LIKEとLOVEの境界線 最終章
違いを探し、迷走し続けた如月
その先に待っているのは
ハッピーエンドか、バッドエンドか
美しく天に輝く明月の皇子! ついに、完結です!
「待たせたな、如月。行くぞ」
優しい彼の声色が、私の心を逆なでる。
シフトが終わり、帰り時間になると明王さんは相変わらずの微笑みを私に向けた。
こうして一緒に帰るのは、なんだか久しぶりな気がする。
ただでさえ病院の勉強もあるのに、ちょくちょく顔を出してくれるのが明王さんのいいところだ。
そのたびにみんなを叱っては、文句の嵐だけど……
「何か、あったのか?」
ふいに声をかけられ、ぱっと顔をあげた。
え? と声をあげると、明王さんが私を横目で見ながら話しだした。
「今日一日元気がないように見えたから。あいつらに何か、言われたのか?」
さ、さすが明王さん。相変わらず鋭い……
しかし、だ。何かあったといわれ明王さんと明王様の違いを見つけてました~なんて言えるわけがないっ!
ここは、適当に話をごまかして……
「適当に話をごまかそうたって無駄だぞ」
! なぜそれを!?
「お前の考えてることくらい、なんとなくわかるっつうの」
エスパーか何かですか……そんなに私ってわかりやすいのかな……
ここまで見透かされて手は仕方ない。ちゃんと言おう。
だって決めたじゃないか。ちゃんと明王さんと向き合おうって。
「実は、あきお様のことを尾上さんに聞かれたんです。キャラとマスターの違いは何か、お前はマスターのどこを好きになったんだと」
「尾上らしいな。んで? お前はなんて答えたんだ?」
「……答え、られませんでした……どんなに探しても、結局はあきお様になっちゃうんです。最低ですよね、私。明王さんのこと、明王様に重ねてみてたなんて」
話せば話すほど、止まらなかった。
次々に出てくる本音を、明王さんはずっと聞いていた。
話していて改めて感じる。
私は神宮明王として、好きになったのではないと。
違いが言えないのも、それはまだ私が彼のことを知らないだけで……
「……なんだ、そんなことか」
私が話し終わると、明王さんはなんだかあきれた様子で私に言った。
思わず耳を疑ってしまいそうな一言だった。
ぽかーんとあいた口がふさがらない。
「お前が俺をアニメキャラと重ねてみてたのくらい、知ってるぞ?」
「そ、そうかもしれませんけどっ。私たち、もうすぐ結婚するわけで……」
「今更気にしてどうすんだよ。それでもかまわねぇから、プロポーズしたんだろうが」
明王さん……
「初めて好きになった時から決めてた。絶対俺のものにする。アニメのキャラを超えるって。どうやら、俺の努力不足だったみたいだな」
「そ、そんなことは……!」
「如月」
名前を呼ばれ、ゆっくり彼の方を見る。
すると明王さんはどこから持ってきたのか、はさみを取り出し自分の髪を……って……
「なななななにやってるんですか!?」
「俺なりのけじめだ」
「せっかくのきれいな髪をっ、こんなにっ」
「だからさ……」
慌てる私の口に、彼の口が重なる。
キスをされたというのが分かったのは、しばらくしてからだった。
甘く、とろけるようなキスときれいな彼の顔が私の頬を赤く染める。
「お前は俺だけ見てればいいんだよ」
「あ、明王さん……」
「杉本にも吉岡にも渡すつもりはねぇ。お前を俺だけのものにしたい。如月、俺と一緒にいてくれないか?」
二回目のプロポーズみたいな感じだった。
明王さんの顔は、心なしか不安そうにも見える。
あ、そうか。
明王さんは、いつだってなにかと戦っていた。
マスターとしての責任感、私を好きになってくれた二人との対決、そして家族を守れなかったいたみ……
それをずっと、私は見てきた。
厳しいのに人一倍努力家で、だれに対しても優しい……
「もう、明王さんったら。いいにきまってるっていったじゃないですか。私は明王さんが、大大大好きなんですから」
明王さんの体に抱き付いた私は、ゆっくりと彼と口づけを交わす。
薬指にはめている指輪が、夕日に照らされよりキレイに輝いていた……
END❤
ものすごく長いお話だったのに、
最後までお付き合いしてくださった皆様
本当に、本当にありがとうございました!!
年内完結が目標だったので、
無事に達成できてよかったです!
ルナティックハウスは、
いつでも皆様をお待ちしております。
完結後も書き下ろしだったりと何らかの形で
彼らと再会できることを、私が保証します
読んでくださった皆様に
感謝と愛をこめて・・・




