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本編

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エアリアルゲームセット【ラムレーズンと鉄観音】

参考ゲーム

GravityDaze

「シューティングとかコンボ以外で空中アクションが面白いゲームってあんまりないよな」


「そうね、『GravityDays』ぐらいかしら?」


 スチームパンク的な世界観のアクションだ。

 主人公は重力を操作して空に『落ちる』。

 Rボタンを押すと主人公は無重力状態になって宙に浮き、もう一度Rを押すと正面(画面中央にロックオンサイトのようなものがある)へ落ちていく。

 落下中にもう一度Rを押せばまた無重力状態になって浮く(止まる)。

 壁に着地すればカメラが回転して壁が下になり、地面と同じように壁を歩くことができる。


 もちろん重力ゲージがあるので永遠に浮き続けたり、壁を歩き続けることはできないが……。


 重力ゲージは時間経過ですぐに回復するし、地面へ落ちても落下ダメージはない。

 落下の衝撃で硬直する時間が長いぐらいだ。

「……上手く飛べん」

「こればっかりは慣れね」

 無重力にしてカメラを操作し、行きたい方向へ落ちることにより空を飛ぶ。

 カメラも360度動くため、自分がいまどこを向いているのかわからない。

 敵のいる位置を矢印で教えてくれるので、わからないなりに動くことはできる。

 ……矢印を追ってカメラを操作すると余計混乱してしまうが。


 一応、髪の毛やマフラーが垂れている方向が正しい重力だとわかるようにはなっているものの、どうしてもカメラを戻して体勢を整えるのに手間取ってしまう。


 繊細な操作も難しい。

 なかなか目当ての場所に着地できない。

 特に小さな建物の屋上。

 建物よりも高く飛び、屋上を見下ろしてロックオンサイトを合わせれば楽だが、わざわざそんなことをするのは面倒くさい。



   ○

  /

 /


※高く飛べば屋上へ照準を合わせやすい



 だいたいキャラが屋上を通過する瞬間に無重力状態にして止まるか、無重力を解除して屋上に着地する。

 感覚は違うがゴルフのようだ。

 ピンポイントで着地できるとうれしい。

 ちなみに攻撃だけは例外で、ロックオンサイトで敵をとらえて飛び蹴りをすればある程度追尾してくれる(途中で敵がロックオンサイトから外れると飛び蹴りも外れる)。


 『重力グラブ』も貴重な攻撃方法だ。


 これを発動させれば自分だけでなく周囲のオブジェクト(タルやドラム缶など)を宙に浮かせ、投げることができる。

 グラブのレベルを上げれば一度に浮かすことのできるオブジェクトの数も増えていく。

 キックで連続攻撃できる地上と違って飛び蹴りは連続で当てにくく、敵が多いと360度対応しないといけない。

 グラブならオブジェクトの数だけ連続攻撃ができるのだ。

 欠点はオブジェクトを探すのが少し面倒くさいということだろうか。

 オブジェクトのある場所は覚えておいたほうがよさそうだ。

 ゲームとしての難易度はそんなに高くない。


 主な攻撃方法がキックとグラブの2つしかないので戦闘のパターンが限られているからだ。


 地上にいる敵が多ければ空中から飛び蹴り。

 空中にいれば攻撃を食らいにくい。

 空を飛んでいる敵は攻撃を当てにくいのでグラブ中心。

 ただし時間制限がある場合や、数が多い場合はオブジェクトを探すのが面倒なので飛んで戦うしかない。

 360度から攻撃されるのは危険を伴う。

 なので飛び道具を使ってくる敵を最初に潰す。


 危ないと思ったら飛び蹴りだ。


 落下よりも移動速度が速いので緊急回避に使える。

 それとゲージがなくなるたびに地上へ降りて回復するのはわずらわしいので、重力ゲージが減ってきたら無重力状態を解除して自由落下。

