第六話 ジ・アウターズゲート 〜 入り口わ探せ 〜
「うおっすっげぇ、なんだこの塔! これが『スカイツリー』ってやつか⁉︎」
マキ一行は件の場所についた。近くまで来ないと実感がわかなかったが、かなり高さのある建造物である。まだ出来てそれほど経過していないせいか、見た目も近未来的で、なおかつ綺麗だ。こんなところで本当に失踪やゲートとやらの出現が起きているのだろうか。
「なぁマキ、上まで登ってみようぜ! どんな眺めなのかワクワクするぜ!」
「おいおい、遊びに来たわけじゃないから行かないぞ。俺たちが用があるのは上じゃなくて下だからな」
高い建造物だと上に行きたくなりがちだが、今回の用事は地下にある。キリカのはやる気持ちもわからなくもないが。
「でも、地下ってどうやったら行けそうですかね。上に行けるルートはエレベーター等いくつかありそうですが、下へは少なそうですね」
たしかにその通りだ。地下に用がある人は少ないだろうし、その分ルートも最小限にしか作られていないであろう。
「とりあえずフロアマップを確認してみようか。ジィさんが言っていた場所は非公式らしいが、情報が何もないよりはいいだろう」
一行はチケットカウンターに向かい、無料配布用のフロアガイドを手にした。中を見るとスカイツリーの見所や各階の概要が書かれている。
「全体マップはと……あった」
どうやらジィさんの言う通り、オフィシャルな地下は三階までのようだ。地下一階は駐車場で、地下三階は地下鉄の駅だ。それよりもっと深く……いったいどこから潜り込むのだろうか。
「もしかしてアレか⁉︎ テレビとかでよくある、地下鉄の線路内に秘密の通路があるとかか⁉︎」
と、キリカ。眼をキラキラと輝かせているのは、冒険心をくすぐられて面白がっているからに違いない。
「うーん、まぁなくはないかもしれないが、どうだろう。普通はその建物内から直接行けるもんだと思うがな」
「ワタシもマキさんに同じです」
とりあえず、目星を付けた場所に実際に行って調査してくるしかないだろう。このスカイツリー内に見つからなければ、キリカの提案通り、地下鉄の線路内をあたることにしよう。線路内は探索範囲が広いし見つかったら面倒だが、スカイツリー内なら安全にくまなく調査出来る。
「線路内は後回しにするが、駅まで行ってみよう。一応、公式では最下層だしな」
「そうですね、一度行って見てみましょうか」
※※※
「こんな人通りが激しいとこにはないだろうな」
着いてすぐにもう結論である。非公式な場所に続くルートなら、もっと人目につかない所にあるだろう。
「おいっ、もう次行くのか⁉︎ 隅々まで調べなくていいのかよ」
「あぁ、たぶんここにはない。あまりにも人目があり過ぎるからな。ほら、地下一階の駐車場に移動するぞ」
一行は次の探索地に向かうのであった。
※※※
地下一階にある駐車場に着いた。そこは意外にもひっそりとしていて、車の往来はあるもののわりと静かであった。
「さて、探してみるとしますかね」
一行は辺りを見回しながら場内を歩いた。侵入口は壁か? 床か? それとも天井か? 候補は複数ある。
「……ん? あれは」
マキは立ち止まった。その目線の先には何の変哲もない壁色と同じ白色の扉があった。しかしなぜだろう、かなり気にしていないと見過ごしてしまう、視界に入ってもなかったことにしてしまう、そんな気を紛らわそうとする力がどういう訳か働いているような気がする。
「マキ、何立ち止まってんだよ。なんかあったのか?」
キリカはマキの視線の先を辿るが、何もないじゃんと言いたげな顔でマキの顔を見返した。どうやらキリカは気がつけなかったようだ。
「え、あ、あれ? あんな所に扉なんてありましたっけ?」
エレンの方は気がついたようだ。姉妹のこの差は何なのであろうか。
「あの扉、怪しいな。なんか気をそらす魔術のようなものがかかってるようだしな」
キリカは「あっ!」と声を漏らした。ようやく扉の存在に気がついたようだ。
「やはりなにか『変わったの』が関わっているようですね。マキさん、気をつけてください」
「おう、忠告ありがとさん。じゃ、早速乗り込むとしますかね」
マキは扉を開けた。するとそこは小さな小部屋になっており、下に続く階段が伸びていた。やはりここから非公式層に降りられるようだ。
「ここで当たりのようですね。この階段、先が見えないですけど、どこまで続いているんですかね」
マキは「さぁな」と呟き、階段を降りて行った。姉妹も後に続く。




