちに視線を向けてみると、数体の黒ゴブリンが自分の影に体を拘束され動けなくなっていた。
あれはサシャの影遊びか。
その近くに、右腕には薄青緑の篭手、左腕には機工弓を携え、黒猫の背に跨るリディの姿があった。
リディの目の前には筒状に変形した水も浮かんでいる。今回ルカはサシャの上に乗っているみたいだな。
リディが機工弓を射ると、ルカが水の筒の水流で『光の矢』の勢いを増す。
『光の矢』は影で拘束された黒ゴブリンを次々と撃ち抜いていく。
うんうん、魔力の加減が上手くなったもんだ。
そこへ、別の方向から黒ゴブリンがリディたちの方へと向かう。
加勢に行こうかと思っていると、黒ゴブリンは何かに足を取られ勢いよくその場にこける。
よく見ると、足に木の根が絡まっているみたいだ。
こけた黒ゴブリンに『光の矢』が撃ち込まれ始末される。
どうやらリディのそばにウィタもいたみたいだ。
全く、下がっていろと言ったのに……
ウィタのことだ。多分俺たちの手伝いがしたかったんだろうな。
まあ、今は俺たちしかいないし、自衛の為にも経験を積ませるのは悪くないだろう。
そうやって周囲を見回してみるも、皆特に問題無く戦えている。
グレンやエリン姉も全く危なげなく魔物を倒しているし、それは他の大人たちも同様だ。
見張りに出ていたグレンの親父さんたちも合流しているし、どこを見ても危ない場所は見当たらない。
あれ? 俺やること無くない?
そんなことを考えていると、遠距離班から魔術が放たれた。
どうやら新手がやって来たみたいだな。
俺は剣を構え、こちらに向かって来る魔物たちに向かって行った。
◇◇◇
それからも、総力戦での魔物の討伐は続いた。
そして、空が徐々に赤く染まってきた頃、周囲の魔物たちの殆どは村の皆の協力により討伐された。
多少の怪我人は出たものの、光魔術での治療によって既に回復している。
今はレイチェルとアガーテ、ウィタ以外のリディの従魔たち、父さんと母さん、村長とカエデとゴーシュが残った魔物を討伐している所だ。
他の大人たちは自分たちの獲物を軽く解体して『亜空間収納』や袋に詰めている。
「ん? あれは」
その時、ライナスの方角から大勢の人たちがこっちに向かって来るのが見えた。
まだ豆粒くらいの大きさだけど、かろうじてサリヴァンさんのローブだけは判別出来た。冒険者たちを引き連れて加勢に来たのかな。
そうすると、ライナスの危機は無事乗り越えられたってことか。
そろそろ頃合いか。
《母さん、村長、町から冒険者たちが加勢に来た。そろそろお願い》
《分かったわ》 《おう!》
俺の『念話』を聞いた母さんと村長は、残った魔物を討伐しながら地魔術で石壁や石柱を発生させていく。
これは既に他の場所にも俺が設置していて、二人はそれに合わせるように上手く地魔術を使い、俺たちの姿を隠していく。
「それじゃリディ、頼む。皆、ほんとにありがとう! また何かあったら俺も手伝うから!」
「んな水くせえことはいいんだよ。ジェット、今度一緒に狩りに行くんだからな!」
「ジェット、またいい素材見付けた時は父さんと母さんにも見せてやってくれよ!」
グレンとエリン姉に頷く。
他の大人たちもそれぞれ俺たちに労いの言葉を掛けてくれて、その後地下空間へと下りていく。
村の皆には今度お礼に酒でも買って持って行こう。
「皆を送って来るね。ウィタ、後で安全を確認したら迎えに行くから、それまではエリン姉の所にいるんだよ?」
リディの言葉にウィタが頷く。
そうして、数回に分けてリディが村の大人たちをエルデリアに送り返した後、転移陣も地下空間もさっさと片付けて証拠隠滅しておく。
黒耀花も既にウィタが回収済みだ。
それから暫く待っていると、息を切らしたサリヴァンさんたちが俺たちの元に辿り着いた。
「はぁ、はぁ、ぜぇ、はぁ……ど、どうやら、加勢は必要無かったみたいだねえ……」
周辺に散らばった夥しい量の魔物の死体を見てサリヴァンさんがそう語る。
「ジェット、そちらは?」
父さんがそう尋ねてくる。