 落ちながら重力ゲージを回復させつつ、敵の攻撃を避わす。

 重力ゲージが回復したら再び無重力モード発動。


 この空中での立ち回りが他のゲームにはない操作感で気持ちいい。


 追跡・レース系のクエストも疾走感にあふれていた。

 壁や天井のような変わった場所にチェックポイントがある。

 ひどいものになると空を飛ぶ船の上にチェックポイントがあった。

 一応ポイントに近い場所を飛べばチェックされるものの、狙ってやるのは難しい。

 ただポイントへの道は比較的直線的だ。

 いかに素早くポイントを見つけ、正確に通過できるかがカギになる。

 自分よりも足の速い相手を倒すのも一筋縄ではいかない。

 追いかけるだけでも難しいのに、グラブでオブジェクトを投げないと体力ゲージを削るのも困難。

 基本的に大きいオブジェクトほどダメージも大きいが数も少ない。

 中くらいのものは実際に投げてみないとわからない。


 どれが何ダメージなのか把握するのが最優先だ。


 あとはコントロール。

 だいたいのオブジェクトは途中で何かにぶつかると壊れる。

 壁を跳ね返るオブジェクトもあるが、反射させてぶつけるのは現実的ではない。

 遠くから投げるか、近づいて投げるか。

 オブジェクトの数には限りがあるので悩ましい。


「くそ、どうやっても勝てん!」


「一旦休憩したら?」

「そうだな」

 集中力も切れてきたので一服することにする。


「ラムレーズンうめぇ」


 今日はラムレーズンアイスだ。

 アイスならいつもはコーヒーだが、中国茶の鉄観音もいい。

 熱いお茶とアイスが口の中で溶け合い、ミルクティーのようになる。

 ドライフルーツと相性がいいお茶なので、ラムレーズンでも間違いはない。

 ヴァニラアイスの甘みにレーズンの酸味、ラムの大人びた香りが鉄観音と混ざり合い、なんとも贅沢な味わいだ。


「ライダーキック!」


 先におやつを食い終わった瑞穂がさっそうと空を飛ぶ。

 移動は飛び蹴り中心だ。


 落下だと壁や天井に触ると着地してしまい、タイムロスになるらしい。


 飛び蹴りなら壁に触っても弾かれる(着地しないのですぐ次の行動に移れる)し、

「最後のガラスをぶちやぶれ!」

 多少の障害物なら強引に突破できる。

 飛び蹴りは無重力状態を解除してもスピードが落ちにくい。

 重力ゲージ節約のため、無重力状態を解除して蹴りの慣性で前に飛びつつ自由落下。

 着地前に一瞬だけ無重力状態にすれば、落下時の衝撃が吸収されて硬直時間もなくなる。

 これまでつちかってきたテクニックの集大成だ。

「オブジェクトはどうやって当てるんだ?」


「地に足つけて投げればいいじゃない」


「あ」

 盲点だった。

 グラブを発動させると自分の体も浮くのでつい空中で投げがちだが……。

 グラブを発動したらすぐ地面に降りて、歩いて狙いを定めたほうがいい。

 無重力状態を解除してもグラブは解除されない(グラブで浮遊させたオブジェクトは浮いたまま)。

 空中を移動するより足で移動したほうが小回りが利く。

 投げやすい場所へ素早く走って移動し、それでも角度的に当てるのが難しい場合は空を飛ぶ。

 あるいは、


「ここでタックル」


「なっ!?」

 まさかの体当たり。

 主人公はかなりのスピードで空を飛んでいる。

 投げなくてもオブジェクトが当たればダメージを与えられるのだ。

 グラブの場合は一個一個投げなければいけないが(敵に当てたら吹き飛ぶので連続でオブジェクトを当てるのは難しい)、体当たりなら複数のオブジェクトを一度にぶつけることができる。


「当たって砕けろ!」


「……どっちがボスなのかわからんな」

 飛び蹴りで障害物を破壊しながら標的を追いかけ、大量のオブジェクトごと体当たりを仕掛けて押しつぶす姿はまさに悪役そのものだった。


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