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本編

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忍者ゲームセット【サニーサイドアップとローズマリー】

参考ゲーム

SHINOBI

メタルギアライジング


「ニンジャになりたいデス」


 こいつは何を言ってるんだ。

「これでもやって勉強しなさい」

「さんくす」

 瑞穂が適当に忍者ゲームをみつくろってアリスに渡した。


『SHINOGI』

『オタルギアライジング』


 ……忍者ゲームなのにどちらも現代が舞台だ。

 SHINOGIの敵は忍者や式神と呼ばれるモンスター、そして


「ぬ、戦車タンクが斬れまセン」


「そりゃ生身だからな」

 戦車やヘリまで出てくる。

 装甲が厚くて刀ではまともに斬れない。

「忍者は魂を吸う妖刀を装備してるから、敵を斬ると4秒間攻撃力が上がるわよ」

「オー、ムラサマブレード!」

 1人斬るたびに残り時間が4秒にリセットされるので、敵を切りまくっても残り時間が増えることはない。

 ただし攻撃力は上がり続ける。

 魂を吸って強化すれば戦車でさえ一発で沈んだ。

 そして4秒以内に敵を4人以上斬ると(そのエリアに存在する敵をすべて斬ると)、


『またつまらぬものを斬ってしまった』


 忍者が歌舞伎のような見得みえを切り、バタバタと敵が倒れていく。

「ひゅー!」

 時代劇やアニメでたまにみる光景だ。

 目にも止まらぬ早業で敵を切り、刀を鞘に納めた瞬間、全員が一斉に倒れるアレである。


 背後から攻撃するとダメージが倍になるので、ザコを斬りまくって背後から突けばボスを一撃で倒すのも不可能ではない。


 だが魂を吸う妖刀なので、常に敵を斬り続けていないと魂ゲージが減っていき、ゲージが0になったら主人公の体力が吸われていく。

 3Dアクションゲームなのでステージは一本道ではなく、しかも使い回しが多い。

「うぇあ・いず・ざ・きゃっする?」

「ごーすとれーと」

 似たような風景が続いているため現在地を把握するのが難しく、何も考えずに進んでいると迷ってしまい、魂ゲージが0になって死ぬ。

 落とし穴も随所に設置されており、落ちたら即死。

 おまけにチェックポイントが存在しない。


 死んだらステージの最初からやり直しだ(ボス戦は除く)。


 忍びの道は厳しい。

 ただ自然減少していく魂ゲージと『4秒ルール』があるため、展開は非常にスピーディー。

 ダッシュも独特で、


「ザンゾーだ!」


 ダッシュするとその場に残像が残り、敵は残像を追いかける。

 ありそうでなかったシステムだ。

 連続ダッシュの残像で敵の注意を逸らしつつ、弱い奴から倒して攻撃力を上げ、強敵を一撃で倒すのが基本戦術だろう。

 ボス戦でも基本は変わらない。

 難易度の高いゲームではあるものの、魂ゲージが0にならないようにボス戦ではザコが無限に湧く親切設計。

 ボスとザコの攻撃を避わしつつ、攻撃力を高めてから4秒以内にボスを斬る。

 そして、


「マタつまらぬモノを斬ってシマった!」


 見得を切ってフィニッシュ。

 バッサバッサと軽快に敵を斬り捨てられる、爽快感のある忍者アクションゲームだった。

「『オタルギアライジング』はオタルギアの外伝か……。なんでステルスゲームのオタルギアで忍者アクションなんだ?」

「オタルギア本編にもサイボーグ忍者出てきたでしょ」

「……そういえば紫電しでんが4で再登場した時、サイボーグ忍者になってめちゃくちゃ戦闘力上がってたんだよな」

 ライジングの主人公・紫電は、オタルギアソリッド2の主人公だ。

 少なくとも2の時点ではまだ普通の人間だった。


「ライジングはもともと2と4の間を埋めるシナリオだったのよ。制作の都合でシナリオ変わっちゃったけど」


「へえ」

「れっつぷれい!」

 オタルギアに先入観がないアリスはサイボーグ忍者に何も疑問を抱かず、嬉々としてゲームを起動した。

