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本編

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メディアミックスセット【ボルシチとキャラメルマキアート】

メディアミックス回を分割して再構成した話です。


参考ゲーム

ドラクエ5

FF7・10・15

バイオハザード

ニーア・オートマタ

ダンガンロンパ

サクラ大戦

刀剣乱舞

逆転裁判

キングダムハーツ

ゼルダの伝説



『ぬわー!?』


 ボスを倒したと思ったら石化させられた。

 しかも石像として売りに出されてしまい、野外で雨風にさらされたまま数年過ごすシュールな展開。


「さすが不幸な主人公ランキングで有名なヨシヒコ。波乱万丈ね」


「……なんだその嫌なランキングは」

「鬱シナリオ好きのゲーマーには必見のランキングよ」

 ランキングの常連だけあってすさまじい人生だ。

 さらわれた母親を探すため幼い頃から父に連れられて過酷な旅をし、その父も目の前で殺され、奴隷として10年すごし、結婚して双子の子供が生まれるものの夫婦そろって石にされ、ようやく再会した母親も目の前で殺されてしまう。

 しかも『トラ食え5』という国民的RPGのシナリオでこれをやるのだからすごい。


「トラ食え5なら『天上物語』もオススメよ」


「スピンオフ漫画か」

 ヨシヒコの双子の子供たちが主人公で、石にされている間の物語らしい。

「巻によって顔が違うな」

「途中で掲載紙が変わったんだって」

 少年誌から少女漫画雑誌になったので画風が変わり(省略されがちだった鼻が描かれている)、恋愛描写もちょっと増えたらしい。

「トラ食え5って映画化もされてたよな?」


「あはは、トラ食え5が映画化なんてするわけないじゃない」


「お、おう……」

 完全に記憶から消し去っている。

 思い出すのも憚られる映画だったのだろう。

「こういうゲーム以外のスピンオフとかサイドストーリーは他にもあるのか?」

「そうね。有名なのは『ウルティマファンタジー』の映画かしら」


「あ、それなら聞いたことあるぞ。会社が傾くぐらい大爆死したやつだろ」


「そっちじゃないわよ! 15の前日譚になるフルCG映画で、こっちは結構出来がいいんだから。アニメもネットで無料公開されてるから要チェックよ」

「……これ、プレイする前に絶対観ておかないといけないやつじゃないか?」

「観てること前提な部分もあるわね。なのにクリアしてから存在を知るプレイヤーが多いのよ」

 観ているか否かで本編の評価が変わってくる。

 映画もアニメもよくできているだけに、周知されてないのが惜しい。

 ウルティマファンタジーなら7の後日談にあたるフルCG映画『アダルトチルドレン』もオススメだ。


「『レジデントデビル』も各シリーズの間に起こった出来事がフルCG映画になってるわよ。6の前日譚的な公式漫画もあるし」


「へえ」

 レジデントデビルはハリウッドの実写映画が有名だが、このCG映画もかなりよくできているらしい。

 ナンバリングしかプレイしたことはないが、ファンならチェックしておくべきだろう。


「ボルシチセットとキャラメルマキアートね」


「あいよ」

 キャラメルマキアートは作中に登場するものだ。

 チョコチップとクリーム入りなので、『それはコーヒーじゃなくてデザートだ』と突っ込まれている。

 ボルシチセットはレジデントデビルとは無関係のゆるいキャンプアニメネタだ(ボルシチセットとキャラメルマキアートを食べるシーンが出てくる)。

「ハイウェイでバイクに乗りながらゾンビ犬と戦うところとか、思いっきり民間人にも被害出てるわよね?」


「細けえことはいいんだよ」


 頭を空っぽにして観るのが正解だ。

 特に映画の2作目と3作目は必見である(1作目とCGドラマはあまり印象に残っていない)。

 1のオマージュ的なゾンビの徘徊する洋館、異様に強い女性大統領や武器商人の華麗なアクション、ゲームでは観れない新旧主人公の共闘、シリーズを代表する生物兵器クリーチャーであるリッパーとティラノの大決戦は思わず笑ってしまう。