「うん。この先のライナスって町の冒険者ギルドの部長……部長じゃ分からないか。とにかく偉い人でサリヴァンさんって言うんだ。俺たちもとても世話になってる」
「おお! うちの子供たちがお世話になったようで」
「おかげ様で子供たちの元気な顔を見ることが出来ました。ありがとうございます」
そう言って母さんがサリヴァンさんに頭を下げる。
「え、ええ。これはご丁寧にどうも。なあジェット、この状況、俺にも分かるように説明してもらいたいんだけど」
「その説明は儂からさせてもらおう。儂はこの者たちが住むエルデリアと言う村の村長でガナードと言う。よろしく頼む」
そう言って村長は右手を差し出す。
少し困惑しながらも、サリヴァンさんは握手に応じていた。
その後、打ち合わせ通り村長が魔術を使って加勢に来た、とサリヴァンさんに説明した。
サリヴァンさんは引き攣った顔で頷いているだけだ。なんか妙に腰も引けてる気がする……
確かに村長は体が大きいけど、サリヴァンさんならこれくらい慣れてると思うんだけどな。
「こ、この数を十人足らずで殲滅したのかよ……」
「あの美人、ジェットとリディの母親なんだってよ」
「関係者まで化け物揃いか……」
ふと、そんな声が聞こえてきた。
あー……今ここに残っているのは俺たち四人以外だと、父さん、母さん、村長、カエデ、ゴーシュの五人だけだ。
つまり、ここに駆け付けて来た人たちの中では、俺たち九人だけで魔物全部を倒したってことになっている。
サリヴァンさんの腰が引けてるのはそれでか……
そこまで気が回らなかったな。何人かに残ってもらえばよかった。
サリヴァンさんに事情を説明した後は、周辺の貴重な素材になる魔物だけを急いでリディに回収してもらう。
残りの魔物はここまでやって来た冒険者たちが野営しながら処理していくそうだ。
最近日中暑くなってきているからな。放っておいたらどんどん腐ってしまい、ここら一帯がとんでもないことになるだろう。
幸い、黒獣の森の魔物の大群が来たことで周辺の魔物は完全に逃げており、明日くらいまでならそれなりに安全だろうとのこと。
俺たちも明日もう一度様子を見に来る予定だ。
そうして、サリヴァンさんの案内で俺たちはライナスへと向かう。
父さんや母さんたちは身分証の代わりになるものが無いから、本来なら町に入るのにお金が必要になるんだけど……
「ああ、そんなのいらんいらん。町の危機を救ってもらって金を取るなんてこと出来るか」
俺が皆の分を支払おうとしたらサリヴァンさんに止められた。
ライナスの町に入ると、物凄い歓声に出迎えられた。
どうやら住民たちがこの辺りに集まっていたようだ。
すると、馬車が三台こちらに向かって来た。
その中からアルバートさん、フローラさん、オーウェンがそれぞれ降りてくる。
どうやらサリヴァンさんが俺たちを町に案内することを既に報告していたみたいだ。
アルバートさん、フローラさん、オーウェンが順番に皆と握手をしていき、その後はそれぞれの馬車に乗り込んでアガーテの屋敷へ向かうことになった。
俺たちの為にと急いで食事会の準備をしてくれたそうだ。
俺たちモノクロームはオーウェンと、父さんと母さんはフローラさんと、村長とカエデとゴーシュはアルバートさんと馬車に乗り込む。
そして、住民たちの割れんばかりの歓声を受けながら馬車は町中を進む。
「それにしても、凄い歓声だな……」
「当たり前だ。君たちはこの町を救った英雄なんだぞ? この町にとって、まさに勇者ライナスや賢者ギリアムのような存在だ!」
賢者ギリアムの名を聞いて微妙に顔が引き攣る。
落ち着け、俺。
「それと、まだ正式な決定ではないけど、おそらく近々君たちの冒険者ランクの引き上げがあると思う」
「当然だな。むしろ遅いくらいだ。おめでとう、ジェット、リディ、レイチェル」
「アガーテ、勿論アガーテもだよ!」
「なっ!? なんだと!?」
「あわわわわわっ、わ、わたしがBランク……」
レイチェルとアガーテが盛大に焦り始めた。
俺とリディは他人事のように話を聞いていた。
