第二話 ただもう一度だけでいいから微笑んでほしかった 〜 黒い悪魔、再び 〜
「コ、コレはイリュージョンなのか⁉︎ オマエはマジシャンなのか⁉︎ アッアッアッ」
低い唸りのような声が返ってきた。
「グッハッハ! マジシャンだと⁉︎ グハハハハ! そうだ、オレはマジシャンかもしれないな。これからオマエをこの世から消し飛ばすイリュージョンを見せてやるぞ!」
眼前からその巨体が消え、私はいつのまにか宙を仰いでいた。……えっ?
正面から攻撃をくらい、そこが割れるように痛い。そう思っていると壁に激突した。どうやら先ほどの攻撃で、今まで吹っ飛んでいたようだ。
「グッハッハ! まだまだこれからよ!」
今度は頂点から伸びた腕を掴まれ、そのまま弧を描くように地面に叩きつけられた。続けざまに飛び蹴りをくらい、数秒の滞空時間を経てボールのように床を転がった。
うぉ、目がクラクラする……。
「再生能力は飛び抜けているが、やはり戦闘力はカスだな、グハハハハハハ! これで終わりにしてやるぞ」
グハグハ笑いながら、両腕を目一杯に広げた。そしてその両手には赤黒い光が集まり、徐々に大きくなっていく。
ん、ん⁉︎ アレをくらってはマズいんじゃないのか。でも私は不死身、また再生すれば良い。あぁそれにしても頭がクラクラする……。
「グハハハ! チャージ完了ってな。オォォォォォ、これで消し飛べ! 《アガレス砲》ッ‼︎」
広げていた両腕を身体の中央で合致させた。すると合わさった手から巨大なエネルギー砲のようなものが放出され、しかも「ブオオ」と重低音を立てて、私目掛けて飛んでくるではないか。
「ぬ、ヌウォォォォォォォォォ!」
私の再生への傲慢は回避という言葉を忘れさせ、そのエネルギー砲を一身に受けてしまうのだった。