 こちらもハイスピードアクションである。

「そー」

 一応オタルギアなのでステルス要素はあるようだ。

 相手に気づかれずに接近すれば、一撃で敵を殺せる。

 あくまでアクションゲームなので、ステルス要素は最小限だが。


「ニンジャタイム!」


 『電力ゲージ』を消費すると周囲がスローモーションになる。

 あるいはサイボーグ忍者の動きが加速したと表現するべきか。

 ようするに『加速装置』だ。

 ゲージがある限り一方的に敵を斬り続けることができる。


 しかも部位欠損もあり、敵に一定以上のダメージを与えるとニンジャタイム発動時に特定の部位を切断できる。


 ニンジャタイムでの切断にはいくつかの種類があった。

 1つは純粋に敵にダメージを与え、特定部位を使用不能にする部位切断。

 2つ目は経験値を稼いだり、電力や体力を回復する特定部位切断。

 どうやら敵のサイボーグは腕に戦闘記録を保存したメモリーチップがあるらしく、チップのある場所を切断すると通常より多くの経験値を獲得できる(経験値で新しい技を覚えたり、体力をアップさせたりできる)。

 そして心臓部を切断すると、サイボーグの動力源であるバッテリーを体内から引きずり出し、体力と電力ゲージを完全回復できる。


 体力回復のことを考えると、まず強敵を倒してからザコを切断して回復したほうがいいのかもしれない。


 ザコで体力を回復しながらボスを倒すという展開もある。

 3つ目の切断は敵の飛び道具の撃墜。

 ボスが放り投げてくるコンテナや車を切断し、時にミサイルでさえ一刀両断。


「マタつまらぬモノを斬ってシマった!」


 ……もはやサイボーグのレベルではない。

 ステージ制のアクションゲームなのでボリュームも少なめだ。

 半日もあればクリアできるだろう。


『上院議員舐めるんじゃねえ!』


「がっでむ!?」

 ……ただラスボスの上院議員が素手でサイボーグを殴り殺すような化物スポーツマンなので、アクションが苦手だと半日では終わらないかもしれない。


「目玉焼き食べたい」


「4のネタだな」

「サニーサイドアップ!」

 オタルギア4では各章の始まりに、サニーというキャラが自分の名前にちなんで目玉焼き、すなわちサニーサイドアップを作る。

 不器用でどうしてもうまく作れないのが印象的だ。

 ライジングの初期シナリオは、このサニーを救出しにいくものだったらしい。


 ファンとしては初期シナリオでライジング2を作ってほしいものの、紫電がサイボーグ忍者に改造されたのはサニー救出後という設定だ。


 初期シナリオだと現在の戦闘システムは使えない。

 初期シナリオが没になったのも、紫電がサイボーグ忍者ではなかったからだろうか?

 ……まあ、オタルギアシリーズの監督が会社から追い出されたので、ライジングどころかオタルギアシリーズの続編事体が絶望的なのだが。

「目玉焼きだけだと足りないからトーストもね」

「自分で焼け」

「はーい」

 たぶん『天空の城ラピュータ』ネタだ。

 ただの目玉焼きをトーストにのせただけなのに、不思議と美味しそうに見えるのが名作たる由縁だろう。

 さすがにラピュータのように目玉焼きとトーストだけでは物足りないので、ベーコンも焼いておく。

 お茶はローズマリー。


 紫電の恋人ローズマリーの名前にちなんだハーブティーである。


 ……休日の朝食のようなメニューだ。

「目玉焼きちょうだい」

「自分のを食え」

「半分こするのがだいご味なの」


 そういえばラピュータでも目玉焼きを半分にしてヒロインと分け合い、トーストにのせて食べていた。


 これだからオタクは面倒くさい。

「ほれ、もってけ」

「やった!」

 目玉焼きを綺麗に半分に分け、トーストにのせる。

 しかし、


ボトッ


「あ」

 すべり落ちた。

 そして何事もなかったかのように拾い、トーストの上にのせる。


「4秒以内ならセーフ」


「アウトだよ」


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