店を頼んだ
長年の片思いにけりをつけるため、
ついに魁皇と天衣にも春が来た!
その裏で、何かが動き出していた……
しとしとと、外から雨が降り注ぐ。
何だか嫌な雨だな。
まだ6月の初めなのにこう雨が降ると、梅雨入りしそうな雰囲気がまる分かりだ。
最近は小説も進んでるし、喫茶店でもいいことだらけなのに……気分のらねぇ……
よし! 小説の展開を考案しながら歩こう!
現在私が書いている小説は、ズバリ! BLものだあああああああ!
……え? いまいち反応に困るって? 念のために言うが投稿用ではないので安心してほしい。
気休め程度にやっているのだが……やめられないのだよ、ふっふっふ。
そして今一番の私のブームが、S系男子だ。
気まぐれで作ったキャラが最近ツボになり、何かと作っては必ず出演している。
特にBL小説のSキャラはお気に入りで、毎日ドキドキしっぱなしだ。
こんなこと言ったら、また神宮さんに叱られそうだなあ。反省反省っと。
「おはようございまーす」
「おっそ~~~~~~~~い! 何をもたもたしてたんや、如月ぃ!」
ひぃぃぃぃ! す、すみませぇぇぇん!
……って、私何か悪いことした?
喫茶店の中に入るなりとんできたのは、美宇さんの怒声だった。
「み、美宇ちゃん。怒りをむやみにぶつけたらだめですよ」
「黙っときぃ、天衣。さあて、説明してもらおうやないの」
ん? 何? 私、何かした?
「にがっちゃん、昨日王様と一緒だった?」
「……え、ええまあ。で、でも輝流さん達も一緒にいたじゃないですか」
「じゃあこいつに聞いてもわからねぇってことだな。怒るとしわが増えるらしいから、ほどほどにしろよ。鈴木」
「余計なお世話や!」
どうやら、分かっていないのは私だけのようだ。
状況が把握できず目をぱちぱちさせていると、輝流さんが言いにくそうに言った。
「実はさ、今日オレ珍しく早く来たんだけど……テーブルにこんな紙があって」
輝流さんから一枚の紙を受け取り、ゆっくり目を通してゆく。
その瞬間、目を疑った。
そこには、神宮さん直筆の字で
『しばらく店を開ける。すまないが、店を頼んだ。詳しい話は吉岡斗眞ってやつから聞いてくれ』
と書いてあって……
「ど、どういうこと、ですか? 店を開けるって……?」
「オレらも理由はよくわかんないんだよ。王様と付き合ってるにがっちゃんなら知ってるかなと思って」
知らなかった、何一つ。
だって昨日も普通にいつも通りに話して、別れて……
またな、如月って微笑んでくれて……
考えてみれば、私は神宮さんの辛さを何もわかってあげようとしなかった。
真咲君の時もそうだ。今回だって、何かあったからこうなってる。
この前辛そうに見えたのはやっぱり気のせいじゃなかった。
一言……一言声をかけてあげられたら……
「さっき電話とかもかけてみたんですけど、繋がらなくて……」
「家まで押しかけようとしたとこに如月が現れたっちゅーことや」
「……私も、行っていいですか?」
私が言うと、みんながみんなえ? と聞き返した。
「家に押しかけに行くなら、私も一緒に行きたいです」
「ちょっと待ってよ、にがっちゃん。家に押しかけるって、本気?」
「マスターにはマスターの考えがあるんだと思う。今はこの吉岡斗眞とかいう奴に会うのが先なんじゃねぇか?」
「でも……!」
「従業員五名、か。ちゃんと全員そろってますね」
とそこに、聞き慣れない声が聞こえた。
パッと振り向くと、そこには見たこともない一人の青年がいた。
かっこよく着こなされた私服と容姿の美しさに、つい見とれてしまう。
「す、すみません。お客様、まだ店は……」
「お構いなく。オレ、客じゃないんで」
え?
「初めまして、ルナティックハウスのみなさん。吉岡斗眞といいます、以後お見知りおきを」
不気味に微笑むその少年を見て、私は何も言えなかった……。
(つづく・・・)
ここからが、第三部の本当の物語です。
幸せは、そう簡単には訪れないってことですかね。
次回、謎の新キャラ登場で大波乱!




