彼女らしくできないかなーって
天衣の別荘という言葉に聞きつけ、
ルナティックハウスメンバーは全員でいくことに!!
「あれが……天衣さんの別荘……?」
向こう岸にある豪華な家を仰ぎ見る。
ルナティックハウスのお盆休みを理由に、私達は電車に揺られること一時間ようやくその場所についた。
天衣さんが連れてきたその別荘は、想像以上のものだった。
桜庭企業社長のお姉さんを持つくらいだから、相当すごいだろうとは思ってたけど……
「はい。少し歩きますが、荷物をおろし次第海で遊べると思います」
「んじゃ、うちらは先に行くで~!」
「よ~~し、ミュウミュウ! どっちが先につくが競争だ~!」
子供みたいにはしゃぐ彼らを呆れるようについていく私達。
ちょうど隣に天衣さんだったものだから、私は話を切り出してみた。
「なんか、すみません。結局全員で行くことになっちゃって」
「いえ。その方が楽しいです」
「じゃあなぜ尾上さんだけに言ったんですか?」
私が言うと、彼女は尾上さんに聞かれたくないのか少し小声で言った。
「私は美宇ちゃん達みたいに積極的じゃないので、付き合ったというもののあまり変わらないんです。だから少しでも、彼女らしくできないかなーって」
言いながら恥ずかしくなったのか、天衣さんは荷物で顔を隠す。
かわいいな、天衣さんは。そんなことを考えていたなんて。
それに比べて尾上さんは……
「桜庭、水瀬。荷物、中に運んでやるよ」
私の心が通じたのか、前を歩いていた尾上さんが振り返った。
「え、そんな……悪いですよ」
「重たい荷物持ちは、男子担当だ。輝流と鈴木みたいに、お前らも遊んできな」
「それはありがたいんですけど、尾上さんはいかないんですか?」
「後で行く。ここに来た目的は遊びじゃねぇしな」
ふうん。ちゃんと女の子扱いはしてくれるんだなあ。ま、天衣さんがいるからだとは思うけど……
「じゃあ行っちゃいましょうか、天衣さん」
「はい!」
そういって私は彼女とともに、走り出した。
「海やああああああああああ! ひゃっほーーーーーーーーーーーい!」
「み、美宇ちゃん! こっちまで水を飛ばさないでください!」
「ええやん。なんならもっとかけたろか~? オレオレ~!」
「きゃああ! やりましたね~!」
海の中、女の子の水着がきらめく。
楽しそうな笑顔がまぶしい。
やっぱり海は最高!
……んなわけはなく。
何故だ、なぜ神宮さんはこんな時まで勉強するんだ!
せっかく泳ぎ教えてもらおうと思ったのに。
輝流さんと尾上さんは二人で対決しているのを見ると、相当泳げるんだろうなあ。
「カナヅチなのに、よく海についてきましたね」
とそこに、嫌味を含んだ声が聞こえる。
振り返るとビーチチェアに寝転がっている斗眞君がいた。
彼は読んでる本から目線を変えずに、平然と私に言う。
「まさか、マスターに泳ぎ教えてもらおうとか考えてたんすか?」
「だ、だってせっかく来たんだし……」
「カナヅチは何やってもカナヅチのままっすよ、あきらめな」
うう……相変わらずのSっぷり……
だが! ここで折れる私ではない!
あの告白以来話せていなかった私にとって、これはチャンス!
庵さんのことも聞きたかったし! よぉし!
「斗眞君のお兄さん、庵さんだったんだね。あんまり似てないように見えたけど」
「よく言われます。性格とかも正反対なんで」
「まさか兄弟とは思わなかった。庵さんはあれからどうしたの?」
「実家に帰りましたよ。しばらくは仕事でこっちにいるみたいで」
仕事って何だろう。どんなのしてるのかな?
聞きたかったけどそれ以上聞くのはさすがに気が引け、やめることにした。
「あの、告白のことなんだけど」
「どうせ断るんでしょ?」
「ご、ごめんなさい……」
「隙を見せたらすぐにでも奪ってやるから、覚悟しろ」
斗眞君の真剣な瞳が、私をまっすぐとらえる。
相変わらずの美しさで、つい見とれてしまう。
「ま、あんたのことだからすぐ心変わりしそうですけどね」
その一言は、いらなかったんだけどなあ。
(つづく!!)
合宿編突入!!
メインはとーちゃんこと、斗眞との二人きりタイムです。
そんなことより天衣ちゃんのいい子っぷりの方が
目立つような気がしますけど
ちなみにですが、この面子運動できない子が
ほとんどいません。
ちょっと天衣ちゃんが苦手なくらいで、
如月が一番の運動音痴・・・無敵すぎる面子ですよね。
次回! まさかのあの人と二人きり!?