「君たち兄妹は特に動揺はしていないんだな」
「あたしたちは特にランクにこだわりが無いから」
「だよなあ。あ、それじゃ試験を受けなきゃならないのか」
「いや、君たち全員試験は免除だ。今更試験なんてやっても意味が無いからね。ここだけの話、君たちの今までの功績があまりにも規格外過ぎてね。冒険者ギルドの本部でも処理が追い付いていないらしい。そこを父上がせっついた、と言う訳だ」
そんなことになってたのか……
その後もたわいない話を続けていると、馬車はアガーテの屋敷へと到着した。
それぞれの馬車でも色々話をしていたみたいで、村長とアルバートさんは何やらがっちり握手をしているし、父さん母さんとフローラさんはにこやかな表情で何かを話している。
俺たちに合流したカエデとゴーシュは周囲の見たことも無い景色に口が開きっぱなしだ。
そんなこんなで食事会の時間になり、豪勢な料理が大量に運ばれてきた。
最初は委縮していたカエデとゴーシュも次第に慣れてきたようで、エルデリアでは食べたことの無い料理に舌鼓を打っていた。
その後も和やかな雰囲気で食事会は進み、俺たちはそのまま屋敷で宿泊していくこととなる。
ふう、なんとか救援が間に合って良かった。
だけど、これで終わりじゃない。
まだ黒獣の森の魔物の調査や、町の外壁の補修なんかもしなくちゃいけない。
それに、これだけ魔物が溢れて来てたんだ。黒獣の森の防壁もどこか崩れているだろう。その補修もしないといけない。
俺としても黒獣の森の様子は気になってたからな。少し旅立ちの予定を遅らせて手伝っていく予定だ。
さあて、明日からも頑張ろうか。
今日はずっと戦いっぱなしだったこともあり、俺たちはベッドに入るとすぐに眠りに就くのだった。
◇◇◇
黒獣の森の魔物のライナス襲撃から約ひと月後、サリヴァンさんから冒険者ランクの昇格が正式に決まったと呼び出された。
この一ヶ月はなかなか大変だった。
黒獣の森の防壁の修理を手伝ったり、黒獣の森の魔物調査を行ったり……
その結果、黒獣の森は以前と同じ落ち着きを取り戻したことが分かった。
やはり、ブロッブが障壁の魔道具に取り付いていたことが異変の原因だったんだろう。
ライナスを観光後、父さん母さんたちはエルデリアに帰って行った。それと同時に、ウィタを拠点に帰しておいた。
俺たちの仕事を手伝おうかと言ってきたけど、流石にそこまでしてもらうのも悪いから断った。
皆にはエルデリアでの生活もあるし、父さんと母さんにはあのブロッブの様子も見ていてもらいたいからな。
そうそう、あのブロッブはどうにか一命を取りとめたみたいだ。
最近は頻繁に卵が動いているみたいで、近いうちに出て来るんじゃないかと言うことだ。
「ほら、四人とも新しいカードだ。受け取ってくれ」
俺たちはサリヴァンさんから更新された新しいカードを受け取る。
レイチェルとアガーテは感慨深げにカードを眺めていた。
「おめでとう。これでジェットとお嬢は実質の最高ランクに昇りつめたって訳だ。リディとレイチェルの嬢ちゃんもじきに追い付くんだろうねえ」
「あれ? Aの上にSがあるって最初に聞いてたような」
確かメリアさんがそう言っていた筈だ。
「Sランクと言うのは、実質隔離ランクのようなものなのだ」
そうアガーテが俺に教えてくれた。
ん? どう言うことだ?
「元々はAランクが最高ランクだったんだけど……あー、例えばだ。同じCランクでもなり立てと昇格間近じゃ全然実力が違うだろ? その場合は試験を受けさせて昇格させればいいが、最高ランクじゃそうもいかない。それに、どの時代にも規格外の奴ってのが存在するもんだ。そんな奴と同じに扱われたら困る、と普通のAランク冒険者たちが訴えたらしくてな」
あー、理解した。
それでさらに上のランクを新設したのか。
「今は確かSランクは不在だった筈だけど……俺は近いうちに出て来るんじゃないかと思ってる」
そう言ってサリヴァンさんは俺をじっと見る。
え?
いや、そんな隔離ランクとか嫌なんだけど!?
