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わたしの話
こうやって思い返してみると、こうなる直前の私は幸せだった。
初めての恋。
チョコレートは直接渡せなかったけど、それでも誰かにプレゼントをしたなんて初めてだった。
なのになんでこんなことになったのだろう。
はぁ、と
ついたため息は私自身と同様無の存在で、
座っていたベンチから私が落ちた場所を見る。
これからどうすればいいのだろう。
死んでしまった身であるにも関わらず、こうして意識を持っているのには、
幽霊と言われる、逝き遅れた身になっているのには、
きっと意味があるのだろう。
そうだ
最後に目があったあの人に
唯一愛したあの人に
わたしを好きになってもらわなきゃいけないんだ。
呪文の効果を信ずれば