表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

04-絡まれました

続きをかけなかったので

改稿しました。一気に短くなり、

物語そのものが変更されてます。

「悔いても遅いし、しかしこれがギルドカードか」


にやにやが止まらない。夢にまで見た世界、夢にまで見たギルドに来たのだ。これで気分が落ち込んでいたらそれは俺じゃない。


ギルドカードを見てみると記入した項目以外にランクというものがあった。



─冒険者専用ギルドカード─

ユメナシ(夢無)ツカサ()21歳

・魔法使い・Fランク


そういえばランクの説明を受けていなかったよな。今から聞き直すのも気まずいが、大体分かるよ。ここから依頼をこなしてE・Dとあげていけば良いのだろう。ちなみに俺はまだ若いから大丈夫だ、問題ない。


このギルドカードを無くさないように、でも仕舞うところがないので仕方なくズボンのポケットにいれた。依頼内容が書かれた紙は掲示板に貼っているらしく、人だかりの多い場所へ向かうと必然とFランクのボードにたどり着いた。


「兄ちゃんよそもンだろ?」

「・・・そうですよ。ところで」


妙なアクセントのある言葉遣いで話しかけてきたのは、体の大きな戦士だった。盾を専門としているわけではない、しかし接近戦と防御のバランスを兼ね備えて見える装備から戦士であると考えた。武骨な体格から俺と同じランクの人ではない。一つか、二つくらいは上ではないだろうか。


そんな人がわざわざ下位ランクの俺に何の用だろうか。そして変なところで俺が言葉を区切ったのは先輩冒険者の顔を見るためだ。まるで警戒してない表情は、情報の宝だ。


情報の宝だ。なんて自慢げに言ってるけど、これはあれだから、コミュニケーション不足の末になんとか場を持たせようと頑張った結果の奴だから。そんな俺から見て、どこか覚えのある見下して嫌なことを考えているような笑い顔をしている戦士はFランクのボードを見ようとしている俺の前に遮るようにして立ったのだ。


「掲示板が見れないので、退いてもらえませんか?」

「まあ落ち着け、さっきの話を聞いていたところ兄ちゃんは魔法使いだって言うじゃねえか。なら俺のパーティーに入らねえか?」

「今はまだ誰かと行動を共にする気分じゃないので、すみませんが他の人をあたってください」

「そんな連れないことを言うなって、俺達は同じ冒険者だ。助け合って行かなきゃならねえ、はじめてのことで戸惑っているだろ?な?」


こんな新人を下手に出ながら勧誘する理由がわからない。


「ちなみに俺のパーティーにも魔法使いはいるぞ。その先輩に勉強をさせてもらうって言う意味でも、どうだ?」

「他の魔法使い・・・。どんな魔法を使いますか?」

「興味を持ってくれたみたいだな。中級までの火属性魔法を使える優秀なやつだ」


よく分からないが、試しに言ってみることにした。仮の立場的には俺の方が現時点では上みたいだし、この人馬鹿っぽいし。


「中級まで使えるのですか!?す、すごいですね!」

「だろ?魔法使いなら中級で優秀な部類に入る、そんな先輩から魔法を学びたいなら俺のパーティーに入るべきだ!」


思い出したわ。イルナが言っていたな、魔法使いは貴族様に多いって、なるほど、新人のうちに優しい人として接しておこうって魂胆だな。


「話しはそれだけですか?なら早く退いてください」

「は?」

「中級魔法を使える先輩にも、貴方にも興味がありません。それよりも依頼を受けてみたいので、退いてください」

「はああ?!こっちが下手に優しくしてやれば、つけあがりやがって!てめえみたいなお坊ちゃン魔法使いでも役にたてる方法を教えてやろうと思ったのによ」

「誰がそんなことを頼みましたか!頼んでません!おっさんに一言だけ言っておくけどなぁ?俺は魔法使いだが、貴族様じゃねえからな?!勝手に勘違いして下手に話しかけてくるやつを信用できるわけねえだろうが!」


こちらが貴族でないと分かった途端の戦士の顔はまるで、性格が変わったように笑い出した。


「ああ、そうだったのか。ふはっ、あははは!」

「おっさんどうした?勘違いをしすぎて頭がおかしくなったか?」

「一般の魔法使いだったか!そんなやつに俺は下手に出てたとはな、新人を教育するのも先輩の務めだろ?だから話しかけたのさ」

「教育も頼んだ覚えないから、どいて」


俺は早く依頼を受けたい。

そして、魔法を使いたい。

だから、早く退いてください。


「お前みたいな貴族でもない魔法使いが冒険者になって、ランクを上げるまでに生き残るソロの確率は二割。そして誰かとパーティーを組んで生き残る確率は八割。つまり、俺達と組んだ方が良い。これでも組まないつもりか?」

「ありがとうございます。俄然燃えてきましたので、一人でいきます」

「変わったやつだな。そういうとこが気に入ったぜ。俺はバルディ。このパルマの街を根城にしてるから、気が向いたら声をかけな。話くらいは聞いてやろう」


なんか拍子抜けしてしまうような返しだ。

これ以上もめてしまっても余計に時間を食うだけだからな。

“バルディ”か覚えておこう。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