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呪文  作者: 田辺 涼
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ぼくの話

「あっという間に警察も来なくなっちゃったなー。つまんねぇ」


早川が不貞腐れたように肘をついた。


「お前まだそんな話しているのかよ。田端って奴に興味でもあったわけ?」


からかうように言えば、苛立たしげに頭を抑える。


「ちげーし。知らねー子だし。ただあの時落ちた死体見にいって。目ぇあっちゃったからさー」


まあいいか、と早川は早々に話題に飽きて、グラビアアイドルが載った雑誌を広げ始めた。


「なあ、こんなかだったら誰が一番好き?」


どんな噂も事件も、あっという間に流れて溶けて、消えてゆく。

それでいい。


こうしてあの女、田端はみんなに忘れられていくのだ。


僕の罪を誰も知らぬまま。



だらしない笑顔で、何も知らぬ早川はしゃべり続ける。



無造作に髪をかきあげた早川の左耳、赤いピアスがキラリと光った。




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