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Laugh Chaos  作者: signal.U
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第六話 ザ・アウターズゲート 〜 依頼と依頼 〜

都内の辺境に佇む怪しい骨董品屋が見えてきた。いつ来てもどこか胡散臭い雰囲気が漂っているのは、きっとすべてジィさんのせいであろう。毎回思うが、こんなところに客が来るのだろうか。


「なんかここに来るのも久しぶりだな。ジィさん、生きてっかな」


思い返せばさっきジィさんからウィスパーボイスが来たから、普通に元気であろう。


「マキさん。それ、失礼です……」


たしかにエレンの言う通りかもしれない。しかし、それは腐れ縁のご愛嬌ということで。


「マキ、あれ見ろ!」


キリカは指差した。


「あ⁉︎ え、う……ウソだろ⁉︎」


なんと『萬マ殿』から人が出て来たのだった。


その客らしき人物は、長い銀髪を垂らした背の高い男で、顔立ちからするに外国人のようで、ヨーロッパ系のスラっとキリっとした整った顔をしている。


なんともこの『萬マ殿』には似つかわしくない人物であった。あろうことか『変』や『怪しげ』というステータスが一つもないのだ。いったいこんな所に何の用なのだろうか。まぁ、わざわざ聞こうとは思わないが。


「珍しいこともあるんだな。あのジっちゃんの店、客が来てんの初めて見たぜ」


「あぁ。珍しいこともあるもんだ」


キリカとマキは感慨にふけった。


「だから二人とも。それ、失礼だからね」


※※※


「ジィさーん、いるかー?」


マキの声は怪しい骨董品屋を駆け巡ったが、一向に返事は返ってこなかった。


「おいっジッちゃんいねぇのかよ! アタシ達来たぜ‼︎」


キリカは大声で叫んだ。なぜかキリカは偉そうな物言いだっだ。実際呼ばれたのはキリカではなく俺なんだがな。それにしても、いつもジィさんは店頭にいないで奥で何をしているのだろうか。そういえば店の奥に入ったことはなかったな。


そんなことを考えていると店の奥から走って来る足音が聞こえてきた。


「おーぅ、おうおう。すまん、待たせたの。よく来てくれた」


「ジッちゃん、久しぶり」


「おじいさん、こんにちわ」


姉妹は笑顔で挨拶をした。


「うむ。二人とも元気しとったかの?」


ジィさんはほころんだ。


「ところでジィさん、話ってなんだよ。また人が気持ち良く昼寝してる時に呼び出しやがって」


早速、要件に入ると共にクレームをつけておいた。昼寝の時は勘弁してほしい。しかし、それを確認する術はないのだから、仕方がないことだとわかってはいるのだが。


「それはすまんかったの。要件というのは、ワシの知り合いがとある所から帰って来なくての。様子を見てきて欲しいんじゃよ」


どうやら失踪者の調査らしい。


「ふーん。で、どこに行けばいいんだ? その報酬は?」


「場所は『スカイツリー』じゃ」


えっ……あの? スカイツリーで失踪とか何の冗談なんだろうか。


「おいおい冗談だろ? 観光に行って迷子になったのか?」


マキは小馬鹿にするように笑いながら言った。ジィさんの知り合いってことは、やはり超高齢のボケ老人なんだろうか。ならば迷子でも仕方ない。しかしそれは警察に言って欲しい。


「違うわい! まだ続きがあるんじゃい‼︎ いいか、心して聞け」


ジィさんは珍しく改まった。


「あの場所にはの、公式には地下三階までなんじゃが、もって奥深くまで非公式に地下が広がっとるんじゃ。そやつはそこに、とある調査に行ったんじゃ。しかし、行ったっきり帰ってこないわ連絡もつかないわで、消息が不明なんじゃ。じゃから誰か使いを送って事の真相を確認せにゃならん。そこで、お主の出番じゃ。もうなんとなく予想はついたじゃろ?」


そういうことね。要は戦闘ありきの捜索願いってわけだ。


「いいけど、報酬は?」


「待て、まだ他にもやって欲しいことがあるんじゃ。それと併せての報酬にしようかと思っての。どちらかというと、これから話すことの方が重要な案件じゃ」


今回は注文が多い。しかも人の命よりも重要な依頼ときた、いったいどんなことだろうか。


「まだ推測の域を出ない話じゃから詳細は抜きにして、恐らくその地下にはゲートのようなものが出来ていると思うんじゃ。お主にはそれを塞いできて欲しいんじゃよ」


「はっ、ナニソレ? そんなこと出来んのかよ」


突拍子もない依頼だ。ゲートを塞ぐ……よくわからないがそんなことできるのだろうか。


「ほれ、これをゲートに投げ入れれば勝手に塞がるから持って行くが良い。ただ投げ入れればいいんじゃ、簡単じゃろ?」


ジィさんに変な白い石を渡された。こんなのでそのゲートとやらが本当に塞がるのだろうか。まぁ、ジィさんがそう言っているのだから、テキトーに投げ入れてくればオーケーだろう。


「あいよ。じゃ、ちゃっちゃと終わらせてくるぜ」


「マキ、先払いで報酬渡しておくでの。ほれ」


分厚い茶封筒を渡された。今回は以前にも増して気前が良い。それほど重要な案件なのかもしれない。


「おう、ありがとよ。二人とも、行くぞー」


姉妹は相変わらず店内の品物を興味津々にあちこち見て回っていた。姉妹はマキの声に「はーい」と返事をしながら戻って来た。


「お前たち頼んだぞ、くれぐれも気をつけてな」


「任せとけって。ジィさんのダチ探すついでにこの変な石、投げ入れてくればいいんだろ? 楽勝だって」


「ラクショーだって」


調子に乗ったキリカがマキに続き、おまけにビッと親指を立てた。


するとエレンは声を押し殺し、姉に意見した。


「お姉ちゃんは何もしないでしょ!」

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