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【コミカライズ掲載中】電気代払えませんが非電源(アナログ)ゲームカフェなので問題ありません  作者: 東方不敗@ボードゲーム発売中
本編

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東方Projectセット【桜餅とナチュラルコーヒー】

参考ゲーム

東方花映塚


上海アリス幻樂団「東方プロジェクト」 F0004-4


『東方花映塚をインストール中です。終了まで結構時間かかりますので、その間に桜餅でもどうぞ』


「これは面白いのか?」

「今までのシリーズとは毛色が違うわね。これ、対戦できるやつだから」

「2Dのシューティングでどうやって対戦するんだ? 真正面から撃ち合うのか?」


「パズルゲームみたいな感じ」


 半信半疑で花映塚を起動してみる。

 パズルゲームのように画面が左右に分割されていた。

 左がプレイヤー、右がボスだ。

 文花帖と同じでボス戦オンリーらしい。

 ただしザコキャラはたくさん出てくる。


 ボスは同じ画面にいないので直接攻撃することはできない。


 それと体力制だ。

 体力が5あるので一発当たっても即死はしない。

 残機もあるのでかなり頑丈だ。

 難易度は低めだろう。

「……ルールがよくわからん」


『人生の勝利者』


 わからないのに勝っている(ちなみに負けると『負け犬』と表示される)。

 ……この感じ、たしかにパズルゲームで感じたことがあった。


 生き延びることに必死で相手の状況を見る余裕がなく、気付いたら相手が死んでいる。


 自分がどういう風に相手を倒したのかもよくわからない。

「……なんで勝ったんだ?」

「ザコを倒したり弾を消すと相手の画面に弾が飛ぶのよ」

「弾ってボムでしか消せないだろ。ボム使ってないぞ」


「ザコを撃つと爆発するでしょ。この爆発に巻き込めば弾も連鎖的に消えるのよ。でも消えるのは弱い弾だけだから注意ね」


「連鎖を繋げればいいんだな」

「そうそう。あ、ショットは連射しちゃダメよ。無駄に連射すると連鎖コンボが途切れちゃうから。一発必中ね」

「ザコは先頭の一匹だけ撃てばいいのか」

 シューティングゲームの伝統として、ザコはだいたい縦隊を組んでやってくる。

 このゲームのザコは撃つと爆発するので、最初の1体を倒せばその列は連鎖的に爆発する。

 連鎖を繋げるには画面に出現した直後に撃ってはいけない。


 別の列が画面にいる時や、消せる弾がたくさんある時、状況に応じて撃ちわける必要がある。


「このふわふわしたやつはなんだ?」

「それは幽霊。硬くて簡単に倒せないのに爆発もしない厄介なやつよ。でも低速移動の時、自機の周囲に結界みたいなやつが出るでしょ? 幽霊がこのフィールドに接触すると、耐久力が落ちて爆発するようになるのよ」

「……これを連鎖に組み込むのは難しいな」

 フィールドに幽霊が接触すると、幽霊は逆流(画面上へ向かってゆっくり動く)する。

 幽霊を列や弾幕の間に割り込ませれば連鎖を繋げられそうな気がするものの、そんな計算をする余裕はない。

 しかも逆流している幽霊は一定時間経つと爆発して弾をばらまく。

 低速移動状態だと自動的にフィールドが発生してしまうのも厄介だ。

 使い方を間違えると自爆してしまう。


「ボムはゲージ制ね。敵を倒したり弾を消すとボムゲージが溜まって、最大ゲージは4」


 ショットボタンを押しっぱなしにするとチャージされ、チャージしたゲージの数だけ強力なボムを発射できるようだ。

「でもボムボタンを押すとチャージしなくてもボムるぞ?」

「それは『クイックボム』。チャージせずに発動できるから、いざという時には便利なんだけど……。ゲージが0になるからクイックは発動しないほうがいいわよ」

「わかった」

 クイックは封印してボムる。

 基本はチャージ2のようだ。

 これで弾幕を消しつつ、相手に弾を送り込んで攻撃。

 ボムは使えば使うほどレベルが上がり、相手にダメージを与えやすくなる。


「じゃあ対戦の前に桜餅ね」


「あいよ」

 桜餅は関西と関東で製法が違う。

 今回は関西風の『道明寺どうみょうじ』。

 小麦粉ではなく道明寺粉で作る桜餅だ。

 粉といってももち米を2~3個に割ったもので、米の原型がわりと残っている。


「んー、桜のいい香り」


「それは葉っぱだな。塩漬けにするとヴァニラっぽい香りになる」

「へー」

 飲み物はパナマやコスタリカのようなナチュラルコーヒーがオススメだ。

 コーヒーチェリーをそのまま乾燥させるとフルーティーになる。

 桜の葉ごと道明寺を食べ、ナチュラルコーヒーを飲むとうまい感じに調和するのだ。


「普通に戦うと勝負にならないから、私が使うボムはチャージ1だけね」


「OK」

 チャージ1のボムは通常ショットよりちょっと威力が高いくらいで、弾も消せない。

 実力差を考えれば妥当なハンデだろう。

 ……と思いきや、

「断命剣!」

「な!?」

 瑞穂のキャラ『妖夢』が剣を振ると、弾が消えた。


「ふっふっふ、楼観剣ろうかんけんに斬れぬものなどあんまりないのよ」


「ふざけんな!」

 その後もチャージ1で弾を次々と消していく。

 どうやら剣なので射程が短く、チャージ時間も若干長めな代わりに弾を消せるらしい。

 こうなったら本気で行くしかない。

「食らえ!」

 ザコをぷちぷち倒し、ゲージを溜めてチャージ4ボムを発動。

「甘い」

「げ!?」

 チャージ4の猛攻を泳ぐようにすいすい避わす。

 しかも、


スッ


「すり抜けた!?」

「ふふん。チャージ1を撃つと一瞬だけ無敵時間が発生するのよ。その無敵時間を利用して、高速移動で弾幕をすり抜けるの」

「なんのためのハンデだ!」

「このためのハンデよ!」

 いくらチャージ4をかましてもかいくぐられてしまう。

 瑞穂は破壊力のあるボムを撃てないので、俺はチャージ2を使って弾を確実に消せばそこまで危ない展開にはならないはずなのだが……。


「リリーきた!」


「ぐ!」

 対戦が長引くと永久パターン防止キャラの『リリー・ホワイト』が現れ、弾幕をばらまいた。

 永久パターンとは、たとえば『ボスを倒さずにひたすらザコや弾を消し続けてスコアを稼ぐこと(ボス戦では画面がスクロールしないので、永遠にその場で稼ぎ続けることができる)』である。

 ハイスコアを競うシューティングゲームでは永久パターンを防ぐため、永久パターン防止キャラが仕込まれていることが多い。

 リリー・ホワイトもその一人である。

 ただこのリリー・ホワイト、永久パターン防止キャラにしては珍しく撃破することができ、


「EXアタック!」


 撃破すると敵へ弾幕を送り込める。

 しかも倒しても復活する。

 リリー・ホワイトやEXアタック、連鎖による弾幕があるため、強力なボムを使えなくてもこちらを攻撃する武器には事欠かない。

 その結果、


『負け犬』


「うぃなー!」

「くそっ! もう一回だ!」

「何度やっても同じよ」

 どれだけボムを駆使しても勝つことができず、悔しさに歯噛みしながら対戦を繰り返す永久パターン。


 残念ながら、うちの店には永久パターン防止キャラ『客』は実装されていないらしい。


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