その時、部長室の扉がノックされた。
サリヴァンさんが許可を出すと、部長室に二人の人物が入って来た。
「お待たせしました。カエデさんの冒険者登録が完了しました」
「先生! 皆! ほらほら、これでアタシも皆と同じぼーけんしゃだね」
フランさんとカエデだ。
カエデは嬉しそうにEランクと書かれたカードを俺たちに見せた。
ここひと月でカエデも十五歳になり、正式に俺たちへの同行が決まった。
そこで早速冒険者登録をし、俺たちモノクロームの一員となったのだ。
「たはは。なかなか元気のいいお嬢さんだ。ジェット、これからサイマールを経由してレイチェルの嬢ちゃんの故郷へ向かうんだったな。こっちはもう大丈夫だから行ってこい」
「皆、ちゃんとまたライナスにも帰って来るのよ! いいわね?」
「ああ、分かってる。それじゃ、いってきます!」
「「「「いってきます!」」」」
「ああ、気を付けてな」 「いってらっしゃい!」
そうして、俺たちはライナスを発ち、まずは最初の目的地サイマールへ向け出発した。
◇◇◇
そしてその道中、ライナスから少し離れた街道を歩いている時、
「あ、魔獣発見! こっちでは魔物だったっけ。先生、アタシがやっつけて来るね!」
カエデが槍を構え駆け出す。
「カエデ姉! 一人で行くと危ないよ!」
それをリディと従魔たちが追い掛ける。
「あはは、更に賑やかになりましたね」
「そうだな。それに、ジェットは責任を取らないといけないみたいだしな」
うぐっ、あの時の村長との会話を聞かれていたようだ。
でも、俺が責任を取らなきゃいけないのはカエデだけじゃない訳で……
「あ、あのな、レイチェル、アガーテ……」
「はい、何でしょう?」 「どうかしたか?」
うん。やっぱりはっきり言っておくべきだよな。
女神様にもそう言われてるし……
「そ、そのな、えっと、あれだ」
あああああああ!
上手く言葉が出て来ない!
普段だったら全然そんなこと無いのに!
その時、女神様に夢の中で言われたことを思い出した。
これだ!
「そ、その。二人の面倒も俺が絶対に最後まで見る! だ、だから……二人とも、これからもずっと俺について来い!」
「「……」」
俺の言葉を聞いてレイチェルとアガーテは目を見開いて固まった。
俺は自分の顔がどんどん熱くなっていくのを感じる。
あああああああああああ!?
面倒を見る! とかついて来い! とか、よく考えたらかなり上から目線じゃないか!?
何でもっと気の利いたこと言えないんだよ俺!!
俺が一人悶えていると、レイチェルとアガーテはどんどん頬を紅潮させていき……
「「はい!」」
そう言って、潤んだ瞳を俺に向けて来た。
その二人の顔を見て、俺の心臓はうるさいくらい早鐘を打つ。
「お待たせー! きっちりやっつけて来たよー」
丁度そのタイミングでカエデとリディたちが戻って来たみたいだ。
「あれ? レイチェル姉とアガーテ姉、何かあったの?」
「むぅぅぅ……あやしい」
今リディたちからは俺の顔は見えないからな。
真っ先にレイチェルとアガーテに視線が向かったようだ。
「ふふ、内緒だよ。ほら、急がないと」
「そ、そそそそうだな! さ、さあ! カエデも戻って来たことだし出発しよう!」
そう言って、レイチェルとアガーテは歩き出す。
照れ隠しからか、少し足早になりながら。
「あーやーしーいー!! レイチェル、アガーテ、何があったの!?」
そう言ってカエデが二人を追い掛ける。
そして、リディが俺の隣にやってくる。
「レイチェル姉とアガーテ姉、凄く嬉しそうだったね」
そう言って俺に笑いかける。
どうやら何があったかはリディにはバレバレだったようだ。
「お、おう」
俺はぎこちなくそう返事をするので精一杯だった。
ふと空を見上げる。
この青い空みたいに、俺たちの冒険はどこまでも続いて行くんだろうな。
「よし、置いて行かれる前に俺たちも行くか」
「うん! 皆も行くよー」
「キュゥゥウウ」 「ニャァアアン」
ポヨン、キナコ、ルカ、サシャもそれぞれ駆け出す。
こうして、迷子じゃなくなった俺たち兄妹の二度目の冒険が始まるのだった。
最後までお付き合いいただきありがとうございました!
本話にて『迷子の兄妹の冒険記』を完結とさせていただきます。
右も左も分からないまま執筆、投稿を始め、途中書き続けることが辛くなった時期もありましたが、どうにかここまで書き切ることが出来ました。
それもこの作品を読んで下さっている読者様がいたからこそです。
本当にありがとうございました!
近いうちに次の作品を出せるよう鋭意制作中です。
ここまで読んでいただき、重ね重ねありがとうございます!
また次回作でお会いしましょう。