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明王さん、だろ?

美宇、天衣、魁皇とそれぞれ

自分の道や過去に区切りをつけた面々。


そして舞台は再び、ルナティックハウスへ!!

季節はあっという間に過ぎ、今日が五月の中旬にあたる。

今日も今日とて、まっすぐ向かう先はルナティックハウス。


皆さん、こんにちは。忘れられていた水瀬如月です。

主人公が出ない話なんて、存在していいものだろうか。

仮にも私、主人公だぞ! なんだこの扱いの差は!

とまあそんな感じで理不尽な現実にイライラしていた私だが、ここまでで変わったことが一つ。

それはー。


「おはようございま~す」


「お、如月。早いな」


「そういう神宮さんこそ」


「明王さん、だろ?」


意地悪っぽく笑う神宮さんに、私は何も言えなくなる。

変わったこと、それは神宮さんが私のことを呼び捨てで呼んでくれるようになったこと。

とはいってもそれは二人だけの時だけで、仕事の時は名字で呼ぶ。


神宮さんいわく、他の従業員にばれたらめんどくさいことになるからのこと。

これには納得しかできず、今の形に至る。

そのかわりとして、私も神宮さんではなく名前で呼ぶように言われていて……


「ほい、練習」


「え!? 今ですか!?」


「まだあいつらも来てねぇだろ。今日は定休日だから、客も来ないし」


「あき……あき……明王! ……様!」


「だから様づけすんな」


神宮さんがぺしっと私の頭をたたく。

いてっとつぶやくと、彼はため息交じりで言った。


「いい加減様をつけるの、なんとかしろ。アニメのキャラと同じ名前なのは分かるが」


「す、すみません……つい癖で……」


とまあこんな感じで、まったくうまくいってません。

神宮さんの名前は何といっても、あのあきお様と同じ。

私にとっては神同然な人に「様」をつけないわけにはいかず、ついつい神宮さんにも様を付けてしまう。

こんなんで私、大丈夫かなあ。


「おはようございまー……きゃあ!」


挨拶が聞こえたかと思った直後、ドタンと床に転んだ音が響いた。

振り返ると、そこには店のしきりにつまずいたであろう天衣さんがいた。


「あ、天衣さん!大丈夫ですか!?」


「あいたたたた……す、すみません。お騒がせして……」


「天衣~きぃつけぇなあ。いっつもなんもないとこで転ぶんやから、用心せんとあかんで?」


天衣さんの後ろから呆れながら美宇さんがやってくる。

彼女はよっ! と気楽にあいさつした。


「二人きりのとこ、悪いなあ。邪魔したか?」


「え!? そ、そんなことは!」


「余計なことを想像すんな、鈴木。しばくぞ」


「ジョークや、ジョーク。そんな怒らんでぇな、マスター♪」


美宇さんは相変わらずの笑みを浮かべながら、天衣さんを起こしてあげた。


「それにしても、今日はどういったご用件でしょうか? 今日は、定休日でしたよね?」


「決まっとるやん、天衣。定休日に呼び出される理由なんて、あれしかないやろ!」


彼女が異様にもキラキラ輝いているのを見て、私はあっと気付く。

今日は定休日。本来ならば店が閉まるはずの定休日だ。

そんな日にこうして集められる以前、こんなことがあったような気がする。

確かあの時は、店の新作メニュー考案したんだっけ。

でもその前に何かしたはず……


「もしかして、店の掃除ですか?」


「よくわかったな、水瀬。正解だ」


やった、当たった! と喜びたいが素直に受けいれられない。

掃除かあ、いやだなあ。やりたくないなあ。

かといって適当にやったら美宇さんという敵に怒られるんだよなあ。

美宇さんの掃除のこだわりと言ったら、そりゃあ細かいのなんの……


「杉本達は遅くなるらしい。先にできる範囲で終わらせるぞ」


神宮さんがそういうのを、私はこっそりため息をついて聞いていた。


(つづく!)

冒頭にもあるように、前回の答えはずばり如月です。

実は私が書いていた中でも、主人公が全く出てこないというのは

前代未聞の挑戦でもありました。

如月だからこそできたもの、と言いますか・・・

作者にまで主人公扱いされない如月ではありますが

明王さんとは順調なので許してくれる・・・はず笑


次回、天衣ちゃんに異変?

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