第11話
そして、球技大会も終わり、今日は期末テスト成績発表の日。朝から校内の掲示板に上位100名の順位と点数が張り出される。
昨日の夜から順位が気になってなかなか寝付けなかった。いつもより早く家を出たものの、学校に着いたときにはすでに人だかりができており、それぞれ結果を見て喜んだり、落ち込んだりしていた。
結果を見ようと掲示板に近づく。自然とあけられる道を進み、あと一歩で掲示板が見える位置まで来たところであった。掲示板の前には1組の生徒と思われる2人の男子が話が聞こえてきた。
「やっぽ咲良すげーわ。」
「うん。あんだけバスケの練習しといてね。勉強だって、僕たちに教えてばかりでさ・・・。」
・・・・咲良がなんですって?まぁいいわ。まずは結果よ。結果・・・・・・・・・。
【一学年 一学期末試験 結果】
一位 咲良 優 885点
二位 市居 香奈 870点
三位 阿玉 良雄 810点
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「すげーよ。また一位って。」
「だよね。優ってばあんま勉強してないくせにずるいよ。」
「あ、咲良ぁ!おーい。結果出てるぞー!」
掲示板をにらみつける私の隣では1組の男子たちが「咲良すげー」を連呼していた。さらに最悪なことに、その男子たちは登校してきた咲良を捕まえ掲示板前に呼びやがったのだ。1組の男子たちは私が隣にいることに全く気付いていない。
「おはよう。伊月、歩。」
「おう。咲良、お前すげーな。一位だぞ。」
「あ、本当だ。」
いつも通りの時刻に登校してきた咲良は、順位など気にしていないかのように間の抜けた声で答える。
「お前もっと感動しろよ。喜べよ。」
長身の男が咲良の背中をばんばんと叩く。
「いやぁまぁ、俺には剣道の方が大事だ・・・し・・・ん…?」
ふと隣から視線を感じたのか、咲良の視線がこちらに向く。
怒りに体中が沸いて震えるほどの私に恐れおののいたのか、気づいておはようと言った瞬間咲良の動きが止まった。
「い、市居さん……?」
いつもの私からは想像できないほどの鬼の様な形相だったと思う。顔を取繕う余裕なんて無かったもの。そして、覚悟を決めて勢いよく、人差し指を咲良に向けて言葉を放った。
「咲良 優!!!あんたなんか大っっ嫌いなんだからっっ!!!!!」
シーンと静まり返る場を気にもとめず、私は颯爽とその場を後にしたのだった。
朝、登校して一番、男子の間でひそかに人気のある女の子から「大嫌い」宣言された咲良は、その場に呆然と立ち尽くすしかなかった。
「俺・・・・なんか悪いことしたっけ・・・?」




