1/1
プロローグ
「人は辛い時こそ伸びる」
誰かがそう言ったらしい。
たしかにそうなのかもしれないしそうじゃないのかもしれない。
結局物は言いようだといつも感じてしまう。
いつからだろうか人に期待されることを期待し、人に失望されないように生きようとし始めたのは。
自分では自分のやりたいようにしていたつもりがいつしか周りの目ばかり気にするようになっていた。
小学校で野球、中学校で卓球部に入り監督や顧問に言われた言葉が気づいたら素直に受け取れなくなっていた。やっていても楽しくないし、むしろストレスが溜まる。中2の秋から卓球部でありながら部活の大半の時間を他の部活に遊びに行って過ごすようになっていた。
そんな時俺はテレビでハンドボールってものを見た。知ってる人もいるかもしれないが宮崎大輔選手がやってるやつだ。初めて見たのに何故か俺なら出来る気がして高校に入ったらやろうって即決した。
そう、これは高校に入ってハンドボールというマイナースポーツを始めた俺、西川遥雅の話…