表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/45

見ればわかる

合宿最終日! みんなでお祭りにいくことに!

如月と明王がイチャイチャする一方、

もう一つのカップルは・・・?

☆魁皇SIDE☆

「予想はしていたが……まさか本当に着てくるとは……」


勘弁してほしいお言うように、俺は頭に手を当てはあっとため息をついた。

水瀬達同様、俺も祭りに来ていた。もちろん、桜庭に誘われたからである。

目の前にいる桜庭はどこから持ってきたのか、ピンク色のかわいらしい着物を着ている。

ただでさえ可愛いのに着物まで見せられると、こっちはこっちで困るわけで……


「なんかその……すみません……」


「なんで謝るんだよ」


「私はいいと言ったんですが、美宇ちゃんがどうしても着て行けと……変……ですよね……?」


「いや、別に……むしろ似合いすぎんだよ、お前が……」


顔を真っ赤に染める俺と、つられて赤くなる桜庭。

……正直やりにくくてしょうがない。

ちょっと前まではただのバイト仲間だったのに。

付き合ってからというもの、妙に意識してしょうがない。

目を合わせるだけで気まずくなる自分がいる。

桜庭も桜庭で、俺を意識してくれているのが分かる。

だからこそ気まずい空気が避けられない。

何かないかと屋台を見渡し、俺はようやく桜庭に声をかけた。


「お前、ああいうの得意か?」


「? 何の話ですか?」


「ヨーヨー釣り」


俺がいうと、桜庭はきょっとーんとした顔を浮かべる。

我ながら似合わない発言をしたなと、あとから恥ずかしくなる。

思ったとおり、桜庭は俺の発言にくすりと笑った。


「意外ですね。尾上さんがヨーヨー釣りをしたいって言うなんて」


「俺がそういうの好きに見えるか? 頼まれたんだよ、あいつに」


「あいつ? 輝流さんとかですか?」


「輝流はここに来てんだろ。梗華だよ、日本らしい土産たくさんくれってうるさくて」


梗華、とは俺の妹でフランス在住の國立家の令嬢である。

桜庭をパティシエとして雇ったあげく、日本に来ては俺をパシリに使う。

まったく、誰に似たんだか。


「梗華さん、いらしてたんですか? また日本の観光に?」


「いや、兄貴の墓参り」


金を払いヨーヨーを釣ろうとしながら、ぽつりと言う。

ヨーヨーが浮かんでいる水面を見ながら、桜庭が気まずそうな顔を浮かべた。


「す、すみません。聞いちゃいけないこと……でした?」


「別に。いちいち気を遣わなくていいんだぞ」


「え?」


「俺達、一応付き合ってんだし。よし、とれた」


ちょうどタイミングよくヨーヨーが引っ掛かってくれて助かった。

桜庭といると、どうしてもこっぱずかしいことばかり言ってしまう。

マスターみたいにかっこいいと思われたいだけなのに。

そう思う俺は、卑怯なのだろうか。


「……私も一回やっていいですか?」


「? なんでだよ」


「お土産、たくさんほしいと言われたんでしょう? 一個だけじゃ梗華さんもの足りないかと思って」


「……そうか」


ヨーヨーをとる彼女の横顔がとてもきれいに見える。

こいつにはかなわないなと思いながら、水面を眺める。


「……お前さ……無理して彼女らしくならなくてもいいんだからな?」


「へっ……!? どうしてそれを!?」


「勉強会に俺だけを誘ったのが気になってな。そんくらい見ればわかる」


動揺したのか、ヨーヨーをつる糸が切れてしまう。

相変わらずわかりやすい奴だと、タバコに火をつけながらふうっと吐く。

桜庭が無理するのもわかる気がする。

以前「付き合ってる風に見えない」と輝流に言われ、内心焦っていたのも事実だ。

だからって無理してまで彼氏・彼女になるのは気が引けるしな。


「俺は別に、無理して水瀬達に追いつこうとしなくていいと思うけどな」


「……なんだ、バレバレだったんですね」


くすりと笑う桜庭の顔に、思わず赤くなってしまった。


「やっぱり尾上さんにはかないませんね。私、まだまだです」


「お前にとって俺は何なんだよ」


「彼氏です! かっこよくて、頼りになる!」


「……っ……ゲホッ、ゴホッ」


あまりの出来事に思わずむせてしまう。

桜庭が「大丈夫ですか!?」と体をさすってくれる。

それが余計に俺の顔を赤くさせる。


「だ、大丈夫だから、さすらなくていい」


「そ……そうなんですか?」


「そういうセリフを、よくもまあさらっといえるな」


「何言ってるんですか。おあいこ、ですよ」


無邪気に笑う桜庭を、俺は直視できなくなる。

どうしていつもこうなんだろうと、呆れてしまう。

おあいこ……か。

加えていたタバコを地面に埋めながら、さてととつぶやきながら立ち上がった。


「どこにいくんですか?」


「この祭り、花火が上がるらしい。せっかくだし見てかないか?」


「え、そうなんですか!? 賛成です!」


「そうと決まれば、行くぞ。天衣」


初めてつぶやいた彼女の名前を呼びながら、強引に手を引っ張る。

驚いているであろう桜庭の顔を見ることはできない。


「初めて呼んでくれましたねっ」


「嫌味か?」


「いえ? 私は嬉しいですよ、魁皇さんっ♪」


チラ見した彼女の意地悪そうな笑みと、呼んでくれた自分の名前。

やっぱり桜庭にはやはりかなわない。そう思いながら、彼女の手を強くにぎりしめた。


(つづく!)

この二人って、ほんっとお似合いですよね。

うらやましいくらいです。

かいちゃんもかいちゃんで家族思いというか、

そういうギャップがたまらなく好きです。


次回の更新日、さてなんのひでしょーか?

それが分かればおのずと答えは見えてきます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