見ればわかる
合宿最終日! みんなでお祭りにいくことに!
如月と明王がイチャイチャする一方、
もう一つのカップルは・・・?
☆魁皇SIDE☆
「予想はしていたが……まさか本当に着てくるとは……」
勘弁してほしいお言うように、俺は頭に手を当てはあっとため息をついた。
水瀬達同様、俺も祭りに来ていた。もちろん、桜庭に誘われたからである。
目の前にいる桜庭はどこから持ってきたのか、ピンク色のかわいらしい着物を着ている。
ただでさえ可愛いのに着物まで見せられると、こっちはこっちで困るわけで……
「なんかその……すみません……」
「なんで謝るんだよ」
「私はいいと言ったんですが、美宇ちゃんがどうしても着て行けと……変……ですよね……?」
「いや、別に……むしろ似合いすぎんだよ、お前が……」
顔を真っ赤に染める俺と、つられて赤くなる桜庭。
……正直やりにくくてしょうがない。
ちょっと前まではただのバイト仲間だったのに。
付き合ってからというもの、妙に意識してしょうがない。
目を合わせるだけで気まずくなる自分がいる。
桜庭も桜庭で、俺を意識してくれているのが分かる。
だからこそ気まずい空気が避けられない。
何かないかと屋台を見渡し、俺はようやく桜庭に声をかけた。
「お前、ああいうの得意か?」
「? 何の話ですか?」
「ヨーヨー釣り」
俺がいうと、桜庭はきょっとーんとした顔を浮かべる。
我ながら似合わない発言をしたなと、あとから恥ずかしくなる。
思ったとおり、桜庭は俺の発言にくすりと笑った。
「意外ですね。尾上さんがヨーヨー釣りをしたいって言うなんて」
「俺がそういうの好きに見えるか? 頼まれたんだよ、あいつに」
「あいつ? 輝流さんとかですか?」
「輝流はここに来てんだろ。梗華だよ、日本らしい土産たくさんくれってうるさくて」
梗華、とは俺の妹でフランス在住の國立家の令嬢である。
桜庭をパティシエとして雇ったあげく、日本に来ては俺をパシリに使う。
まったく、誰に似たんだか。
「梗華さん、いらしてたんですか? また日本の観光に?」
「いや、兄貴の墓参り」
金を払いヨーヨーを釣ろうとしながら、ぽつりと言う。
ヨーヨーが浮かんでいる水面を見ながら、桜庭が気まずそうな顔を浮かべた。
「す、すみません。聞いちゃいけないこと……でした?」
「別に。いちいち気を遣わなくていいんだぞ」
「え?」
「俺達、一応付き合ってんだし。よし、とれた」
ちょうどタイミングよくヨーヨーが引っ掛かってくれて助かった。
桜庭といると、どうしてもこっぱずかしいことばかり言ってしまう。
マスターみたいにかっこいいと思われたいだけなのに。
そう思う俺は、卑怯なのだろうか。
「……私も一回やっていいですか?」
「? なんでだよ」
「お土産、たくさんほしいと言われたんでしょう? 一個だけじゃ梗華さんもの足りないかと思って」
「……そうか」
ヨーヨーをとる彼女の横顔がとてもきれいに見える。
こいつにはかなわないなと思いながら、水面を眺める。
「……お前さ……無理して彼女らしくならなくてもいいんだからな?」
「へっ……!? どうしてそれを!?」
「勉強会に俺だけを誘ったのが気になってな。そんくらい見ればわかる」
動揺したのか、ヨーヨーをつる糸が切れてしまう。
相変わらずわかりやすい奴だと、タバコに火をつけながらふうっと吐く。
桜庭が無理するのもわかる気がする。
以前「付き合ってる風に見えない」と輝流に言われ、内心焦っていたのも事実だ。
だからって無理してまで彼氏・彼女になるのは気が引けるしな。
「俺は別に、無理して水瀬達に追いつこうとしなくていいと思うけどな」
「……なんだ、バレバレだったんですね」
くすりと笑う桜庭の顔に、思わず赤くなってしまった。
「やっぱり尾上さんにはかないませんね。私、まだまだです」
「お前にとって俺は何なんだよ」
「彼氏です! かっこよくて、頼りになる!」
「……っ……ゲホッ、ゴホッ」
あまりの出来事に思わずむせてしまう。
桜庭が「大丈夫ですか!?」と体をさすってくれる。
それが余計に俺の顔を赤くさせる。
「だ、大丈夫だから、さすらなくていい」
「そ……そうなんですか?」
「そういうセリフを、よくもまあさらっといえるな」
「何言ってるんですか。おあいこ、ですよ」
無邪気に笑う桜庭を、俺は直視できなくなる。
どうしていつもこうなんだろうと、呆れてしまう。
おあいこ……か。
加えていたタバコを地面に埋めながら、さてととつぶやきながら立ち上がった。
「どこにいくんですか?」
「この祭り、花火が上がるらしい。せっかくだし見てかないか?」
「え、そうなんですか!? 賛成です!」
「そうと決まれば、行くぞ。天衣」
初めてつぶやいた彼女の名前を呼びながら、強引に手を引っ張る。
驚いているであろう桜庭の顔を見ることはできない。
「初めて呼んでくれましたねっ」
「嫌味か?」
「いえ? 私は嬉しいですよ、魁皇さんっ♪」
チラ見した彼女の意地悪そうな笑みと、呼んでくれた自分の名前。
やっぱり桜庭にはやはりかなわない。そう思いながら、彼女の手を強くにぎりしめた。
(つづく!)
この二人って、ほんっとお似合いですよね。
うらやましいくらいです。
かいちゃんもかいちゃんで家族思いというか、
そういうギャップがたまらなく好きです。
次回の更新日、さてなんのひでしょーか?
それが分かればおのずと答えは見えてきます!




