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とある世界のとある国、とある地域に少年は生まれた。



いや、『生まれた』と称するのは少しばかり誤りがあるのだろう。自分を産んだ両親も、血の繋がった家族も、親類に当たる者さえもいない少年にとって、その世界はあまりにも味気なさ過ぎた。



血に繋がらない祖父に拾われた少年は、いつしか自分は少し周りとは違っているのだということに気付いた。



それは気付こうと思おうが気付きまいと思おうが、そのどちらの考えを持っていたとしても必然として感じてしまうことだった。



無理もない。



少年にとっての『遊び』は、その周りの人間にとっての『災厄』であり『最悪』であったから。




ただ親しい者が欲しかっただけなのに、周りはさも気味悪げに離れていった。



ただ同じ歳の子供と遊ぼうとしただけなのに、石を投げつけられた。



ただ自分を理解してもらおうとしただけなのに、幼い少年は誰からも理解されなかった。




しかし少年はそれを哀としなかった。むしろ、『こういったことをする自分こそが間違っている』、と。



『自分のせいでみんなは楽しく遊べないのだと』、そう悟った。




そういった考えに至った理由として、少年が周囲の子供達よりもずば抜けて感性が育っていた、ということも挙げられるのだが、本質はそうではなかった。




少年は優し過ぎたのだ。



自分の成すことが周りにとって迷惑であるのならすぐさま行動を止め。



周りが自分から離れることに対し『周囲への反感』を持たず、『自らへの戒め』を持ち。



最終的には自分がこの『世界』にいる限り、自分は『そこにそうやって存在いるだけで恐れられる者』なのだと、少年は『自分』を棄てた。




幼くして悟った自らの境遇を否定してくれた者など、既にもういない。



もし。


もしも、だ。



この普通に生きたかった異常な少年が、自らを受け入れてくれる『居場所』を見つけることができていたのなら。



しかし、少年はそんなことは一切考えなかった。



『守るべき者』(にんげん)と共存することなど、考えることができなかった。





故に、この物語の主点は『そこ』なのだろう。




かつて出逢った少女いばしょが、自らを投げ打ってまで変えた『未来』(みち)を、少年はゆっくりと歩みだした。



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