 ファンも納得のB級映画クオリティだ。

 漫画は6の前日譚である構成上、ハッピーエンドでは終わらない。

 それぞれのメディアで違った良さがある。


「変わったスピンオフだと『アニー・オートマタ』の舞台劇もあるわね」


「ゲームの舞台?」

「意外と面白いのよ。『サンダンロンパ』もわりとよく出来てたし、『サクラ聖戦』は2.5次元ミュージカルの先駆けで『剣刀乱舞』もこのジャンルの定番、『ウルティマファンタジー10』の歌舞伎も『異世界送り』の再現度すごかったし、『代打逆転サヨナラ裁判』なんて帝国歌劇団で4作も上演されたんだから」

「4作はすごいな」

 帝国歌劇団は『ベルサイユのゆり』ばかりやっていると思いがちだが、実は『新作主義』だ。

 全国ツアーや地方公演以外ではほとんど再演しない。

 4作も上演されたということは、それだけ評判が良かったということだろう。

「メディアミックスだと全部追いかけるのは大変だな」


「ゲームだけなのにストーリーがわからないものよりマシでしょ」


「たとえば?」

「キングダムアーツ」

「あー、ナンバリングだけじゃストーリー把握できないんだよな」

「時系列こんなだし」



キー

BSS

CONとDAYz

コーディネイト

DDS



「……これはひどい」

 2の時点でナンバリングではない作品をプレイしていないと知らないキャラが出てくる。

 そもそも全部プレイしても内容がよく分からない地獄。

「ボスもほとんど同一人物なんだから」

「は?」


「アンカムもゼロムスもマスターも青年もテンプルもみんなビアノートの化身だし、なんなら『真13使徒』として登場するキャラ全員ビアノートの化身よ」


「……わけがわからん」

「しかもこれだけ大暴れしておいて、こいつ自身は『ダークストーカー編』のボスにすぎないから」

「なんで3で完結させなかった」

「そういう作風としかいえないわね」

 そういえばこのゲームのディレクターはウルティマファンタジー7も担当していた。

 7は後日談のアダルトチルドレンや前日譚の『クライマックスコア』が作られ、現在はリメイクが進行中である。


 リメイクは三部作だとされており、完結させるのに何年かかるかわからない。


 畳めなくなるまで風呂敷を広げ続けるタイプのクリエイターだ。

「裏設定だとリンクの伝説もやばいわよ」

「? それこそ単独で完結する作品の代表だろ。ナンバリングもほとんどないから、シリーズのどこからプレイしてもだいたい話がわかる」


「それではこちらをご覧ください」


 どこからともなくリンクシリーズの年表を取り出した。

「……なんだこれ」



※頭に・がついているのがゲームタイトル



天地創造

・スカイフォードソード

聖地封印

ローラル建国

・ふしぎなぼうし

・4つの聖剣

ローラル統一戦争

・刻のオカリナ

※時間の勇者リンクと魔王カノンドロフが戦い、勝利ルートと敗北ルートに分岐する

さらに勝利ルートでも大人時代と子供時代に分岐する(刻のオカリナは大人時代と子供時代を行き来する作品なので、行動によって分岐する)




時間の勇者敗北ルート

封印戦争

・神々のデルタフォース

・夢をみる魚

・ふしぎな木の実

・神々のデルタフォース2

・デルタフォース三銃士

ハイラル荒廃

・リンクの伝説

・リンクの探検




時間の勇者勝利ルート・子供時代

・バジュラの仮面

・トワイライトプリンス




時間の勇者勝利ルート・大人時代

ローラル水没

・風の指揮者

・無限の砂時計

新生ローラル建国

・大地の奇跡




「……なにがどうなってるのかさっぱりわからん。というかリンクは何なんだ?」

「同じ時代のリンク以外は同名の別人よ。一応、子孫か生まれ変わりではあるけどね」

「完全にリンクって名付けるのフラグになってるだろ」

英傑えいけつの名前だからよくあるネーミングなんでしょ」

 魔王を倒すために勇者の子孫を呼んだら100人ぐらい集まったアニメを思い出した。

 たぶん世界中に『英傑になれなかったリンクくん』がたくさんいるのだろう。


「ちなみに魔王カノンは全シリーズ同一人物よ」


「……もう休ませてやれよ」


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